やるせないという言葉がピッタリはまる
2021/09/07 23:04
17人中、17人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ましろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
3巻ではようやく、主人公が何故悪名高い夷陵老祖となり、何故悲惨な最期を迎えたのかという過去が全て明かされました。
正道とは邪道とは、善とは悪とはというテーマが色濃く出ていて、過去の清算できない罪も相まって心がかなり抉られます。
残忍かつ悲惨な激動の過去編を経て、さらに現在でも罵詈雑言の嵐で、読み返すのがしんどいくらい心が沈んでしまうのですが、そんな過去があったからこその胸が熱くなる展開や、合間合間にご褒美かのようにBLというアメをくれる構成に脱帽です。
時たま入るこの要素によって、ああそういえばこれBL小説だったわ…と思い出させてくれます。それくらい凄惨な巻です。
3巻も現在と過去を行ったり来たりしますが、過去編を挟むことでその前後の現在のシーンに深く大きな意味を持たせている点が素晴らしいなぁと思いました。
そしてやられたら何倍も残忍にやり返す夷陵老祖の魅力がすごいです。
何でしょうあの陽と陰の絶妙なマリアージュは。
弁が立ち才能があり圧倒的強さも持っているのに、見えていないものが沢山あり、色々と上手く躱せない青さというか、完璧でない感じが人間くさくて良いですね。
過去編はみんな大切なものを守りたかっただけなのに、守ろうとすればするほど手のひらから零れ落ちていき、全て裏目に出てしまうのが本当にやるせない。
特に藍忘機との気持ちのすれ違い、江澄との立場と生い立ちの差からくる守りたいものとその守り方のすれ違いが辛かったです。
現在も過去も「正義」という言葉が自分の理想に当てはめた、ていのいい言葉になっており、各々が信じたいものしか信じない様子に何とも言えない気持ちになりました。
つくづく少年組の存在が有り難くて仕方ありません。過去の状況を口頭や書物(捻じ曲げられた真実も含む)でしか知らない、これからの未来を担う少年組がいるからこそ、この重苦しいストーリーに光を見出せるというもの。
彼らは他ならぬ魏無羨本人と、隣に立ち続ける藍忘機をその目で見てきたからこそ、噂ではなく自分の目で見て判断したことを信じるようになっていくのが良い。
義城で積み重ねた信頼は厚いですね。こういった変化の理由付けが丁寧に描かれているのが素晴らしいです。
そして今回印象に残ったのは藍忘機の「皆人間だ」というセリフ。
誰も彼もが魏無羨のことを、無情で人間離れした何かといったように良くも悪くも過剰に評価し、当然のように悪意を向けてくる世界と成り果てている中で、いつだって彼を普通の人間にしてくれるのは藍忘機なんだなぁと、今生における鉄壁の精神安定剤っぷりに感服しました。
そんな中で、前世では未来を考える暇も余裕もなかった魏無羨が、あのような未来予想図を思い浮かべていることに愛しくてたまらない気持ちになりました。
難攻不落であった魏無羨の正解ルートを選び取り、全幅の信頼を勝ち得た藍忘機に拍手。
つらい!萌える!つらい!萌える!つらい!萌える!
2021/07/18 10:08
11人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひっそりみーたん - この投稿者のレビュー一覧を見る
第三巻超絶しんどいーーーっ!!
実はぼく、アニメ放送時期にTwitterであったハッシュタグ #魔道祖師しんどい のこと、いやいやいや大げさ過ぎるでしょw しかも公式発タグとかwwwwww って思ってたけど、原作については本当にその通りですよ!!!
しんどすぎるよぉ、ハンケチ用意するの忘れた上に人目のあるところで読んでしまって後悔したわい。
もうねぇ、ほんと……魏無羨の志と能力はでかくても、まだ人として未熟な部分とか……それを江澄や藍忘機ができ得る限り助けようとして……でも助けられないばかりか裏目裏目に……。
あーっ、悲しっ!!!
ぼくは泣いた!!!!!
でもね、悲しみのエピソードの合間合間に、すごい萌え挟まってくるの! もはや藍忘機さん恥も外聞もかなぐり捨ててるな!! 愛に生きとるでー、あの含光君がさあ!!!!!!
はあ、飴食いながら鞭に打たれ続けたような読後感だった。
あ、ちなみに今回もエロエロはありません。
極めてグロいシーンがあるけれど、大人向け娯楽小説にはよくあるグロだと思うし、中学生以上には安心して読ませられる(と思う)やさしい(?)BLだよ!
買ってよかった!
2021/08/27 15:58
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あくあちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
アニメではわからなかった内容までが書かれていて、より理解ができました。ウェインの心情表現も、小説ならではだと思いました。やっぱり、雲夢江氏の2人のやり取りは面白いです。たくさん笑いました。図書館で借りるだけにしようかと迷っていましたが、買ってよかったと本当に思います。まだ、4巻は買えていませんが絶対に買います!再発売の日が待ち遠しいです。
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投稿者:Sota - この投稿者のレビュー一覧を見る
今巻は、涙無しでは読めませんでした。
次第に明かされていく真実に、どうしてこうなってしまったのだろう、と、虚しい思いが込み上げてきました。
大げさかもしれませんが、対話の重要性や、洗脳の恐ろしさを、痛感しました。
それだけに、少年たちが、自分達で判断して行動に移す姿は、感動しました。
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投稿者:るり - この投稿者のレビュー一覧を見る
今回は過去編ではアニメでもあった夷陵老祖になる場面もあり、また姉の厭離と金子軒の展開も出てきます。二人が亡くなったことによる魏嬰の絶望感まで。
それとは別にBLなあのシーンが!百鳳山の目隠しが出ます。気になってたので読めて良かった。
所々に藍湛の想いが出るのは良いですね。連れ帰り隠すのは父譲りですね。
しんどい場面が続きますが
2022/09/28 09:59
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投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドラマでしんどさは予習済なので大丈夫でした。その後の展開もわかっているし。それにしても、隕鉄の設定以外、ドラマがこんなに原作に忠実だとは思いませんでした。
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ドラマやアニメよりも魏無羨の人となりが掴みづらい。翻訳の影響なのか元々の原作がそうなのか気になる。
話はぐいぐいと不幸に不幸が重なっていく地獄の鬱展開。それが辛いけど楽しい。
最終巻も楽しみです。
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▼あらすじ
魏無羨が十代の頃、藍忘機と協力して妖獣を倒したことで二人の距離は少し縮まった。しかし、それがきっかけで雲夢江氏は岐山温氏により壊滅に追い込まれてしまう。襲撃から生き残ったものの、突然姿を消した魏無羨を捜し続ける藍忘機と江澄。そして再会した時、彼は笛音と翳りを身に纏い鬼道を操るようになっていた。その強大な力を恐れ持てはやす者たちに反して、藍忘機だけが彼をまっすぐ見つめ、正道へ引き戻そうとする。会えばいつも喧嘩別れになる二人だったが、何度突き放しても藍忘機は諦めず――。
***
ストーリーの完全度:高い
トーン:シリアス
エロ度:無し
萌え度:高い
総合評価:★4.5
4巻は大分ホラーちっくというか、グロテスクなシーンが多い印象でしたね。
ですが、蓮花塢に温氏の軍勢が乗り込んできて雲夢江氏が滅ぼされてしまうシーンは思ってたよりあっさり描写されていたので驚きでした。この辺のシーンは陳情令でもアニメでも大分しんどい思いをした部分なので、原作はどれほど残酷に描かれているのかビクビクしていたのですが…(^^;)
ただ、魏嬰と江澄が温晃、王霊嬌、温逐流に復讐するシーンは原作が一番残酷に描かれていました。この復讐シーンは陳情令でもゾッとした記憶があるのですが、原作はより一層ホラーめいていて尚且つグロテスクに描かれているのでホラー耐性とグロ耐性が無い人は読んでて気分が悪くなるかもしれません。要注意です。
そして今回、あの有名な百鳳山での目隠しキスシーンが登場します!(陳情令では大人の事情でカットされた部分ですね笑)
しかも結構情熱的!藍湛の事だからそっと口付けて風のように去っていくんだろうなと思いきや、まさかの暴走しちゃってめっちゃディープなキスしてるし!やっぱり藍湛ってむっつりスケベなんだなぁ…(笑)
魏嬰も相手の事を力の強い女の子だと勘違いしてて、思わず「そんな訳あるかい!」と心の中で盛大なツッコミを入れてしまいました(笑)
ただ、ここからの展開がしんどくて…。魏嬰が大切な人を守る為とはいえ、どんどん周囲から孤立していきます。
窮奇道で助け出した温氏一族と乱葬崗で暮らし始める魏嬰。この温氏一族は何の罪も無い人達なんですが、温氏というだけで迫害を受けていました。あの心優しい温寧も、窮奇道で酷い暴行を受けて命を落としてしまいます。
魏嬰の行動は正しいし、言ってる事も正しいんだけど、邪道を収めた魏嬰はちょっと自分の力を過信し過ぎている所があって、しかも言葉を選ばずにはっきり言っちゃうタイプだから敵を作りやすいんだよね…。
まぁ、一度は死んだ温寧を意識のある凶屍として復活させられるくらいだから魏嬰が驚異的な才能の持ち主である事は間違いないんですけど、やっぱり邪道を収めた魏嬰に明るい未来が用意されているはずもなく。
最終的には力が制御出来なくなり、自分の大切な姉の夫である金子軒を温寧を使って殺してしまい(本人は殺すつもりなどなかった)、更にその姉も不夜天の戦いで魏嬰の身代わりとなって死んでしまいます。
そして最後は魏嬰自身も乱葬崗にいる温氏一族ご��殺されてしまうという後味の悪い結末に…。
その後、莫玄羽の手によって現世に蘇った魏嬰は金光瑤の策略によって再びあの乱葬崗で追い詰められる事になるのですが、今度は前世の時と違って魏嬰の周りにはちゃんと味方がいます。
藍湛は勿論、義城で魏嬰と一緒に行動をしていた思追や景儀、欧陽子真といった少年組達も魏嬰の味方をしてくれて感動…!(てか欧陽子真くん本当に良い子だな…)
しかも伏魔洞の血の池から血屍が次から次へと現れ魏嬰を守ってくれるんですが、その正体が予想外の人達で!!(T_T)
この血屍達が出て来る展開は陳情令では無かったので衝撃的でしたし、何よりもうせつなくてせつなくて読みながらうるうるしてしまいました。(温寧の反応にも涙を誘われる…)
次でいよいよ最終巻ですが、きっと4巻がシリーズの中で一番濃い内容になるに違いありません。金丹の真実、観音廟での最終決戦、そして何と言っても4巻はエロシーンがありますからね!(笑)
今までもほんのりBLみを感じるシーンはありましたが、エロシーンはまだ一度も出て来てないのでどんな感じで描かれるのか非常に楽しみです♡
ああ、早く4巻が読みたい…!!(*>ω<*)
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窮奇道の悲劇は知っていてもやっぱり辛い。魏無羨自身は大嫌いでも、大好きな厭離姉さんの愛する夫で、死ねば良いなんて全く思ってもいない相手を、事故とはいえ、己の過信が原因で自分が殺したも同然なんて、師姉には顔向けできないし、自業自得が過ぎて、八つ当たりならできても誰も他人を責められないし、過去の自分を責めるにしても、過去の魏無羨の選択のどこをどうすれば違う結果になったのかが全く思い当たらないのが本当に辛い。不夜天に至る魏無羨が、自身が取り残される立場になって初めて、英雄病だと自身を罵った江澄の気持ちが分かったというのもしんどいなあ。
江澄と魏無羨、瀕死の温晁に対しての拷問が過ぎて、怨みの深さは分かるものの、二人とも常軌を逸しているなあとも。魏無羨を外で待つ藍忘機が切ない。ただ、魏無羨だけでなく江澄も同じようにしているっていうので、魏無羨自身が邪道に蝕まれているわけではないんだよなあとも。ただ、魏無羨が射日の征戦に合流したのがここで、戦場で藍湛と魏嬰は何度も顔を会わせその度に喧嘩していたのだから、射日の征戦ってけっこう続いていたんだな! とも驚いた。あと、江澄と魏無羨って本当に阿吽の呼吸で、だからこそ言葉が足りなかったんだろうなあとも。剣を持たなくなった魏無羨が自分を驕るように言うのに対して、持たなくて良いっていう江澄も魏嬰同様に世間に冷淡で強気にも感じて、ああ似ているなあと感じたのだけど、実際江澄はどういう気持ちだったのか深く考えるとどうとでも解釈できそうで面白い。江澄が温情や温寧に治療されたのを直に見ていたなら状況は変わっていたのかな。
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辛い内容の3巻。
厚い本の全てが辛い内容では無く、合間合間にほっこりするところもあり心が折れなくて済んだ。
しかし「夜奔」は特にツライ。魏無羨の伝わらない思い、何をしても悪者にされ、さらに大切な師姉までも失う。静かな慟哭…。魏無羨の最後は端的に書かれてる。4巻で詳しく出てくるのかな…。
ラストにサラッとBLらしい感じが出てきた。
ずっと静かに見守ってきた藍忘機、帯にも書かれているけど16年以上の不変の思いは報われてほしい。
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ドラマがダイジェストに思えてくる小説ならではの圧倒的スケール
残酷さも10倍増しなだけにカオス感は半端ないです
善悪について凄い考えてしまう巻でした
ドラマと小説でキャラも微妙に違っててそれぞれの好きな部分を楽しめる〜
そして「やっぱBLなんだ、、」と忘れた頃にやって来る萌が甘すぎる
こんだけ分厚いのにサクサク読める
あと一巻読むの惜しいなー
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1・2巻はBL色薄いな? と思ってたけど、3巻に入ってついに目隠し○○シーンが。ドラマはブロマンスだから、さすがにこのシーンはなかったね。
そして、キタ―――! ドラマでもあった藍湛が兄上に打ち明けるシーン。
「ある者を雲深不知処に連れ帰りたいのです」
「連れ帰り……隠します」
「しかし、彼はそれを望まないのです」
この時、藍湛が本当に魏嬰を雲深不知処に連れ帰るのに成功してたら、あの窮奇道での悲劇は起きなかったかもしれないと思うと……悲しいねえ。でも、そしたら温氏残党は本当に一人残らず殺されただろうし、部下になって支えると言った江澄を自分から切るとか無理だったよね。やっぱり、一度は離れるしかなかったのかな。
この巻の見どころは、なんといってもラストの伏魔洞での戦闘シーン。特に、血屍が魏嬰たちを助けるところは感動して涙が……。魏嬰があの時したことは、決して意味のないことじゃなかったのだと思えた。ドラマでもこのシーン、見たかったな。でもドラマだと温氏残党はみんな金鱗台で……だったもんね。
それと、温寧に香り袋を次々に差し出す少年組にほっこり。思追はもちろん、藍景儀と欧陽子真のキャラもいいよね。大人たちがひどい分、素直で優しいこの子たちの存在が本当に救い。
易為春と方夢辰がしつこくてうんざり。確かに恨みたくなる気持ちはわかるよ。わかるけど、今回の件に関しては魏嬰が黒幕じゃないって証明されたわけじゃん。それなのに「信じない!」とか言って攻撃してきたり、最後までいちゃもんつけてきたり。ここらへんはドラマではカットされてたから良かった。
あと、ヤオ宗主がマジでウザい。あんたはもう喋らなくていいよ! と何度思ったことか。
蓮花塢に向かう船の船室から少年組のみんなが顔を赤くして出ていくシーンが面白かった。そうだよね、二人の世界には誰も入れないよねぇ(笑) 最後、ついに魏嬰が恋心を自覚したか? というところで4巻へ。
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百鳳山のシーン(目隠し魏嬰が唇を奪われる)をようやくちゃんと原作で読めて感無量です。これが噂の…いや藍湛お前…お前…(笑)!
ニヤニヤしましたがここからの流れが不穏です。窮奇道から不夜天の辺りは本当に辛くて見てられない、と同時に集まった連中との問答での魏嬰がド正論すぎて気持ち良くもある。あんなにド正論なのに理不尽な言いがかりで押さえつけられてしまうのがキツい訳ですが。
今巻では私の大好きな乱葬崗での問答もあるので読み応えが凄いです。子供達と魏嬰の絡みが好きなのですが欧陽子真くんはやはり良い…君魏先輩の事好きすぎだね…
血の池から彼らが加勢に来てくれたシーンは涙無しには読めませんでした。
ドラマでも見たかったなぁ…
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魏無羨と江澄、昔は仲良かったとまではいかないけれど上手くやれていたはずなのに、どうして仲違いしなければならなかったのでしょうか。一ヶ月礼と血の不夜天の悲劇が重なった結果と言えばそれまでですが、全てが悪い方へ悪い方へと向かっている様に感じ、読んでいて辛く感じました。
また、温寧が制御を外れ金子軒を死なせてしまった報いとでも言うかの如く、温情、江厭離、乱葬崗の人々と魏無羨の味方が次々と居なくなってしまい胸が張り裂けそうでした。
そんな中、藍忘機が度々、魏無羨を心配し、彼の元を訪ねてきていたのだと思うと、とても健気で微笑ましく思えました。前世では藍忘機の心配や想いが、魏無羨に全く伝わっておらず焦ったく感じ、復活してから漸く2人の距離が縮まってきて何処かほっとしつつも、早くくっついてほしいと急かしたくなってしまいました。
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ウェイの過去がわかってきて面白い!ラストは泣かされました。次で終わると思うと、読むのがもったいなくなる。番外編とか読みたいけど、ないよね?