日本的思考の原型 ──民俗学の視角
著者 高取正男
ふとした時に表れる日本人独特の感覚。自分の湯呑みを他人に使われてしまった時の気まずさなどはその一例といえるだろう。高取によればこの感覚は、自己の範囲を所有するモノや所属す...
日本的思考の原型 ──民俗学の視角
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商品説明
ふとした時に表れる日本人独特の感覚。自分の湯呑みを他人に使われてしまった時の気まずさなどはその一例といえるだろう。高取によればこの感覚は、自己の範囲を所有するモノや所属する集団にまで広げて認識していた近代以前の名残だという。また祖先としての神、他所から来る神という二種の神観念があるのも、定住だけでなく漂泊もまた少なくなかった前近代の暮らし方に由来するという。本書はそうしたわれわれの感覚や習慣を形作ってきたさまざまな事例を挙げ、近代的な自我と無意識下の前近代が交錯する日本人の精神構造を明らかにする。民俗学の傑作にして恰好の入門書。
目次
- 第一章 エゴの本性/1 個人のシンボル/2 拒絶の主体/第二章 裏街道の話/1 共同体的平衡感覚/2 間道の実態/3 道路の二重構造/第三章 土着との回路/1 馬の背と牛の背/2 土着者の姿勢/3 自然に生きる/第四章 マレビト論再考/1 折口説と柳田説/2 マレビト信仰の根底/あとがき/解説 「現在学」としての「民俗学」(阿満利麿)
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