紙の本
シスターフッドとは
2021/12/22 12:49
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投稿者:きなこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
これまで読んだ本でシスターフッド“的”な話というのは読んだことがあったけれど、これほど「シスターフッドとはなにか」に斬り込んでいる作品は初めて読みました。最初はもっと主人公2人の閉じた世界を大切にするような話なのかな、と思っていたのですが読み進めるうちに視野がどんどん広がっていくような話で意外でした。まだ読んでいる途中ですが、読めば読むほど意外性がでてきて“幸せ”の多面性、ひいては人生の山あり 谷ありを2人の女性を中心に色々な角度から感じられる一冊だと思います。
紙の本
手を取り合うのは異性に限らない。
2022/08/13 16:55
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投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治期から昭和まで、学舎に集った女性たちが己の信念を曲げずに生きていく姿を描く。
河井道と一色ゆりのシスターフッドを中心として教育や社会運動に身を投じてきた女性たちが活写される。
紙の本
らんたんのような教育を
2023/01/03 09:20
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投稿者:mybookshelf - この投稿者のレビュー一覧を見る
女子教育が今のように当たり前ではなかった時代に、ただひたすら奮闘した女性たちの姿が描かれている。
この時代に生きた村岡花子さんや津田梅子さん、伊藤野枝さんはやっぱりそれぞれ強さを持っていたのだと思う。
強い信念を持ち、やり遂げるために自ら動く姿が輝いてみえる。
そのためには、長いものに巻かれるのをまずやめなければならない。そこからしか変えること、変わることは出来ないから…。
紙の本
らんたん
2021/11/15 20:10
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
柚木麻子さんの母校、恵泉女学園創立者河井道と一色ゆりを描いた小説で、全く知らない人物でしたがとても興味深く面白く読みました。歴史上の有名人物も多く出てきますし、冒頭から引き込まれてあっという間に読み終えました。
電子書籍
タイトルは
2023/05/17 00:58
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
このタイトルは有名なランタンナイトからきてるようです…。内容は、一色乕児は、渡辺ゆりにプロポーズします。ところが 彼女からの受諾の条件は、シスターフッドの契りを結ぶ河井道と3人で暮らす、ということ。いきなり、えー?から始まります
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大正最後の年。かの天璋院篤姫が名付け親だという一色乕児は、渡辺ゆりにプロポーズした。
彼女からの受諾の条件は、シスターフッドの契りを結ぶ河井道と3人で暮らす、という前代未聞のものだったーー。
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現在、女性が当たり前に教育を受けられる環境にいられる礎を作った女性たちの物語である。ことに、その中心にいて、恵泉女学園の創立者でもある河合道の果たした役割と、時代に翻弄されながらも、絶やすことのなかったその熱意、そして、彼女を取り巻く、自立した女性たちとの関りが生き生きと描かれていて引き込まれる。史実に基づいた物語であり、女性たちの考え方に偏ったところがないとは言えないが、彼女たちがいてくれたからこそのいまなのだと思うと、よくぞあきらめずにいてくれたと思わずにはいられない。パワーを注入される心地の一冊である。
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明治・大正・昭和期の女子教育に情熱を注いだ河村道先生
その道先生の生涯と、それを支えた一色ゆりさんのお話
戦前・戦後の女子教育について
その頃の社会に蔓延る「女性は耐え、忍び、男性を支えるものである」という意識
それを変えるためには女子教育をもっと充実させなくてはならない
そんな使命感に燃え、生涯を女子教育に尽くした河村道先生
作中で語られる道先生はとてもおちゃめで、希望に満ち溢れていてとっても魅力的な人だった
作中には有名人がこれでもかというくらいに出てきて
次々と道先生を支援していく
道先生もそういった支援に遠慮をすることはなく
どんどん助けてもらっている
「シェア」という言葉が作中に度々出てくるのだが
互いに持っているものを分けあい、助け合うという精神が大切だと思っていることを体現しているのだと思う
この「シェア」について
最初に新渡戸稲造が道に伝えたシーンが印象的だった
アメリカを初めて訪れた道とともに、街を明るく照らす街灯を見た新渡戸は
「日本人は全てにおいて、何か問題が起きたら、まず一人でなんとかしなくてはいけない。そんな風に思いこまされていませんか?」
「だから、みんな暗い夜になると、自分の手元だけは明るくしなければ、と必死に提灯を握りしめるしかないのです。あんな風に大きな光を街の目立つところにともして、みんなで明るさを分け合わないといけない。日本人は共同で何かを行うということを覚えるべきです。つまり、シェア、ということです」
「提灯のように個人が光を独占するのではなく、おおきな街灯をともして社会全体を照らすこと。僕は道さんにそんな指導者になってもらいたい」
そう道に伝える。そして
「日本ではまだ教育や情報は一部の知識層が独占している。でも、それではダメだ。お互いが助け合い、持っているものを分け合わないといけない」
「チアフル、つまり明るいということを日本人は見くびる傾向にありませんか?暗いこと、苦しい、悲しいこと、いわば暗闇を一段高く見る傾向が蔓延している」
と言います
道の設立した学校、恵泉女学園では楽しいイベントをたくさんたくさん行っています
それは戦時中でも同じく
政府の目をかいくぐってでも、楽しいことをしようとする、道先生
苦しいことは美徳ではなく、楽しんでいいんだ、そしてその楽しさをみんなで分け合って、みんなでシェアしていこう
教育も、限られた人のためだけではなく、男性だって女性だって関係なく、広い世界を見て、やりたいことをやってほしい
恵泉女学園の名前を決めた時、道は
「泉は惜しみなく湧き出るでしょう。神様が私たちに何の代価も求めずお恵みになった愛そのものじゃないかしら。恵む泉になって世を潤していく人間を育てる、そんな学校にしましょうよ」
そう語っている
タイトルになっている「らんたん」
道先生が留学したアメリカ、プリンマー女子大での入学時の伝統行事で新入生が各自ランタンを持って集うランタンナイトというのが���る
集まった女子学生の手に灯るのは希望、熱意、情熱の灯なのだろう
同じくプリンマーの卒業生である津田梅子とランタンナイトについて語っているシーンがあった
梅子は
「誰かの心に灯をともせる。私が死んでも、それは決して途絶えることがないの」
「誰かが必ず、私の意思を引き継いで、私の失敗や悲しみも糧にしてくれると信じている。そして、私がともした光より、もっと大きな光にして、それをまた新しい世代に継承するの」
女子教育の礎を作ったともいえる津田梅子、その灯りを受け継いだ一人が河村道先生なのだろう
世に学校はたくさんあるけれど
その設立者にはそれぞれきっと教育への情熱があったのだろうなと思う
…
その建学の精神が大事に受け継がれている学校もあれば
続いていくうちに変容してしまった学校もあるのだろうけれど…
読み終えると道先生のことも恵泉女学園のことも大好きになってしまうような話だった!
とはいえ、星を4つにしてしまったのは…
明治・大正・昭和の有名人大集合~!
と言わんばかりの豪華出演陣の数々とのエピソードが鼻についたり…
そういうエピソードを盛り込みすぎているがために
ひとつひとつのエピソードが軽く感じられてしまったり…
男尊女卑、ならぬ女尊男卑と思ってしまうような
男性の魅力のなさだったり…
(特に有島武郎、野口英世、太宰治など)
史実に基づく部分もあるようだけれど
男性の駄目なところを強調しすぎているのが気になった
個人的には柚木麻子さんの作風はあまり好きではなく…
でもついつい手に取ってしまい、
読後「なんだかいまいちだったのよね…」とモヤモヤするパターンが多い
と、書きましたが、柚木先生のらんたん第二部スタートを記念した、小説丸というサイトでのインタビューを読むと
当たり前ですが、大変なご苦労をされて執筆をしていることが分かりました
巻末に表記されているだけでも膨大な資料を読み込んだうえで、ただの伝記ではなく「エンターテイメント」として落とし込む、この壮大なお話を書くのはとてつもない労力が必要で
私なんかが「ちょっと盛り込みすぎてて~」なんて文句を言ったらいけないですね…!
最期、ちょっと柚木先生を下げるようなことを書いてしまいましたが…
女子教育について考えさせられる
良い物語でした
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恵泉出身の知り合いがいるのですが、
その知り合いの方の行動力や同窓との強いつながり・交流は、恵泉魂なんだな、と思いました。
いい学校。
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女子大河小説と銘打っただけある
明治、大正、昭和を生きた女性たちの壮大な物語。
大河や朝ドラに登場する馴染みのある人物も次々出てくるし
史実も交えつつもドラマ性も充分あるのだけれど
なぜか読み進めるのに時間を要した。
[12月13日読了]
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時代を切り開いていく時の人との繋がりと再会。
1人の人生を書くと誰しもこういう感じなのかもしれない。
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こんな強い女性が、この時代にいたんだ。
今の時代にいたら、もっとすごかっただろうな。
正直、主人公は初めて知ったけど、
朝ドラの登場人物やら、
教科書に出てくる有名人やら、
バンバン出てくる。
それも面白かった。
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ホントに長い。
で、面白かったかというと、お世辞にも言えない。
作者の力量ということだろうか。
たくさんの同時代の有名人を登場させ、都度、エピソードを差し挟むのは、意味なく冗長なものにしてしまっている。
もう少し、感動をよぶ河井道氏の生涯が書けたのではないか。残念でならない。
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義子さん恩師でらっしゃるのですか!ひゃあ。
読み終わるのがもったいないくらい、参考文献全部読みたいくらい、面白かった!
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河井道と一色ゆりの師弟から始まった友情と同志の絆を中心に、男性社会から女性の自由を手に入れるために何より女子教育からと女学校創立の大河物語。新渡戸稲造、津田梅子を筆頭にキラ星のように道の周りに人が集まって刺激しあっていく。協力したり、離れたり、人の結びつきで時代の空気感がわかるようだった。有島武郎の捉え方も面白かった。
明治の終わりから大正、昭和へと時代に翻弄されながらも初心を貫く姿が神々しい。
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自身も女子高女子大(キリスト系)と出て、特に「女性が学ぶ」という事を深く考えたことはなかった。
女性が当たり前に教育を受けることができる、それはここまで道を作ってくれた人がいるからだと今更気付いた。
学生時代に読みたかった。