- 販売開始日: 2021/10/29
- 出版社: 白水社
- ISBN:978-4-560-09855-4
ブックセラーズ・ダイアリー:スコットランド最大の古書店の一年
著者 ショーン・バイセル(著) , 矢倉尚子(訳)
本を買いに行ったはずが、本屋を買ってしまった――著者は1970年、イギリス、スコットランドのウィグタウン生まれ。「自他共に認める田舎」である故郷を大学進学で離れたが、30...
ブックセラーズ・ダイアリー:スコットランド最大の古書店の一年
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
商品説明
本を買いに行ったはずが、本屋を買ってしまった――
著者は1970年、イギリス、スコットランドのウィグタウン生まれ。「自他共に認める田舎」である故郷を大学進学で離れたが、30歳のとき、クリスマスの帰省中に、立ち寄った老舗古書店「ザ・ブックショップ」を衝動買いしてしまう。諸手続きをへて翌年手に入った店は、いまや10万冊の在庫を擁するスコットランド最大の古書店だ。かつて国内最悪の失業率に苦しんでいたウィグタウンも、書店の町として知られるようになり、町にも店にも世界中から観光客が訪れる。
とはいえ、由緒ある築約200年の建物は維持費がかさむ。厳冬期には客足が途絶え、一方で暖房費はばかにならない。さらに大手書店チェーン、のちには巨大資本アマゾンと電子書籍化という手ごわいライバルが行く手に立ちふさがる。時に奇天烈、時に傍若無人な日々の客たち。有能だけど変人の度が過ぎる従業員(いちばん変わっているのは著者自身だというのが客たちの評)。大人気イベントである秋のブックフェスティバルで起こる騒動の数々。心ゆさぶられる遺品買取。個人書店の店主は、毎日がサバイバル・ゲームだ!
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古本屋さんの日記で吹き出してしまいました!
2021/09/10 05:31
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:sio1 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日経新聞書評(林望さんの文章がうまい!)を読んでポチッと購入。
古本屋店主の日常を綴った皮肉が効いた日記は、芸人さんがコントの題材にするのにピッタリなネタの宝庫。
「オデュッセイア」を「釣り」のコーナーに分類してしまう店員ニッキーのキャラが最高!
思わず吹き出してしまいます。
(電車で読むには向いてません)
読んでて楽しい時間を過ごせました。
途中ですが面白いです
2021/08/16 18:27
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ニックパーク - この投稿者のレビュー一覧を見る
スコットランドで古書店を営む男性の日記です。本が好きなので気になって購入しました。
古書店の大変な面もわかります。が、変なお客というか何も買わない冷やかしの人の変な言動が面白いです。ここはほぼ著者の愚痴です。
あと同僚のニッキー(シングルマザーのおばちゃん?)も毎週金曜にスーパーからタダでもらえるお菓子を持ってきてくれる話(戦利品)や、ニッキーを気にいっている男性(あだ名スメリーケリーブリュイット33)が店にしょっちゅうくる話、勝手に店主の家などでおしっこをする野良猫の結末なども面白かったです。また各月ごとにジョージ・オーウェルのエッセイからとった文もあります。著者の書籍の知識量も実はすごいと思います。親が頑張ってボーディングスクールに入れてくれたらしいです。気楽に読めて笑える本としておすすめです。
本当に日記なのか?!という面白さ
2021/12/31 23:30
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:こゆき - この投稿者のレビュー一覧を見る
本屋さんの日記形式で綴られた本。
分厚い上に二段組みなので読み応え充分。
本屋さんってこんなに個性的なお客さんがわんさか来る物なのだろうか?!それとも自分も「お馴染みの奇妙な客」にランク付けされているのだろうか(笑)と悩んでしまう。
また、面白そうな本が次々登場するので、読みたくなって困ってしまう!!
本と人。それらをシニカルなユーモアで切り取った笑える書店奮闘記。
2021/12/20 01:32
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゲイリーゲイリー - この投稿者のレビュー一覧を見る
本作は、スコットランド最大の古書店の店主が書き綴った日記がベースとなっている。
本の知識をひけらかす客や意味不明な言葉を残す客、自由奔放な言動を繰り返す従業員。
そんな彼らに翻弄される日々を、シニカルなユーモアの持ち主である店主が綴っているのだから面白くないわけがない。
書店の存在を脅かす電子書籍に対抗しようとする姿や、Amazonとの値段比較のためだけに来店する客や値切ろうと躍起になる客に悪戦苦闘する姿などもさらけ出しており、今この時代に書店がどれほど危機に瀕しているかが垣間見える。
ただしウィットに富んだ文章によって悲壮感が漂うことは一切ない。
むしろそういった現状を辛辣な言葉で批評する文にこそ本書最大の魅力が詰まっている。
シニカルでユーモラスな語り口で書店の現状に対する文句を綴るだけではなく、随所に書店存続のかすかな希望を感じさせる描写があるのも特筆すべき点だろう。
店内で読書に没頭する子供たち、クリスマスプレゼントに古書を送ろうとやって来る客、探し求めていた一冊を手にして目を輝かせる客など、本と人を繋ぐ書店という存在の偉大さは何物にも代え難い。
一癖も二癖もある客と従業員の掛け合いを中心とした、本と人によるドラマを綴ったこの作品には、いつまでも身を委ねていたいと思わせる魅力がある。
幸運なことに続編も出版されているようで、日本国内で発売される日が待ち遠しい。
時代の流れに取り残されようとも、どうにかこうにか店を存続させようと日々奮闘する全ての書店に感謝。