越前福井藩主 松平春嶽

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良く言えば親藩大名でありながらバランス感覚に優れていたものの、悪く言えば親藩大名であるが故に倒幕にも加担できず結果的に中途半端な存在になってしまった松平春嶽。橋本左内曰く「真面目過ぎて、剛腹ではない」という性格も災いしたようであるが。43歳で引退して亡くなる63歳までは歴史編纂していたというから、人生の1/3は隠居生活だったというのも少々イガイではあった。
いつもドラマの脇役的存在で、あまり注目されないとはいえ、薩長でもなく会津でもなく「第3極」という微妙な立場であった福井藩の観点から幕末維新を描く事により、新たな歴史的視点を提示している点で興味深い内容となっている。

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春嶽の一生を通じて、幕末維新史を大変分かりやすく整理して著述されている。最新の研究に基づいていて、好著。

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薩摩、長州、土佐藩以外の視点で描かれた珍しい本。坂本龍馬繋がりで松平春嶽のことは軽く知っていたが、春嶽のことをより知ることができた。ただ、盛り上がりに欠ける文章なのは否めない。