戦争体験 ――一九七〇年への遺書
著者 安田武
戦争体験の伝承ということ、これについては、ほとんど絶望的である――。少年期を日中戦争の戦時下に過ごし、大学在学中に徴兵され、ソ連軍の捕虜となり復員。異常で圧倒的であり、自...
戦争体験 ――一九七〇年への遺書
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商品説明
戦争体験の伝承ということ、これについては、ほとんど絶望的である――。少年期を日中戦争の戦時下に過ごし、大学在学中に徴兵され、ソ連軍の捕虜となり復員。異常で圧倒的であり、自らの現在を決定づけた戦争体験とその伝承の難しさについて、戦中派である著者が切々と書き綴る。戦後多くの知識人が、体験を思想化・体系化して後世に伝え、反戦・平和を訴える義務と責任を説くなかで、著者はその「語りがたさ」に固執しつづけた。屈辱や憤り、自責、虚しさ、喪失、死への誘惑……。時に感傷的で非生産的と批判されながらも、断片的で矛盾に満ちた自らの戦争体験に留まり、二十年をかけてその「無念」を問うた書。
目次
- 序章 なぜ戦争体験に固執するか/I/喪われた世代/私たちの履歴書 出陣前夜 還ってきてから 若い世代とのつながり/学徒出陣のころ/「死」と「生」と 教育について 徳澄正との出会い ふたたび教育について 『長恨歌』 三つの世代/「戦後」はまだ終っていない/「戦後派」の系譜 「喪失」ということ しかし「恨み」は晴さねばならぬ 「わだつみ」の世代/「執念」と「信仰」について/執念としての戦争体験 不戦の「信仰」/私の時計は笑っている/二人の日本兵 「奇蹟」の必然性 伝達は可能か 安保闘争と戦争体験/転向・挫折・戦争体験/原思想と原体験 驚くべき記録 沈黙と憤怒の時間/生者の傲岸な頽廃/戦争体験のさまざまな意味 不毛なる政治主義/II/戦争体験の「伝承」について/追跡者の執念/農民と知識人のあいだ/『戦没農民兵士の手紙』を読んで 知識人の善意主義 16年と2年のあいだ/戦没学生の知性の構造/再評価『雲ながるる果てに』 宅島徳光の場合/死者の声・生者の声/『人間の声』を読んで 『アーロン収容所』について 『戦没学生の遺書にみる15年戦争』のために 『わたしにはロシアがある』について 「召集令状」について 「原爆の子」らよ立上れ/サークル『山脈』と持続/東北のあるオルガナイザー 『山脈』第一回全国集会 第二回集会と『無名の日本人』/終章 一九七〇年への遺書/〈独白〉 〈対話〉/あとがき/初稿発表覚え書/解説 安田武と「語り難さ」へのこだわり(福間良明)
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