待っていても何も変わらない
2016/04/19 08:09
10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
友人からこの本を読めば生き方が変わると薦められた一冊。
著者のクルンボルツとレヴィンは米国のキャリアカウンセリング理論者。
「キャリア」という言葉は最近では広く浸透していますが、単に就職とか仕事という狭義的な意味でなく、人生そのものととらえる広義的な意味付けの方がいいと思いますが。その中で二人が注目したのが「プランド・ハプンスタンス・セオリー」です。
これは「偶然の出来事は人のキャリアに大きな影響を及ぼし、かつ望ましいもの」とする理論です。
「プランド・ハプンスタンス(Planned Happenstance)」というのは「計画された偶然」と訳されるようです。
自分の人生を振り返ると、そのキャリアにおいて偶然がもたらしたものが多くあることに気づくはずです。
しかし、その偶然をキャリアの機会として利用できるためには5つのスキルが必要だといいます。一つには「好奇心」、二つめが「持続性」、これは失敗しても続けていく力です、三つめが「柔軟性」、四つめが「楽観性」、最後が「冒険性」です。
本書には米国の例ではありますが、たくさんのキャリアを生み出した事例が紹介されています。その様々な例が上記の5つのスキルと関連しあっていることに気がつくはずです。
本書の冒頭に「人生には保証されているものは何ひとつありません。唯一確かなことは、何もしないでいる限り、どこにもたどり着かないということ」と記されています。
その意味では「冒険性」というスキルが重要だとわかります。
同じような言葉がほかにもあります。
「失敗を恐れて何もしなければ、あなたの人生にどんな幸運も訪れてはくれません」。
この本で紹介されている事例は運だけに頼ったものではありません。
こうあります。
「幸運は、ただ電話が鳴るのを待っているだけの人たちにはめったに起こらないものなのです」。
もしかしたら、次の曲がり角の向こうに幸運が待っているかもしれない。そのためには歩き続けるしかないのです。
私にこの本を勧めてくれた友人はきっとこう言いたかったのかもしれません。
待っていても何も変わらない。勇気をもって、前に進め、と。
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■Luck is no accident が原題。プランドハプンスタンスセオリーを提唱するクランボルツ先生の本。普通の人たちの「成功物語」から、幸運をつかむ法則が鮮やかに見出されていきます。■ただし、真っ赤な帯にかかれている「もうキャリアプランはいらない」……コレはウソじゃん?キャリアプランを現実のものにするために、行動力や積極性、予期しない出来事にもへこたれないオープンマインドが大切!といってる本だと思うから。■いつだって、いつからだってまるで偶然のような顔をしてやってくるステキな必然を引き寄せることが出きるんだと実感させてくれる本。元気と涙がでます。(2月23日読了)
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キャリア理論の中で、最近特に注目されている「ハプンスタンスセオリー」の提唱者、J.D.クランボルツ教授の著書。成功者の事例を沢山載せていますが、「これって、結果的に良かった事例ばかりを集めた、”後付けバイアス”では・・・?」と感じてしまいます。でも、「ハプンスタンスセオリー」の理論には、とても共感できます。
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キャリア開発を、ただ一つの適職をみつけるための「マッチング」的な発想ではなく、絶え間ない行動による学習の連続であるとみなし、現在の理論的流れに多大な一石を投じたクランボルツ博士の著作。昔の目標に固執しないで、計画と異なるチャンスを受け入れるオープンマインドネスが大切だと説いています。職を変えることをやみくもに煽るわけではなく、「ステップごとに」「成果が出そうなリスクをとる」側面も強調している。ただ、一般的に信じられている、「やりきる、やり続ける」ことだけが必ずしも積極的行動ではなく、常に選択肢を開き、チャンスに柔軟に行動して他のことにチャレンジすることも一つの積極的な行動であるとして、将来に向けて人々の「行動」を解き放っていることが特徴。
予測不可能なことのほうが多い/遭遇する人々や出来事の影響を受け続ける/結果がわからないときでも、行動を起こして新しいチャンスを切り開く/選択肢を常にオープンにしておく/計画を否定するのではない。うまくいっていない計画に固執するべきではない/人生に影響を与える多くは、生まれるずっと前に起きている。いったいどれほどコントロールできたのか?/自分の行動と、経験に対する自分の反応をコントロールすることができる/行動次第で望ましい結果が起こる確率を高めることができる/人間関係構築、コミュニケーション能力はほぼすべての仕事において不可欠/良い結果が訪れる前には、いくつもの想定外の出来事が組み合わさって起きる/今の仕事を辞めて新しい仕事をみつけるより、今の仕事を楽しくするほうが簡単/今後一切キャリアの意思決定をしないでほしい/オープンマインドでいるほうがずっとよい/伝統的キャリアカウンセリング=優柔不断さを「治療」し、明確なキャリアの目標を設定する手助けをするためのもの/オープンマインドでありながら、暫定的なキャリア目標をもつことには反対しない/ひとつの職業にこだわりすぎて視野が狭くなり、他の選択肢が見えなくなって不幸になる人をみたくはない/ある一時期に行った選択が適切でないと気付いたとき、罪悪感を感じる必要は全くない。たくさんの選択肢があるのですから/いかに想定外のチャンスをつくりだし、活用するか/私たちは、予測不可能な未来を計画する必要はないと気付いたことで、解放されたと感じています/「器ではなかった、遅かれ早かれ別の方法で気づかされていただろう」/計画を立てるときには、鉛筆で書き、消しゴムを手元に用意しておいたほうがいい/なぜ、何年も前に決めたことで(恩知らず、時間とお金とエネルギー投資が無駄になる、みっともない、後ろめたい、義務感)残りの人生を苦しみ続けなくてはいけないのでしょうか。⇒変わる方法を学べば良い/道をひとつに決めない/「夢は消えてしまった」と考えるのではなく、「状況が変わった」と考える/情熱が自然のものごとを運ぶと信じている/夢に対する信念は文化的、歴史的、文学的な神話に深く根ざしているから/でも、夢が崩れたときにどう対応すべきか、教わりません/「間違えることは全然問題ないことだし、むしろよいことだと考えたらどうかな。そうしないと私たちは学べないのだから」/間違いかもしれないし、そうではないかもしれない。だからどうだというのでしょう。行動のプロセスできっと何かを学ぶだろうし、経験を冒険としてとらえてみよう/完璧な仕事など存在しない。心がうきうきするようなときもあれば、退屈で辛いときもある/夢を追求するためにゴーサインを出す前に、本当はよく考えるべきさまざまな要素があった/調べる、様子を見てみる、それから次のステップを相談する/決めること自体は簡単。でも実現させることは大変/「自分が望んでいると思っていたものを手に入れるよりも、すでに自分が持っているものに気づき、実はそれこそが本当は自分が望んでいたものだったということに気づくことが幸せなときもある」/段階的にステップを進めるほうが良い/「望むものを手にするまでやり通せ」か、「困難にぶつかったらすぐにやめて他の事にチャレンジせよ」か、明確なルールがあればラクかもしれません。しかし、どちらのルールも筋が通りません/絶対に最後までやりぬくべきだというルールにそむくことの後ろめたさ。ほかのことにチャレンジしてもよいし、絶対的なルールなど存在しない/夢は必ず実現するとは限らないという事実に対応する準備ができているか/情熱は行動の結果として生まれることもある/仕事に対する情熱は他者との意味ある交流を通じて生まれることが多い/あらかじめ決めた目標に合わないからといって、チャンスを拒んではいけません/「自分が宣言したこと以外のことをやってみるという、リスクをとる勇気」/一生懸命になりすぎると、途中で現れる他のチャンスを無視したり、拒否したりしてしまう/キャリアに確実性は不可能。そうしてもがく間に、自分自身を不幸にしてしまう/「キャリアの目標をもつことの大切さ・・・自分に最も合う唯一の職業を探すよりも、自分の仕事の幅を精一杯広げることのほうが大切」/試すという気持ち/計画を変更することは失敗ではない/一歩ずつ試す、固執しない、耳を傾け・自分で決める、行動を起こすことで情熱を生み出す/やってみるまでは、自分が本当にそれが好きかどうかはわからない/リスクをとることには貴重な学びの体験になるという大きなメリットがある/人間関係の維持=連絡を取り続ける、約束を果たし信頼関係を大切にする/興味はむしろ変化する可能性が高い/実験的な態度をもつ/成果が出そうなリスクをとる/何か新しいことを学ぶということは、必ず間違えるということ/恐怖から何もしないよりも、学ぶことこそ成功につながる/完璧さの追求は不幸のレシピ/失敗を心配するな、挑戦しないで逃すチャンスを心配しよう/他人の間違いをチャンスとして扱うこともできる/最大の迷信:この世のどこかに、自分にぱったりの仕事が存在するという考え/正々堂々と運のメカニズムを利用する/いつまでも迷って苦しむよりも、意思決定をして先へ進むほうがよい/(1)忍耐強く、何度も挑戦する、(2)他のことに挑戦する、は戦うか、飛ぶか、というイメージ。正しい選択はない。どちらの場合でも失敗から学ぶことができる/過去の自分をひきずったり、意にそわない現在の仕事にこだわる必要はない。考えなくてはならないのは「これから先、どうしたら満足のいく人生を築くことができるか」/24時間をどのようにつかうか決めるのは、私たちの義務/二歩目を進める前に、一歩目の結果を評価したほうがいい/過去を守るべき投資だと考えると、身動きが取れなくなってしまう/新しい法律や予算、新しいビジネス、教育プログラムなどを活用するために、あなたはどんな行動を起こすことができるか/過去にまったく同じ状況を扱ったことがないのだから、今回それを扱うことができるかはわからなくてもよい。自信がない、不安に思うというのは、行動を起こさないことの理由にはならない/「採用のプロセスを自分の価値の測定ではなく、冒険と考えた」/会社が本当に望んでいるのは、スキルやキャリアを身につけるための「学ぶ意欲」/迷信:ある職業に就く前に、その仕事ができるように訓練を受けなくてはならない/もしあなたが気さくで、他の人々とコミュニケーションをとることができ、学ぶ熱意をもっているならば、ほとんどの会社が望むもっとも重要な要件をすでに備えている/自分が本当に楽しいと感じることは何か、ヒントは自分の経験の中にある/理想的な仕事の多くは、最初は無給だったり、くだらない仕事だったりします/どんなことからでも、始めてみなくてはなりません/最大の学びをもたらす機会を活かし、新しいスキルを学び、新たな興味をみつけ育てていくこと/誤解:教育と経験はキャリアの方向性を変えると失われてしまう投資だと考えている点/精一杯やってみて、そのプロセスを楽しみ、学ぶことから満足は得られるはず/中途半端な努力では目標はつくりだせない。さまざまな活動に自ら積極的に取り組むことで、人々は目標をつくりだしている/元気よくへまをやり、いくつかのシンプルな価値観にこだわり、「いつも学び、いつも挑戦し、いつも好奇心を持つ」
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KrumboltzのPlanned happenstance theoryを日本語で紹介した、今のところ唯一の本です。
それだけが存在理由の本ともいえます。
もし今後もっといい本が出版されたら、これを読む必要はないでしょう。
今すぐにでもPlanned happenstance theoryについて情報を得る必要のある方のみ、どうぞ。
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【目的】
キャリアカウンセリングを学ぶ上で、クルンボルツの本を読んで知識を得る
【引用】
【感じたこと】
【学んだこと】
目標はさまざまな活動に積極的に取り組むことで作り出される。
過去は過去として考える。
前向きに捉える。
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失業中の職業訓練で、キャリア形成支援を受けたのですが、その中で「計画された偶発性」理論というのが出てきました。その提唱者でキャリアカウンセリング心理学の先駆者である、ジョン・D・クランボルツの著書を読みました。
彼はこの本の中で、「今後一切のキャリアに関する意思決定をしないでほしい」と言っています。意思決定をすることは、ひとつのことに永遠に関わり続けることになる。しかし、自分自身も、自分を取り巻く周りの環境も常に変化しているのに、ただひとつの道に固執するのはばかげている。自分の将来を決めるよりも積極的に機会を模索しながら、心の窓を開いておきなさいと述べています。
想定外の出来事があなたのキャリアに影響を及ぼすことは避けられないのだから、想定外の幸運な出来事を作り出そう。内面的な障害を克服するために、新しい考えや経験にオープンであり続けよう。そして、いつも学び、いつも挑戦し、いつも好奇心を持とうということを強く説いてもいます。
クランボルツ自身も、学生時代にテニスに熱中しすぎて学校を退学寸前までなり、たまたま相談した先生が心理学の先生だったことから心理学を志した(というよりはたまたまやりだした)人。「まさか、スタンフォード大学で心理学を研究するなんて思ってもみなかった」と本人が言っているぐらいです。ことわざに「犬も歩けば棒にあたる」とか「人間万事塞翁が馬」がありますが、良い塞翁が馬になるためにたくさん歩いて棒にあたりなさいということを言っているのだと思います。
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社内のHPで、キャリアデザインに関する記事で紹介されていた一冊
Planned happenstance theory? (・・)
なにやら新しいリロンが気になって購入
キャリアデザインのひとつのアプローチなわけですが
目標設定→計画→遂行
という従来のキャリアデザインに対して
かならずしも目標設定は必要ではない
目標にこだわるよりも
目の前に起きた出来事を
チャンスととらえて
失敗をおそれず
やってみる。いっしょうけんめい。
というアプローチ
経営戦略における
計画系と行動しながら考える系の比較を思い出しました
ポーターなど、あるべき戦略を定めて
それを実現するための施策を立案する通常のアプローチ
それに対して
ミンツバーグ先生みたいに行動して、修正して
戦略を練り上げてく クラフティングのカンガエ方
なんかコンサルやってると
前者の方法がアタリ前とおもいがち
久しぶりに目の前に起きたことを全身で吸収して
ジブンのジンセイを練り上げるアプローチがあることを思い出した
この本読んで
ちょいとした決断をしました
そんな影響を与えた一冊となりまシタ
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本当にやりたいことを、しぶとくやることを勧める本です。
「夢をかなえる象」を事例とまともな文章にしたような感じ。
途中途中で自分の思いと現実を比べるチェックシートなどがあり、おもしろいです。
もう少し早く、この本を読んでいれば、という読後感がありました。
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偶発的な人との出会い、キャリアとの出会い、いわゆる「ご縁」によってキャリアを開拓した人たちの事例が列挙されています。
難しい理論は一切書いてないので、3時間程度で読めますが、自分に置き換えてこういったご縁を活かそうと考えると、なかなか実践は難しいように感じました。
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積極的に行動してチャンスをつかみ、新しい経験を最大限に活かそうとすることで満足のいくキャリア、満足のいく人生を見つけることが出来る
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◆概要
【伝えたい基本的なこと】
・積極的に行動してチャンスをつかみ、新しい経験を最大限に活かそうとすることで満足のいくキャリア、満足のいく人生を見つけることができる(206頁)
これをベースにいくつかの文脈でキャリアを見直す際の考え方が書かれています。
仕事で落ち込んでいる人や、自分のキャリアについて考えている人、さらには就職活動中の人におすすめです。
◆活かせる点
【学習を続けるうえで、大切なこと】
・教育に「完了」はない。
・どんな仕事も学びの経験にする。
・ひとつの仕事で学んだスキルを、次の仕事を得る資格として使う。
・自分の能力を過小評価しない。
・自分の経験から、自分が楽しむことは何かを知る。
・自分で昇進の機会をつくる。
⇒生涯学習を続けるために上記の項目を大切にしたいと思います。
特に、自分の能力を過小評価してしまいがちなので自分の可能性を信じようと
本書を読んで決めました。
(のぐ)
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「その幸運は偶然ではないんです」は長岡先生が電車の中で読めるライトな本、って紹介してくれたんだけど、あたしにはそんなにライトではなかったなぁ。語り口は軽やかで、ケースもわかりやすいんだけど、何せテーマが「キャリア」、しかも偶発の出来事をとらえてキャリアにつなげる、Planned Happen Stanceの考えがベースにあるものなので、まじめに読み始めると結構はまる。事例の解釈をいちいちしてたから時間がかかってしまった。
全編、「自分のキャリアをきっちりと定義して計画することは難しい、でもあたしたちの前には選択肢がたくさんあるんだから、その選択肢の前ではオープンでいよう」っていう論調。
キャリアの節目をデザインしろって言ったのは神戸大学の金井先生で、それもつまりはキャリアの節目(と思われる時期)にはたくさんの選択肢があって、それを選ぶことは自分でできるよ、だから決めつけないで流されることも必要と説いている。
アプローチや表現は違うけど、同じことを言ってるのかも
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米国と日本との職業観の違いが多少あるものの、人生を前向きに生きるためのひとつの指針としてはとても参考になる。著者のクランボルツ教授は「計画的偶発性」ということを提唱しており、この本はその理論をわかりやすく提示したものといえる。幸運とは待っていて訪れるものではなく、自ら積極的に呼び込むものだという考え方が面白い。変化に富んだ現代社会では、こうした考え方がもっと広まってもいいのではないだろうか。
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『私は自分がどこに向かっているかを理解していただろうか?ぜんぜん!
私は論理的にキャリアを計画していただろうか?ぜんぜん!全体構想などなかった。私は、生涯を通じて元気よくへまをやり、成功し、頭から転び、起き上がってはまた前に突進して、いくつかのシンプルな価値観にこだわり、だれかが言っていたように"いつも学び、いつも挑戦し、いつも好奇心を持つ"というよい信念を持って生きようとしたカリフォルニアの少年だった』(p.224)
末尾のジョン•ガートナーのこの言葉が全てを現している。