倭国 古代国家への道
著者 古市 晃
「万世一系」の天皇を頂くとされる「日本」の起源はどこに求めるべきなのか。複数の王統が大王位を目指し競合していた時代が終わり、唯一の系統が大王の地位を独占するに至るプロセス...
倭国 古代国家への道
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商品説明
「万世一系」の天皇を頂くとされる「日本」の起源はどこに求めるべきなのか。複数の王統が大王位を目指し競合していた時代が終わり、唯一の系統が大王の地位を独占するに至るプロセスを、これまであまり注目されていなかった史料から読み解く、スリリングな「倭国形成史」。
目次
- 序章
- 第1章 5・6世紀の王宮を探る
- 第2章 王とはどのような存在か
- 第3章 5世紀の中央支配勢力 ゆるやかな連合関係
- 第4章 中央支配権力と地域社会 瀬戸内沿岸を中心に
- 第5章 播磨国風土記の歴史世界
- 終章 新王統の成立と支配制度の誕生
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より史学的アプローチの古代史概説書
2022/02/07 12:03
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いて座O型 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の古代史については、素人の著作も含めて、概説書は数多く出ている。
しかし考古資料・文献資料とも十分ではない時代なので、結局は推測が多く、史学的には不十分になりがちなように思う。
本書では、そういう推測について、言語的なアプローチや、伝承の類似などから関係性を推測するなど、単なる想像や想定に基づく考察ではない、より具体的な根拠に基づく史学的なアプローチで、古代史を再構築することに成功している。
全体として首肯できる内容ばかりではないものの、文献上の古代豪族の勢力の消長などスムーズに説明できるようになっている部分も多く、今後の新たな研究進展に大きな影響を持つであろう学説が、概説書として一般にも読めることになったのは、意義深い。
王名から王宮を想定するのが特徴的
2021/10/26 12:51
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:K2 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主に文献史料の検討から、5〜6世紀の倭国に迫る。特に重視するのは王宮。従来説と異なるのは、王名から王宮の存在を想定する方法。王族を「中枢王族」と「周縁王族」に区別し、多元的な5世紀から専制的な6世紀への変化を見通す。5世紀後半をあまり評価しないのが特徴だが、6世紀の達成の前提として、積極的に位置付けた方がよいかもしれないと感じた。
冗長で退屈な箇所は読み飛ばして読了することが肝要
2024/03/30 21:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
文献史料が乏しく王宮の発掘調査も進んでいない謎の5世紀の国家の実像に、記紀や風土記に加え地名等を手がかりに迫っていく力作。倭王を出すことができる中枢王族と、倭王には就任できないが王族を称することができる周縁王族という複数の集団が存在し、5世紀の倭王はその同輩中の第一人者という存在にすぎず、その後、吉備や葛城をはじめとする各地の豪族との対決や王統の断絶等を経て、継体天皇以降の強大な支配権力に至るまでを素描。一般向けにしては冗長で退屈な箇所もありますが、読み飛ばして最後まで読了することが肝要な本でした。