前作よりも弊機がかわいいです
2021/11/15 06:52
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ビルドシグム - この投稿者のレビュー一覧を見る
後半に向けてスピードをあげていくストーリーが面白い。
弊機の顧客やARTとのやり取りが、どんどん感情豊かになっています。かわいくて落ち込んだときはハグしてあげたくなる。嫌がられるだろうけど。
淡々と語られるので忘れがちだけど、弊機がものすごく大変な目に遭いながら大活躍してます。
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最強AI船のARTに危機、マーダーポットが絶体絶命!
スリル満点の「吉本新喜劇」的宇宙大活劇
抜群だった前作……。
まるでゲーム「メタルギア・ソリッド」のような潜入に、ひとりで「アヴェンジャーズ」のような処理能力と戦闘能力を発揮する爽快感は、やや減少してしまった。
また、ブリザベーションとの関係が深まっていて、前作に漂っていた「孤独感」もなくなったうえに、少し「友情もの」の匂いがしてしまうので、好き嫌いがある。
でも、面白い。
相変わらずの「弊機」と、輪をかけて偏屈な「ATR」との掛け合いは息の合った上方漫才のよう。
放置され、ただ立ち止まっていた警備ポットに「弊機」が「なにをしたい?」と問いかけるも、すぐには答えられない。が、やがて意思をもって動き始める。
逆境に甘んじて思考を停止するのではなく、自らが意思をもって道を歩むこと。
……大活劇のなかにも何かがある。
またこの物語の設定世界。
企業による「テラフォーム」、未開の地での住宅都市開発。まるで「〇〇不動産開発」「〇✕建設」といったところ。
資源開発や住居環境を地球外惑星へ求めていくときに出てくる、異星物汚染という不可解な状況の危機や、経済的理由による「放置」と「利権争い」……。
十分にありうる気がしてならない。
もう間もなく「月」や「火星」の利権争いが現実になるかも。
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前作より弊機の感情表現が豊かになっている。
もっぱら不快感や怒りの感情だけど。
基本敬語なのに、作中で「クソ野郎」を連発しているのが面白い。
ただ近未来の技術描写がイメージしきれなくて、モヤっとしたところもあるので、アニメ化してくれないかな〜
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弊機君の語り口はいつも通り(人が苦手なロボ視点)で嬉しい。
謎っぽい要素はそんなに深くなくダラダラと楽しんでました。
ARTは大きさの概念は無いのに大きな存在として感じてしまうのが不思議。
この世界観の特徴と、今回問題となった物質についてなんとなくでしか理解できなかったのは、私が隙間時間でチマチマとしか読めなかったから…申し訳ない。
弊機君のように、忙しい合間にも連続ドラマを鑑賞して楽しめる身体が羨ましい…
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続編が翻訳されてたいへんうれしい。「弊機」の、いつもどこか口をへの字に曲げたような語り口が健在でとてもうれしかった。本作は初の長編で、ちょっとミステリー?サスペンス風味。
前作の感想にも書いたと思うが、本作も、視覚的描写がやや少なめで、建造物や乗り物の見た目や構造、キャラクター達の姿や動きを想像することに難儀した。もう少し視覚情報を添えるようにしてほしい。
「弊機」も周囲の人間たちも、お互いのことをよく理解していて、尊重しあっている関係性が読んでいて心地よい。いっぽうで、ぎこちなさや微妙な距離感が魅力とも感じているので、このまま馴染んでいってしまうのもなんだかさみしいなぁという、読者として屈折した思いも抱いてしまった…。
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マーダーボットダイアリーからしばらく後の時間軸。長編なので読み応えがあった。前作が連続ドラマなら、こちらは映画って感じかな。
初っ端は惑星調査の話で始まり、スター・トレックっぽさが私は好き。弊機さんはプリザベーションの人たちの中で警備ユニットとしての居場所を得たみたい。良かったなぁーと思いながら読んでいるうちに、ピンチと危険とナゾがどっと押し寄せ、先が読めない展開になってきてワクワクした。情緒不安定になる弊機や、頑固で人間臭い弊機や、人間に嘆息しながらも全力で助ける弊機がたくさん見られて良い! 機械たちの存在や描かれ方に読み応えを感じるけど、人間たちも魅力的。やっぱりスター・トレック感があるな。
メンサー博士の娘アメナ、その叔父のティアゴ、アラダとオバースのカップルに、いい奴ラッティ。私は分析の仕事をしながらピン・リーとグラシンが居たら…と思う弊機が好きです。
ところどころに分散して挟まれる弊機による「ヘルプミー・ファイルによる抜粋」に前作と本作の間の出来事が「ダイアリー」的な文体で書かれており、重要な役割を持っていて面白い。後半はあらすじにあるように絶対絶命の危機に晒される弊機だけど、期待を裏切らない痛快な展開。続編が出るなら嬉しいな!そして過去編も読みたい!
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弊機、お帰りなさい!
と声をかけたくなるほどの嬉しさでいっぱいだった、待ちに待ったマーダボット・ダイアリーの続編です。じっくりと読ませていただきました。そしてとても楽しめました!
今回はメンサー博士の依頼で赴いた任務先でまたもや絶対絶命の危機に脅かされる弊機の活躍と、人間たちとあのARTたちとの交流をじっくりと描いています。長編なだけあって、人間やARTとの会話も深く描かれ、弊機の「冷徹な殺人機械」ぶりが影をひそめ、不器用に慎重に、「でもわたしは機械ですから」という建前と本音のあいだで揺れ動く微妙な心情を描き上げてます。特にARTとのこの……何とも言えない複雑さ、人間ではない同士の不可思議な同調性がとても素敵でした。
物語も、遠い未来のどこかの宇宙の話でありながら、人間らしい利権や私欲の絡んだ生々しさが厭にリアリティがあり、そういう面で宇宙へ飛び出して多少スペックが変わっても、人間らしさは変わりはしないのか、という絶望のようなものもちらりと感じはしました。
全体的に世界観が朧げに明らかになり始めたので、きっとこれからも描かれるマーダーボットたちの冒険がより楽しみになりました。とはいえ、毎回機能液を漏らしシャットダウンを繰り返す「らしさ」を少しは抑えてほしいな、とも思います。そこが弊機の弊機たる所以ではあるんですが。
来年の前日譚まで、この本も前作も何度か読み返して待っていたいと思います。この本を日本に届けてくれた方々に感謝しかありません。
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暴走により大量殺人を犯してしまった警備ユニット”弊機”。一人称の”I”を”弊機”と訳し、SF作品で初めて日本翻訳大賞を受賞した”マーダー・ボット ダイアリー”の続編となる。今回も異星文明の遺物がキーとなって話が展開する。
前作からの登場人物(?)では、やはりARTの存在が秀逸。AI同士のやりとりが人間味(?)あり過ぎだろう。
本作では”弊機”以外の警備ユニットも登場して、自身を”本機”と称している。それが”弊機”を”貴機”とよびかける訳には脱帽ですね。
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待ちに待ったマーダーボット・ダイアリーの続編。
弊機とまた会える!
プリザベーションで幸せな暮らしをしてるのかな、今度はどんな物語かなと思ったらすごい冒険譚だった。
ART再登場も嬉しかったし、「情緒的破綻」を起こす弊機の可愛さといったらないし、2.0と子どものくだりは大笑いしたし、別れは辛すぎるし、もうこちらの情緒も大変なことに。
人間の青少年や、ARTの乗組員や警備ユニット三号との出会いやチームワークが、みんな弊機の有機体の部分に影響を与えて、だんだんと変化していくのを見守っているのが本当に楽しい。
前日譚の中編も、続編(これは絶対あるでしょ?)も、全部楽しみ!
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弊機ちゃんかわいい!これだけで長編一本持つのすごいなあ。いやもちろんSF小説としてもめっちゃ面白いんですけど。遠未来でいろんな価値観が今とは様変わりしてるんだけど、現代的な感覚で見ても登場人物たちに親近感を抱けるの、いいSFだな…と思う。
でも弊機ちゃんがかわいすぎてまず弊機ちゃんかわいいがでてきちゃうんですよね…。
基本ひねくれてるのに唐突に「メンサー博士ともう会えないのは嫌です」「ARTともっと一緒にいたいです」とめちゃくちゃ率直なデレをかましてくるのずるいわ……。
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弊機が話すIT系の話やガジェットの説明は
ほぼ右から左にスルーしましたが
それが理解できなくても
それなりに楽しい!
弊機の性格や一人称は前作で慣れたから
今回調査に同行することになった
「顧客」の人間たちとの会話や
途中から加わる調査船ARTとの
ツンデレか!な関係性にワクワク♫
この終わりかただと
また別のミッションを続けていけそう。
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文学ラジオ空飛び猫たち第62回紹介本。 今年度の日本翻訳大賞を受賞したエンタメSF「マーダーボット・ダイアリー」の続編をご紹介。我らが弊機がパワーアップして帰ってきました! ラジオはこちらから→https://anchor.fm/lajv6cf1ikg/episodes/62-e1a8dbr
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マーダーボット・ダイアリーの第二部(といっても、第一部は中編4話を日本向けにまとめて上下巻にしたもので、長編としてはこの第二部が初なのだそう)。
今回も“弊機”のボヤキとイヤミと内省とごく稀な素直な気持ちをたっぷり聞かせてもらって、楽しい時間を過ごせました。設定がそれなりに複雑なので、楽しむのと理解するのと忙しいですが、とりあえずずんずん先に進むと自ずと理解できるので、心配不要ではあります。より弊機の独白が増えそうな第三部ももうすぐ。楽しみ。
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1作目が面白かったので続編購入。
プリザベーションのスタッフは良いメンバーだなぁ。今回の誘拐事件は警備ユニットを狙った事件だし、怒っても良いというか訴えたら負けるところだけど世間慣れしてない感じが、うん。良い人たちだ。
警備ユニットが軟派オトコを撃退するところとか、02の思考回路とか相変わらず皮肉なユーモアは健在だし、さらに再登場のARTがふるってる。AIに感情が無いというやつにこの気まずい雰囲気を見せてやりたいって人間の感想が良いな!
と言う訳で無事シリーズ化しそうな凸凹コンビの結成ですかね。そしてメンター(だったかな)博士がかっこいい。彼女という拠点もできたし、警備ユニットの今後の活躍がますます楽しみであります。
そして三号もどうなるんだろう。
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続きを目にするまで頑張って生きていたいもの…と思っていた、前作で私を大層狂わせた『マーダーボットダイアリー』の続編にして初長編。にこにこしながら読んでしまい「何読んでいるの?」と聞かれたことです。弊機は相変わらずかわいかった。感情が嫌いなのに感情に振り回されてしまう…今回は物理的にも感情的にも(怒り続けることを選んで)忙しくてドラマ?があまり観れない…やりたいことがわかったの!…かわいいね…という気持ちが昂っての笑いです。あと警備ユニットの中でもコミュ力の差があるというのが判明したので余計にこにこしてしまいました。『弊機の人間たち』『お上品な嘘をついてほしければ自分で考えてください』『感情は嫌いです』『わかったわよ、第三母』『わーい』『砲艦はやたらと得物をぶっ放したがる悪癖がある』『マーダーボットニ・〇』『なんともかわいらしいペットネーム』『いっしょにいるのは楽しいし、ずっといっしょにいたい』!!!最後!!!翻訳の絶妙さ!!!