紙の本
人間としての善悪を考えたとき、どう行動すべきか ということが考えられる作品
2022/10/14 18:08
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投稿者:うえは - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公は銀行の営業店で働いている人物であり、作中でも、自社の利益と顧客の利益のジレンマに苦しむ様子が描写されている。
往々にして、人としての正しさをもって仕事に臨むと痛い目を見ることがある昨今の中で、最終的に人間として、良いことは何なのか、人間としてすべきことは何なのか、ということを主人公自身が考え、実行して結末を迎えるのがこの作品である。
空想的な小説でありながら、実は読者の日常の中のジレンマに深く突き刺さるような良書であると考える。
紙の本
余韻が残る
2023/04/01 10:39
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投稿者:みるちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
綺麗にまとまってる気がする。読後感は決して不快じゃない。だけど都合がいい展開もあるし、友人がこの後どうなったかも気になる。
紙の本
記憶が売買できるなんて
2023/02/12 14:00
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投稿者:キレイな富士山 - この投稿者のレビュー一覧を見る
記憶が売買できるなんて、都合が良い話だと思ったが、読み進めるうちに切ないストーリーとミステリーが絡んだ展開となっていく。
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裏家業である記憶の売買をする「店」で働く若者二人と、偶然見かけた路上ライブをする歌姫が出会い、物語は彼女の過去を追いつつも、別の真実が見えてくる。あのセリフ回しはそういうことだったのかとか、二人の本当の出会いだとか、最後まで読んだときにすとん、と話が頭に落とし込まれる感じがした。
ハッピーには終わらなかったが、綺麗な話だ。人の記憶とは、生きていることとはどういうことなのか。記憶があるからこそ、その人はその人であれるのだろうか。
結局「店」が何だったのかは、謎のままだ。
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Amazonの紹介より
新卒銀行員の良平と漫画家志望の健太には裏稼業がある。人の記憶を小瓶に入れて売買する「店」だ。ノルマに追われ奔走する二人は、ある日、路上ライブで流浪の歌姫・星名と出会う。その歌声と代表曲「スターダスト・ナイト」の歌詞になぜか心惹かれた二人は、「店」の記憶取引の力を使って、謎に満ちた彼女の正体と、過去の一家焼死事件の謎を探ろうとするが……。脅迫者の影、封印された記憶移植術、そして、スワンプマンとは誰だ――。絡まりあう幾多の謎が解けるとき、美しくも残酷な真実が浮かび上がる。新潮ミステリー大賞受賞作。
「記憶」の売買をする青年二人と女性シンガーが織りなす青春小説かと思いきや、後半にかけてミステリー色の強い展開に結果として切なすぎでした。
記憶の売買によって起きる悲劇。良い一面もありましたが、その真相に驚きや悲しみがあって、残酷すぎるなと思いました。
歌が織りなす世界観は、美しかったです。
色んな要素が、後に伏線として生かされていて読み応えありましたし、読了後、題名の意味にとても心に響きました。
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記憶を売買できると言う面白い設定。
ある二人の大学生が偶然出会うのだが、それをきっかけに記憶売買を商売とする「店」と関わる事に。
ある日、ストリートミュージシャンの女性を見かけて興味を持った彼らは、彼女が探している人を探す事に。
いったい彼ら3人の本当の関係は?
乾くるみの「イニシエーション・ラブ」をちょっと思いだした。まぁ違うけど。
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うーん、面白くないわけではないけど、微妙。ちょっと消化不良気味になるかな。
ジャンル的には、ミステリーとSFの間というか、ミックスというか。
大きなテーマ「記憶の取引」については、これが可能という大前提を受け入れないと読めないので、そこでつまづいたり、最後までその仕組みの説明がないことにフラストレーション感じる人は、読まない方が良い。
その意味では、よりSFに近いかもしれない、
何か引っかかると思うところはだいたい伏線で、あとで納得がいくんだけど、肝心の、ナイトとひとみがそここまで切実に相手を思い、叶わないなら記憶を捨ててもいいまでに思い詰める気持ちが、ピンと来ない。
そのせいもあってか、入り込むまでには何か足りない感が残った。
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自分が自分であることを証明するのは「記憶」。
わたしは、その人が何であるか決定付けるのは、他人からの評価なのかな?と思ってた。でも、確かに経験が自分を表してるかも?と、この作品で気付かされた。
作品の内容自体は興味深かったけど、描かれる視点や時間がコロコロ変わるところが少し読みにくさもあった。
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構成がしっかりしていて、伏線回収もすごく、最後は一気読み。
設定があり得なすぎて、なかなか想像するのが難しかった。
『ナイト』はきっとそうなんだろうなーと思っていたけれど、想像以上の繋がり。
『ナイト』の意味は予想だにせず、関心しながら笑ってしまった。
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記憶こそがその人として足らしめる唯一。
確かにそうかもしれないな。同じ場面に居合わせても記憶する内容は異なっていると思うから。
構成が巧妙で
頭を整理しながらでないとついていけない。
だからこそ、最後まで飽きることなく読了。
時間を空けて読み返したいと思う。
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謎が謎を呼び、それぞれの想いと記憶が交錯し絡み合うなか辿り着いた美しくも残酷な真実とは?新潮ミステリー大賞受賞作。
初読みの作家さん、そして最新作が話題になっていることから手に取った。沢山の仕掛けとどんでん返しが得意ということだが、それありきの設定があまり好みではなかった。
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記憶を売ったり買ったする事務所にスカウトされる若い二人。
大学を留年して卒業後、銀行員と漫画家志望。目標売上3000万円。銀行にくる客からターゲットを見つける。これをネタに探偵をする計画をたてる。
神出鬼没な、謎のストリート美人歌手のプロフィールを調査。
記憶を売りすぎると自殺と同じ。逆に戻すことは可能だが、手順が難しいので天才でないとてきない。その天才は4年前に自殺。それいらい記憶を戻す作業はしていない
調査をしていて銀行員自身が天才だっとことに気が付いた
女性歌手が探している幼馴染は漫画家を目指していた。その漫画の結末は作者だけが知っている。その漫画は漫画家希望が書いた漫画と同じだが絵が全く違う。
漫画を描いた記憶は作られた記憶だった
売った記憶で得た金が歌手の活動費用になっていた。
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仕掛けがたくさんあって、これかな?と思った予想がそっちか!!と思ったりで楽しめた
文庫本でなかったので持ち歩けず、他の本を挟んだりして、読み終わるまでに時間がかかってしまったのが残念(完全に個人的な理由)
今度読む機会があったら、続けてバーッと読み進めたい
のめり込めそう
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人の記憶をデータとして出し入れ持ち運び削除上書きができる世界でのミステリィ.なるほど,特殊設定ミステリィはあり得ない特殊設定をも読者に飲み込ませる物語性やミステリィとしての上質さが必要な分,作家にとっては一段敷居が高いのかも知れない.常に特殊設定の新たなアイデアを産生し,納得のいく作品を構築し続けることの困難さを思うと,次作にも期待せざるを得ない.
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記憶の売買というクセのある題材のためか、説明が必要で、少し冗長とも思える部分があった。でもラストの謎解きは面白い。ちゃんと伏線の回収もされている。あとは読後の納得感がもう少し高ければ。