背景が 広くてちょっと 退屈か
2023/06/15 21:37
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投稿者:清高 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1.内容
北中正和によると、ビートルズの本はたくさん書かれているが、それゆえに全体像が見えなくなっている(「はじめに」の筆者要約)。そこで、新書サイズで、ビートルズの全体像を示そうというのが本書である。
2.おことわり
「この本にはいろんな曲やミュージシャンが登場しますが、ほとんどYouTubeや各種ストリーミング・サーヴィスで見たり聞いたりできますから、確認しながら読んでいただくとわかりやすいでしょう」(p.5)とある。以下の「評価」において、筆者はそのようにしていないことを断っておくと同時に、読者はここで引用したとおりにした方がいいと思う。
3.評価
筆者の印象であるが、ビートルズの背景が、詳しくかつ広く書かれている本である。人種差別の問題からインドまで、ビートルズの音楽の背景がとりわけ広く書かれている。ただ、それゆえか、筆者が読んだ限りで少々退屈してしまった。あとに続く読者が筆者と同じ感想を持たないと信じたいが、背景を広く書きすぎて(実際には広いのだから当たり前なのだが)退屈した点で1点減らして4点とする。
アップルとアップル
2021/11/28 21:42
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は誰に教わったのか忘れてしましましたが、アップルという社名はスティーヴ・ジョブズがビートルズに憧れて付けた名前だと思い込んでいました。彼がリンゴ園で働いたことがあったからつけられた名前だったんですね。当時のアメリカが抱えていた人種問題とビートルズという視点も面白い
ビートルズのエピソードが満載
2021/10/20 21:16
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ビートルズについて詳しくなかったので、勉強しようと購読しました。
ビートルズとメンバーの様々なエピソードが満載で、こういう方々だったのかと学べて良かったです。
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ビートルズの音楽をロックやポップスだけでなく、より広いワールドミュージック視点で論じている。ビートルズ本を読んでいれば必ず出てくる「スキッフル」(ほら変換すらされない)なるジャンル。ジョージマーティンも最初はスキッフルバンド”ヴァイパーズ”をプロデュースし、リバプール民謡でBBC放送禁止のマギー・メイをヒットシングルのB面に載せた。でも今はYouTubeで見て理解できる。当時の背景として重要なのはイギリスでも徴兵制があったり、フランスと組んでエジプトに侵攻(1956年)したりして、WWⅡ後間もないし、ビートルズメンバーにとっても戦争は身近な問題であった。また、人種としてメンバー4人ともアイルランド/ケルト系の血筋をもっている。日本人にはピンとこないが、アイルランド系への差別は相当ひどいものであったらしい。で、音楽的にもそんな民族的な風味や、ジャズやリズム&ブルースなどの黒人ミュージックの要素に大きく影響を受け、カントリーや更にはインド音楽なども取り入れており、そのようなところが他のロックミュージシャンとは圧倒的に異なるのではないだろうか。
当時ロックは相当嫌われており、音楽を通じて黒人と白人の若者が交流することに不満だった大人たちは「ロックンロールは白人の子供を黒人レベルまで堕落させる」とか「悪魔の音楽」「共産主義者の陰謀」とか散々の論評だったらしい。
カバー曲のツイスト・アンド・シャウト:アイズレーブラザーズ、ロング・トール・サリー:リトル・リチャード、ロール・オーバー・ベートーベン:チャック・ベリー、プリーズ・ミスター・ポストマン:マーヴェレッツ等も今はYouTubeで見られる。
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ビートルズだけではなく音楽の歴史に精通していないと深く理解できないように前半は感じました。自分は現代音楽(ロック)の造詣が浅いので知らない固有名詞ばかりでした。
ただ幸いにも、アンソロジーという映像記録はビートルズファンの師に借りて見ていたので影響を受けた数名はぼんやり記憶にありました。
一般的なビートルズ特集だと、ジョンやポールにスポットが当たりがちと感じるのですがこの本の著者は意外にジョージ贔屓なのかな?と思いました。
ビートルズで一番好きな曲が『Something』なのでなんだか嬉しかったです。
ジョージに影響を与えた人の娘がノラジョーンズというのは知らなかったので驚きました。
何故ビートルズが老若男女問わず時代を超えて聞かれ続け愛され続けるのか、自分では言語化できませんでしたが、P203で引用されているスティーヴジョブズの言葉「人生で起きることの大半は、ボブ・ディランかビートルズの歌にある」を読んで、腑に落ちた気がします。納得です。
ジョブズのアップルとの話やストロベリーフィールズフォーエヴァーの制作秘話も興味深かったです。
良い音楽を作るために試行錯誤したビートルズの気概や、その時の創意工夫が現代の楽曲づくりに脈々と引き継がれている、というかビートルズが始めたものが続いている、嗅覚の鋭さという部分に感心です。
やっぱり稀有な存在でしたし4人だからこその影響力だったのだなと感じました。
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「なんで今頃ビートルズなの?」という声も聞こえてきそうですね。単なるビートルズ入門書ならば,わたしも手に取って読んでみることはなかったでしょう。本書は帯にもあるように「世界史の中でビートルズを読み直す」という内容になっています。ですから…他の人も書いているように…ビートルズのことや,彼らの曲の一般的な解説書だと思ったら大間違いです。
わたしにとっては,とても興味部会内容の本でした。ビートルズが生まれる前からのリバプールやイングランドの社会的な情勢,あるいは,ビートルズの音楽に影響を与えたかもしれないいろいろな音楽的な状況などについて,具体例を挙げながら教えてくれます。
著者も書いていますが,今の時代,昔の曲目を聞こうと思えば,スマホ等ですぐに聞くことができます。今回も,本書をめくりながら,10曲ばかり,50年代~60年代の音楽を聴きながら読んでいました。なかなか新鮮な経験でした。『蜜蜂と遠雷』を読んだ時も,演奏曲を聴きながら読んでいたのだったなあ。便利な世の中だよ。
これをキッカケに,またまたビートルズを聴いてみたくなりました。公式のLPは全て持っていますので。
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「(比較的ユルめの本が多い)新潮新書でこの薄さでビートルズ?」と少々バカにしていたのだが、読み終わっておなか一杯に。むしろ、多少ロックの教養とイギリス史の知識がないと途中で投げ出しちゃうかも、ってくらい濃密な一冊。今は知らないアーティストも、YouTubeで聴けるし、英語情報まで含めたら検索で大体の人の素性は分かる。良い時代になったものだ。今回サクッと読んだから、2回目はじっくり堪能しよう。恥ずかしながら、世界的なシタール奏者のラビィ・シャンカル(父)とノラ・ジョーンズ(娘)が結びついていなかった。。。
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意表を突く今までなかった「ビートルズ」本。俯瞰したビートルズ論という斬新な切り口だが、あまり面白くなかったのも事実。
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ビートルズの本はあまたあるが、この本では、ビートルズが影響を受けた音楽やその当時の英国の音楽事情に焦点を当てた一冊。ビートルズの音楽自体にのみ興味がある人には、お勧めできません。私は、充分楽しめました。
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ビートルズには思い出がたくさんあるが、本書は彼らの音楽の根源を探っている感じだ.Please Please Meから次々に異色の曲を連発してきた訳が解き明かされている.特異なアイデアを握りつぶさなかった周囲の人々、さらにそれらを前向きに実現させていく実行力等々.高校生時代には学校や教育委員会から冷たい眼差しで見られていたビートルズだったので、運動会の仮装行列で演じたものの卒業アルバムからは削除されていた.
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ビートルズがこんなにも幅広い音楽から影響を受けていたとは知らず、驚かされました。『リビルバー』『サージェントペパーズ』あたりの録音の背景が特に興味深かったです。
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タイトルそのまんまですね。ビートルズの全部を網羅しているダイジェスト版かと思ったら、ビートルズの原点というか、影響元の話が主でした。なのでこれを楽しめる人は相当な通になるでしょう。僕はそこまでではないのでこれは範疇外だったかもしれません。
しかしビートルズが地元でどんな音楽を聴いて、どんな空気感の中で音楽活動していたかを知れるのが興味深い。前史的に感じる古いポピュラーミュージックから、今聞いても古びないエバーグリーンな音楽を作り出した彼らに感謝。
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一歩引いた感じのビートルズ本
色々なワールドミュージックからの影響を指摘
アイルランドとの延縁
インド、スキッフル、スカなど
YouTubeで再生しながら読む
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ビートルズについては「数え切れないほど本が出版されている」(p.4)けれど、「本が触れるにつれて、重複を避けるための専門化が進み、細部の記述が詳しさを増しています。しかし皮肉なことに、細部に詳しければ詳しいほど、ビートルズの全体像がかえって見えにくくなっているようにも感じられます。」(同)ということで、「この本ではむしろ森林浴のようにビートルズの魅力を味わい、その背景や歴史に思いをはせ、かつて受けた印象やいま受ける印象について語ろうと思います。」(p.5)という本。
今度おれはリヴァプールに行くのだけど、リヴァプールといえばビートルズ、というのは知っているが、英語の教員なのにビートルズについて全く知らず、なんか入門書的なものはないかなと思って、とりあえず見つけた本。
ただ当たり前かもしれないけど、やっぱり色んな曲の名前を知らないと、あるいは当時の有名なミュージシャンの名前とか知っていないと、固有名詞が多いところはとっても分かりにくかったし、読むのが難しい。他のクラシックの本とかもそうだけど、やっぱり曲を聴きながら読むとかしないとなあ、と思った。けどそれができなかったので、これから聴くためのメモを箇条書きで。
・「マギー・メイ」(p.42)…「リヴァプールの伝統的な音楽にはあまり縁のなかったビートルズですが、彼らが演奏した地元の民謡が1曲だけ残っています。」という、船員たちの間で歌われたという曲。
・「ラヴ・ミー・ドゥ」(p.44)…「イギリスのEMIのパーロフォン・レーベルから発表した公式のデビュー・シングル」で、1962年発売の曲。
・「フリー・アズ・ア・バード」(p.67)…「メンバーが自分たちの過去を振り返ってまとめた作品ならではの客観性があり、ビートルズらしさがヴァーチャルに凝縮されている」
・ビートルズの曲ではないけど「ジス・イズ・アメリカ」(p.71)…「差別や銃問題などアメリカ社会の抱える問題を描いた曲でした。ヒップホップ調の曲が最優秀賞レコードに選ばれたのは史上初のことで(略)、その中にも彼がジム・クロウのポスターを連想させるようなポーズをとる画面が出てきました」とか、授業で使える曲だろうか?
・「トゥモロー・ネヴァー・ノウズ」(p.172)…「ジョンがインド音楽を参考に一つのコードで同じメロディだけをくりかえしてうたう」。『チベットの死者の書』からインスパイアされた歌詞?があるらしい。「幼いころから叔母に育てられ、10代で母を交通事故で亡くしたジョンは、欠落感や壊れやすい心を人一倍強い自我に隠してガキ大将を演じ、指導力を発揮してビートルズを成功に導いてきました。しかし人気や名声が心の空白を埋めてくれたわけではなく、悩みを抱えたままいわば本能的に『ヘルプ!』と叫んでいた」(p.173)という部分で、やっと生い立ち的なものを知った。
・「ラヴ・ユー・トゥー」、「ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー」(p.180)…「西洋のポピュラー音楽のアーティストがインドの古典音楽に、異国趣味や道楽やパロディの対象以上のものとして、敬意を払って取り組んだはじめての試み」。
・「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」(p.189)…「スティーヴ・ジョブズとビートルズを結びつける重要な曲」。アップル社同士の係争の話、とか全然知らなかった。
他には、「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ」って英語の授業では中1くらいの定番曲だけど、これは「ロンドンのクラブでジャマイカ系移民や白人の一部の若者に聞かれていたスカのリズム」(p.156)だそうだ。スカ?っていうのを初めて聞いた。
それからビートルズのメンバーがインドとかに興味を持った時期があった、という話があったが、「1960年代の中頃にジョージ・ハリスンはインドの古典音楽の楽器シタールを弾き始めた。最初は『ノルウェーの森』の中でちょっと弾いただけでしたが、その後しばらく自分の曲では同じくらいシタールを演奏していました。」(p.166)だそうで、シタールってどんな楽器でどんな音が鳴るんだろう、とか正直確かめてみたい。「ビートルズのシタール使用はドラッグ体験と結びついた音の万華鏡とでも言うべきサイケデリック・ロックの幕開けをつげるもの」(p.185)だそうだ。あとはビートルズと直接関係ないけど、アメリカのアンクル・サムの軍人募集のポスターは、「その元になったのがロード・キチナーのポスター」(p.147)だそうだ。
ということで、知らないことづくしで読むのも大変だった。少しはビートルズのことが分かったかもしれないけど、やっぱり曲を聴かないと、という感じだった。(24/07)