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電子書籍
歴史のダイヤグラム 鉄道で見る日本近現代史
著者 原 武史
特別車両で密談する秩父宮、大宮vs.浦和問題を語る田山花袋、鶴見俊輔と竹内好の駅弁論争……。鉄道が結ぶ小さな出来事と大きな事件から全く知らなかった日本近現代史が浮かび上が...
歴史のダイヤグラム 鉄道で見る日本近現代史
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歴史のダイヤグラム 1号車 鉄道に見る日本近現代史 (朝日新書)
商品説明
特別車両で密談する秩父宮、大宮vs.浦和問題を語る田山花袋、鶴見俊輔と竹内好の駅弁論争……。鉄道が結ぶ小さな出来事と大きな事件から全く知らなかった日本近現代史が浮かび上がる。朝日新聞土曜別刷りbeの好評連載、待望の新書化。
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紙の本
鉄路にまつわる大事件から列車での小さな出来事まで
2022/12/09 18:30
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史は鉄路で作られる─といっても過言ではない。本書の内容は副題が的確に表している。1931年9月18日の夜、中国東北部・奉天(現在の瀋陽)近郊の柳条湖で、南満州鉄道の線路が爆破された。当初、中国兵による 不法な襲撃とされたが、実は日本の関東軍が仕組んだ謀略だった。本書は、まさに鉄路が絡む大きな事件から、鉄道を介して展開される小さな出来事まで、まったく知られなかった近現代史の実相が、著者の豊富な鉄道知識を通して、浮かび上がってくる。「第一章 移動する天皇」では、「神を載せる車両」「御召列車の政治的効果」に触れて、次のような記述がある。「御召列車とすれ違う列車の便所は使用禁止になったばかりでなく、名古屋や京都などの停車駅は構内の便所などが幕でおおわれた。聖なる天皇の視界に便所が入ってしまうこと自体が、おそれ多いと見なされたのだ」以下、「郊外の発見」「文学者の時刻表」「事件は沿線で起こる」「記憶の車窓から」と章題をつけ、荷風が見た井の頭線の田園風景、ダイヤ改正と「点と線」の4分間トリック、丸山眞男が聞いてメモした車中の政治談義、 最後はポーランドを訪れた際のワルシャワのトラムと食堂車での体験が綴られている。
紙の本
歴史の視点
2021/09/16 13:33
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ニッキー - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本近代史に関する書籍は、数ある。しかし、鉄道という視点で書かれたものは少ない。筆者は、日本近現代史の専門家であると同時に、鉄道についても造詣が深いので実現した書であろう。
紙の本
天皇・皇族、広範な文化人が登場
2021/11/07 21:57
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は日本政治思想史を専門とする大学教授であるが、『鉄道ひとつばなし』(講談社現代新書)など内容の濃い鉄道関連の著作も多い。朝日新聞土曜別刷りに連載されたコラムを新書にとりまとめたのが本書であり、副題「鉄道に見る日本近現代史」にあるように、明治から平成にかけての日本の歴史の断片を鉄道と絡めて、著者が考察する内容で構成されている。
天皇・皇族の鉄道利用、寺田寅彦・柳田國男・永井荷風・野上彌生子・与謝野晶子・谷崎潤一郎らの文化人の鉄道にまつわるエピソードによる近現代史の記述は、著者の学識のなせる技と思う。特に印象に残った例をあげる。◆昭和39年に刊行された小松左京著『復活の日』は、「チベットかぜ」により、それまで超満員であった通勤電車に悠々乗降できるようになるSF小説。50年以上前に今日の日本の状況を的確に予測している。◆昭和7年頃、思想家の橘孝三郎は列車内で村の年寄りの一団と乗り合わせた。その一団は、「日米戦争の可能性を語り、負けてもアメリカならそんなひどいこともやるまい。アメリカの属国になれば楽になるかもしれない。」と語っていたのを聞いた。知識人ではない村人の会話が日本の近未来を的確に予測的中していたことに著者は注目している。一方で、以下の解説はやや気になった。40年前の宮脇俊三著『殺意の風景』で、名古屋で国鉄の特急「南紀1号」を見送った後、近鉄特急に乗車、津には先着して「南紀1号」に乗り込むトリックが紹介されている。2021年の8月に運転された、「南紀81号」でも同じことができるというのが著者の解説である。この理由の一つとして、「南紀」は40年前も今もディーゼルカーのままとあるが、JRになって新造されたディーゼルカーは、高出力のエンジンを搭載し、加速性・高速性とも電車と遜色ない。わずか5日間のみ運転の臨時列車を見つけ出しての考察は流石であるが、「ディーゼルカー」に関するコメントは、鉄道に造詣の深い原教授らしくない。
紙の本
読み応えがありました
2021/10/18 16:51
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔の日本の鉄道について示した、いわゆる歴史書の新書です。
朝日新聞の土曜日別刷り「be」に連載されている短い文章を集め、新書化した1冊です。普段読んでいる朝日新聞の土曜別刷りの文章を集めると、このように書籍化されるのかと「塵も積もれば山となる」をつくづく思い知りました。
短い文章なので、1項目当たり新書での紙幅はわずか3頁です。よって、スモールステップで読みやすいです。
紙の本
電車に見る歴史物語
2023/05/20 14:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トマト - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史好きにもいろいろあるでしょうが、時刻表を元にした内容はなかなか無いように思います。
有名な方々の小説や日記をもとに、その日の行動を時刻表で追うのは、まるで推理小説のようです。当時の時代背景も描かれていて想像力が掻き立てられます。
電車好きの方は(歴史はあまり好きではない方でも)興味が湧く内容だと思いました。