江戸の科学者
著者 吉田 光邦
関孝和、貝原益軒、渋川春海、杉田玄白、平賀源内……。伝記を通して、江戸に花開いた科学や技術の発展の軌跡を紹介する。科学者小伝付き!(解説:池内了氏)『解体新書』、『蘭学事...
江戸の科学者
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商品説明
関孝和、貝原益軒、渋川春海、杉田玄白、平賀源内……。伝記を通して、江戸に花開いた科学や技術の発展の軌跡を紹介する。科学者小伝付き!(解説:池内了氏)
『解体新書』、『蘭学事始』で知られる杉田玄白が生まれたときは大変な難産でした。看護の人たちは母親に気をとられ、生まれたばかりの赤ん坊のことは忘れてしまいました。死産だろうと思われ、とり合わせの布に包んで横に置いたままにされたのです。しかし、ようやく落ち着き、赤ん坊を見ると元気で生きていました。その後の玄白は元気に育ちます。17,8歳のころ、医官である父に医業を学びたいと申し出ると、幕府の医師である西玄哲に入門することになりました。西玄哲は通訳の家の出身で、ポルトガルやオランダの医術を覚え医師となった人物でした。玄白はこの頃から西洋医術の優秀さに触れることとなったのです。――西洋医術の導入、日本人のための暦、エレキテル、鉄砲の大量生産……など。著名な杉田玄白や渋川春海から砲術家の坂本天山まで、江戸時代を代表する科学者たちの幼少時や師事した先生とのエピソード残した業績をコンパクトに紹介する伝記集です。科学者たちの生涯を通し、江戸時代の科学や技術の発展の過程を生き生きと描き出します。29人の科学者小伝付き。解説は池内了氏。
(原本:吉田光邦『江戸の科学者たち』、社会思想社(現代教養文庫)、1969年)
本書の内容
関流をめぐる人びと
――関孝和たちと会田安明――
本草から大和本草へ
――貝原益軒――
本草から博物学へ
――稲生若水・小野蘭山――
日本暦の誕生
――渋川春海――
町人天文学者たち
――麻田剛立の一門――
測地事業の推進者
――伊能忠敬――
幸福な蘭学の始祖
――杉田玄白――
異端の科学者
――平賀源内――
電気学の正統
――橋本宗吉――
最初の自然哲学者
――三浦梅園――
自然哲学の展開者
――帆足万里――
通訳から科学者へ
――本木良永・志筑忠雄・馬場貞由――
桂川家の人びと
――名門の学者たち――
宇田川家の人びと
――家学を守った人たち――
悲劇の科学者たち
――シーボルトとその門下――
職人と発明家
――国友藤兵衛――
哲学的な砲術家
――坂本天山――
農業技術の変革者
――宮崎安貞・大蔵永常――
科学者小伝
参考文献とあとがき
解説(池内了氏)
索引
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江戸時代の科学、科学者を概観できる。
2022/02/19 17:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸時代の科学者の業績をまとめてある。
日本歴の渋川晴海、蘭学の始祖である杉田玄白、異端の平賀源内など、著名な人物も含めて20数名。それぞれに充てられた紙数は多くはないが、全体を通すと「江戸時代の科学」の様相がみえてくる。
青木昆陽や花岡青洲などは「科学者小伝」としてそれぞれ数行の内容で納められている。
読む者が既知の分野の人物についてはそれほど新しいとは思えない内容かもしれない。しかし、他分野でのさまざまな活動の一端を目にすることも意味あることだと思える。