荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで
著者 伊藤俊一 著
荘園は日本の原風景である。公家や寺社、武家など支配層の私有農園をいい、奈良時代に始まる。平安後期から増大し、院政を行う上皇の権力の源となった。鎌倉時代以降、武士勢力に侵食...
荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで
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商品説明
荘園は日本の原風景である。公家や寺社、武家など支配層の私有農園をいい、奈良時代に始まる。平安後期から増大し、院政を行う上皇の権力の源となった。鎌倉時代以降、武士勢力に侵食されながらも存続し、応仁の乱後に終焉を迎えた。私利私欲で土地を囲い込み、国の秩序を乱したと見られがちな荘園だが、農業生産力向上や貨幣流通の進展に寄与した面は見逃せない。新知見もふまえ、中世社会の根幹だった荘園制の実像に迫る。
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中世の分権性を象徴する「領域型荘園」
2021/11/03 22:08
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:K2 - この投稿者のレビュー一覧を見る
奈良時代から戦国時代まで、荘園の歩みをたどることで中世の社会に迫る意欲作。免田を核にして領域を囲い込んで成立する「領域型荘園」の枠組が、中世の分権性を象徴するようだ。室町期には、守護の在京が荘園制の維持に作用するが、応仁の乱後に守護が在国するようになり荘園制は終焉するという展開はわかりやすい。
荘園にこれほどの歴史があるとは・・・
2021/10/26 07:24
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は歴史に疎いので、当書を読んで、荘園にこれほどの歴史があることを痛感し、学びました。
荘園をテーマに、新書1冊が著せることに驚きました。立派な歴史書と思います。読み応えも十分にありました。
墾田の歴史は我が先祖の歴史
2022/11/04 17:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nobita - この投稿者のレビュー一覧を見る
飛鳥時代から750年続いた制度。正に、日本の根幹をなした制度を続けたということに敬服する。荘園の生まれ、改善、盛衰などが良く分かった。自分の故郷、安佐郡三川村がだれの荘園だったのかとても興味がある。その中で自分の祖先がどのように生き続けたのかとても知りたい。
荘園の変遷
2022/08/09 05:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
一口に荘園と言っても古代から中世にかけて大きく変容していることがわかる。荒地の開墾のため個々の田で税が免除されていた状態から院政期には領域を支配するようになる。鎌倉時代には地頭が恩賞として置かれて荘園領主から横領したと思っていたがそう単純なものではなく本家・領家への年貢納入義務は維持されていたなど勉強になった。室町時代に入り遠隔地の荘園の支配が難しくなり、国人領主が個々の荘園を超えて地域を一円的に支配する国衆へとなっていく流れで荘園が消滅していった流れが興味深い。
奇を衒わない、得難い新書
2022/02/05 21:37
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
基礎的な知識を提供すると同時に、
研究の最前線をうかがわせてもくれる、という、
新書の一つの理想形をほぼ体現している
本ではないでしょうか。
覚え込んでいつでも使える知識にしたくなる
ような、一行にも満たない、荘園の簡潔な
定義で始まるはしがきだけでも、充分に
一読に値する本だと思います。
ただし・・・
まず、固有名詞漢語は、初出だけでなく総ルビにし、
次に、リアル、インセンティブ、アップダウン、インパクト、
リスクヘッジ等の不要な横文字語の使用を控えて
もらえるといいのですけれど。
へーえ
2023/03/14 19:43
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
知らなかったことが、たくさん。墾田永年私財法が、日本の私有財産制を作った、(すなわち、資本主義の基本ですよね)と歴史で習いましたが……。こんな事情があったのですねえ……。これは、かなり衝撃的でした。
中世荘園の世界
2022/01/06 21:35
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投稿者:トリコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
荘園については、教科書に書かれていた用語としての知識しかなかったので、読んでよかった。
第6章の「中世荘園の世界」が興味深く読めた。
ただ、レビューなどで「おもしろい」という声があるというが、個人的にはそうい。う感覚はなかった。
一般読者向けではありません
2022/06/09 09:29
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おくちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
何とか最後まで読み通せましたが、このころにこんなことが起きたといった、細かくて学術的な説明が多く、大学で歴史を専門に学んでいない一般読者向けではありません。本書が初学者向けで分かりやすいというレビューもありますが、それは専門書と比較しての話で、まったく当たりません。
荘園には所有者と耕作者の間に様々な人が関与し複雑な構造になっていることはわかりますが、ある一定面積の荘園で取れた米はどこの誰(ピラミッド構造の各階層)にいくら納められるのか、不輸不入の権を得るために有力者への荘園の寄進が進めばどんどん税収が減ることになりますが、それでどうやって国家の財政がまかなわれていたのか、こういった基本的な疑問はまったく答えがありません。
それから、多くの専門用語が出てくるのに、索引がないのも不親切です。その代わりのつもりか、荘園索引がありますが、本文では例として挙げられているだけで、よほど特定の荘園について関心がある方以外、何の役にも立ちません。