紙の本
こういうの読みたかった
2022/06/06 07:21
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投稿者:へいわVI - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白かった。コラボPVがYouTubeにあることに読了後に気づいた。あのイラストを思い浮かべながらまた読みたい。TOOBOEの紫って曲はこの作品を原案としたものらしい。何で帯で宣伝とか無かったんだろう。
紫苑と恋華のラブラブっぷりがいい。あくまで同性愛であることが禁忌でないのもいい。同性愛が禁忌なんてとっくの昔に食傷気味だから。 百合作品好きなのだけど、メインのジャンルがそれ以外の作品での百合ってのもまたいい。百合以外のジャンル読んでて主人公も恋人も女だったらなーって思いが叶う作品。どんどん増えればいい。
月村了衛って人の選評、ツイッターでも他の作品に対してのでよく見かけるやつじゃん。世の中には恋愛メインでなくとも異性愛がある作品なんてごまんとあるし、最終回発情期すらあるのにな。恋愛要素いる?とはあっても異性愛であること自体に必然性は求められないのに。つか作中で意味なく登場するところにメタ的に意味があると思う。それに、本当に必然性無かったんだろうか。まさか、同性愛が禁忌じゃないなら異性愛でよかったじゃん的な話なんだろうか。
紙の本
令和の乱歩賞は「武侠小説」
2022/03/12 09:43
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投稿者:higassi - この投稿者のレビュー一覧を見る
第67回江戸川乱歩賞受賞作。伝統ある賞の中でも新鮮味溢れる武侠小説として楽しめました。武術の要素はエンターテイメント性があり、義理人情の要素は任侠好きの日本人に合っていると思います。謎解き自体はややシンプルですが、令和の時代の受賞に相応しい一作でした。
電子書籍
乱歩賞
2021/11/26 08:36
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
中国の時代物、孤島、雪上の足跡無し、密室、その上百合……。なんだか、古典的な推理小説みたいな設定なんですけど……。ただ、特殊能力があれば、密室なんて突破できるのでは……とは思ってしまいました
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人里離れた場所で暮らす武術の達人と、その義娘と愛弟子。
ある日奥義を伝承するためにと呼ばれた客人が3人。なぜ自分にはその権利がないのかと不満に思いつつも、3人を客人としてもてなし、翌日には継承も行われるはずだった。
師父が死ななければーー。
馴染みのない舞台設定ながら、違和感なく読み進められたし、なにより謎を1つずつ解いていく感じがミステリーとしてとても面白かった。
ミステリーのこうした純粋で単純なわくわくを感じられたのが久しぶりで、嬉しくなっちゃった。
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第67回大賞受賞。2021年。
2作受賞してるのだ。
中国の宋の時代。みなしご紫苑は泰隆に拾われ、養女となり、武術をしこまれる。同じく養女となった恋華とラブラブ中。泰隆が奥義をさずけると3名の武術師が集められる。そして殺される泰隆。
ジンギスカーン。ふーん、みたいな。
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中国が宗と呼ばれていた時代、そこには心身を鍛練した武人が、若く美しい女性の弟子と血の繋がらない愛らしい養女と修練の日々を過ごしていた。
そこに三人の訪問者がやって来て……
と、まあこう書くといかにもシンプルな構成になってしまうけれど、そこはさすが江戸川乱歩賞受賞作品、ファンタジックながらも荘厳なミステリー。特殊設定の密室でありながらも人と人の心理、技能の探り合いの中互いに愛憎を晒し合ってゆく。
登場さえしなかったけれど蒙古のテムジンがそれらの影響を~に大陸の大きさ、歴史の壮大さを垣間見られました。
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一人一人のキャラがとても生き生きしていて読んでいると頭の中で映像がすっと浮かび上がった。
特殊能力×館密室×ミステリー×百合と言うなんともてんこ盛りな1冊。
ざっくり言えばNARUTOでミステリーみたいな感覚だった。
ただその特殊能力に関しては作者本人しか詳細が分からないから実は読者に明かされてないだけで他に湖を渡る能力とかがあるならこのミステリーは成立しないのでは?
と思ってしまう所もちょっとあったけど、それでも面白かった。
個人的にはミステリーより戦国物とかキャラ立ちするバトル系の小説を書いて見て欲しいなと思ってしまった。
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第67回江戸川乱歩賞作品。武俠小説×ミステリということで話題になった1冊。特殊設定を謳っているがそれは外枠だけでストーリーの骨格はよくあるパターンでサクサクと読める。師匠と弟子の関係や許されない恋といった手垢のついたプロットに武俠という奇抜さを盛り込むことで上手くエンタメ度が高められている。しかし本格ミステリとしては「まあそうだろうな」という内容でちょっと厳しい面も。ただ実際の中国史を活用する所なんかはなるほど、と思う面も多々あった。個人的には武俠バトルと百合要素はいらなかったかも。
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任侠伝のような武術,その奥義の継承で集まった三人の武術者.湖の中の島での殺人,面白そうな要素がいっぱいで,弟子と娘の恋愛も加わって話はどんどん複雑になっていく.
師父は誰に殺されたのか,理詰めで一つ一つ解き明かされていくところがよかった.
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江戸川乱歩賞受賞作。中国の宋時代を舞台とした、武侠小説にしてミステリ。雪密室(しかも孤島の館!)で起こった事件、さまざまな能力を持った容疑者たち、フーダニットとホワイダニットがぞんぶんに楽しめます。
なんといっても武侠たちの使える能力を前提にしたフーダニットが楽しいです。雪密室なのに足跡を残さずに行き来できる人物とか、普通ならありえないのだけれど。それもきちんと前提にされれば論理としては本格だし。各自のとんでもない能力を用いたバトルのようなものがときどき繰り広げられるところも面白く、ぐいぐい読めました。このあたりの読み心地はコミカルですらあります。しかしそこからさらに何故事件が起こったか、のホワイダニット究明になってくると、歴史的情勢も踏まえて急にシリアスな印象に。なるほど、こういう時代の物語にはあまり詳しくないのだけれど、あんなものを学ぶのは普通じゃなかったのか……。
ラストも好きだなあ。館ミステリのお約束(笑)。切なさの残る結末ではありますが。読後感は穏やかな気がします。ラストで描かれているのはあの人たちのことなのかな、などとも思ったりもして。
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江戸川乱歩賞受賞作の武侠小説ミステリ。
内功、軽功などを前提とした特殊設定はあるが、しっかり本格ミステリになっている。
武術の達人である梁泰隆がその奥義を譲る相手は、弟子ではなく他の三人の武侠の中の一人だという。三人がやってきた晩に事件は起こる。奥義とは何なのか、そして事件の真相は‥
最初は孤島の密室殺人から始まるが、終盤になって話が壮大になってくるのはワクワクした。宋と金の関係など時代背景も面白かった。
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武侠小説好きなんですが、最近なかなかないので設定だけで楽しく読み始められました。
師匠である泰隆が殺され、現場は湖の中心の塔。渡し舟は塔の側に。この辺は通常のミステリですが、湖を渡れたり雪に足跡をつけずに歩けたり毒を自力で解毒できたりという武術というか仙術みたいなものが加わることで世界観が楽しく。特殊設定ミステリの範疇になるんですね。
という感じで世界観はとても楽しく読んだんですが、ラストがちょっとさっぱりしすぎかなあ、と。それまでの展開に比べると地味に終わってしまった印象。前半から中盤の盛り上がりはよかったんだけどなあ。
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南宋を舞台の任侠もの本格ミステリー。新感覚のミステリーだけど、文体が静かで美しい。理論も筋が通っているけど、途中から展開が読めて驚愕のラスト…ではない。
終わり方が12国記テイスト。もっといえば後半から戴国の争乱のような流れで。中華風味が加わるとああなるのかな。武器の説明パートでは、時代は違うけれど真・三国無双を小説で見ているようなワクワク感が感じられた。あと、ご飯が美味しそう!
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「北緯43度のコールドケース」とともに乱歩賞ダブル受賞作。後期南宋の武侠ものという意表を突く舞台設定がよくできている上に、事件が閉ざされた湖上の楼閣という本格ミステリ感十分。また登場人物の横顔描写も必要十分で申し分なし。結末というかプロットも良かったのだが、事件被疑者たちの殺害動機の仕込みが甘いのが読後も引っかかった。小説自体はすごく上手く読み易い。今後も期待できる作家さん。
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南宋の武侠が主人公の物語なのに孤島の館が舞台の密室殺人?しかも百合要素までありですって!?
いやはや驚きの乱歩賞受賞作です。
老齢の師が弟子以外の武侠3人のうちの1人に奥義を授ける、と決めた後に迎えた不可解な死。
いつ、だれが、どうやって、何のために師を殺したのか。
招かれた3人。それぞれと師との関係。解かれていく謎。明らかになる真実。
スリリングな展開にのめりこむ。人が生きる意味、死ぬ意味、求められる道。極限まで鍛え抜かれる厳しさの果てにあるもの。その世界でしか生きられぬ彼らの人生を思う。
外功も内功も持たぬ身でよかった。いや、武侠にもなれませんけど。