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頼朝と義時 武家政権の誕生

著者 呉座 勇一

なぜ日本では武士優位の社会が生まれたのか? 朝廷と交渉しつつ、したたかに武士の権利を拡大していった、源頼朝、北条義時の軌跡。

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頼朝と義時 武家政権の誕生

税込 1,045 9pt

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頼朝と義時 武家政権の誕生 (講談社現代新書)

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評価内訳

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紙の本

頼朝と義時

2021/12/23 09:34

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:渡り鳥 - この投稿者のレビュー一覧を見る

『応仁の乱』で有名な呉座勇一の最新版新書。頼朝と義時をテーマにした本である。頼朝にしても義時にしても世間一般のイメージが悪い。頼朝は、超人気者の弟の義経を殺した悪人のイメージがあるし、義時は後鳥羽上皇を隠岐の島に流した不忠のイメージがある。著者の呉座勇一が、この二人を悪人役で描くのか英雄として描くのかが興味があったが、結果的には史実を忠実に解釈し、冷静に二人の功績を分析し、過度な悪人,英雄と言ったカテゴリ分類はしていない。史実に忠実と言うのは、資料に基づいて結論付けたものだが、話としては味気ない。例えば義経の鵯越えは無かったとか言うのも寂しい。水鳥が羽ばたく音を聞いて平家が戦いもしないうちに退散した富士川の戦いの本当の退散理由は水鳥ではないと言う。奢れる平家が水鳥に怯えて退散する様が平家の凋落の象徴的な行動に見え、物語的には相当に面白いのだが。腰越状の頼朝と義経の葛藤もフィクションであるとか、色々と通説を否定すする。物語的には通説の方が圧倒的に面白い。

 源頼朝は、旗揚げ当初の石橋山合戦や富士川の戦い以外は殆ど前線で戦に臨んでいない。石橋山合戦も小規模な合戦であり、富士川の戦いは平家が戦わずして退散したので、実際に戦をしたと言う感じではない。頼朝に信長の桶狭間や長篠の戦いの様な斬新な戦い方をイメージできないし、秀吉の高松城攻めの様なスケールな大きな戦略を感じないし、家康の大阪の陣や関ケ原の腹芸も感じない。頼朝は、武将としての凄さを感じない。やはり、天才的に戦が上手なのは義経だ。この本によると頼朝は、武将としての戦闘能力と言うより大局観に優れていると描かれている。以仁王の令旨に呼応し、頼朝は平家に反旗を翻すが、当初の戦略目的は平家の打倒より源氏の棟梁になる事に重きを置いていたと著者は指摘する。以仁王の平家討伐の令旨は、頼朝にだけに発せられたのではなく、甲斐源氏や木曽義仲にも令旨は渡り、彼らも立ち上がった。彼らは、頼朝の下に付くのではなく、自身が源氏の棟梁のつもりで立ち上がった。頼朝自身は、平治の乱以前にように平家と源氏で朝廷を支える事も選択肢の一つと考えており、必ずしも、平家の滅亡までの戦略構想は無かったと著者は指摘する。頼朝として許せないのは、自分以外の者が源氏の棟梁となる事である。従って、木曽義仲を成敗したし、後白河法皇とのコミュニケーション・パスを持ち始めた義経を廃除しようとした。また、方法論として、後白河法皇の活用を積極的に行う。無事、壇之浦で平家を倒し、日本一の武将となると戦略目標が明らかに違ってくる。息子の頼家に如何に権力を譲り渡すかにプライオリティを置く事になる。秀頼を思う秀吉に似ているが、大きな違いがある、秀吉は有力大名達に必死にお願いしただけだが、頼朝は、将来、頼家の障害となりうる人物を抹殺していった。範頼のような弟まで。非常に冷徹である。順調に頼朝派勢力を伸ばしていき、奥州の藤原氏を滅ぼすと敵はいなくなった。ただ、頼朝は朝廷の下の武士としてあくまでも天皇の配下の域を出なかった。完全な武家政権の誕生は、北条義時を待たねばならなかった。
保元の乱,平治の乱から源平合戦と平安末期から鎌倉時代の黎明期は色々と物語があって興味がつきない。来年の大河ドラマは、義時が主役との事。配役を聞くと、北条義時役が小栗旬で頼朝役が大泉洋らしい。脚本が三谷幸喜と言う事で配役や脚本家をみると随分と呉座勇一の頼朝像や義時像とは違った展開になりそう。大河ドラマを楽しみに待ちたい。

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紙の本

歴史の細部を知りたい読者向け

2022/01/02 21:06

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る

著者は『応仁の乱』(中公新書)で一躍著名となった歴史学者である。本書は武家政治の流れを確立した源頼朝と北条義時に焦点をあてて、源平合戦から承久の乱までを詳述したものである。この間のことを詳細に知ろうとする読者にとっては、その目的を十分にかなえてくれるであろう。一方で、歴史の流れを大局的につかみたい読者にとっては、細部の記述が多く、少々まどろっこしく感じるかもしれぬ。著者は、<鎌倉幕府がいつ成立したかという問いは昔から存在する。幕府は段階的に成立したものであり、特定の時点を成立年と認定することに大きな意味はない。>と記述している。同じく歴史学者であり、多くの一般向け歴史書を出している本郷和人は、鎌倉幕府の成立年についても詳しく言及している。奇遇であるが、同時期に『北条氏の時代』(文春新書)が刊行された。両歴史学者の著作を読み比べるのも一興か。

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紙の本

頼朝政権と義時執権

2022/04/28 12:23

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:だい - この投稿者のレビュー一覧を見る

○流人“頼朝”

流人頼朝を支えたのは“比企尼”と三善康信
伊東祐親の娘“八重”との男子は平家の怒りを恐れた祐親に殺害される
頼朝は祐親の元を離れ、北条時政に身を寄せることになる
以仁王は源頼政と平家打倒を企て諸国源氏に挙兵を呼び掛けた
頼朝に三浦・千葉が馳せ参じた

○鎌倉殿

頼朝は石橋山で大庭氏に破れるが、土肥氏の案内で安房に逃れる
千葉・上総氏の加勢にて房総を制圧、大庭・伊東を孤立させ、鎌倉に入る
以仁王の令旨で挙兵したのは甲斐源氏武田信義
富士川の合戦は信義と平維盛の戦いであり、頼朝は黄瀬川で待機していた
ここで義経と対面する
その後、頼朝は新恩給与と本領安堵を行い、南関東軍事政権を確立していく

○東海道の惣官

平家は機内九か国の武士を統括する役職として惣官職を設置し宗盛を任命した
清盛の病死後、宗盛は反乱軍の大義名分を奪うため、朝廷に政権を返上

入京した義仲は後白河法皇より平家追討を命じられるが、備中水島で大敗
クーデターを成功させた義仲は征夷大将軍に任ぜられるが、宇治川の戦いで義経に討たれた
壇之浦で義経が平家に降伏の機会を与えず性急に攻撃した結果、三種の神器を取り戻せず、頼朝の終戦構想とは異なる形で源平合戦は終結した

○征夷大将軍

平家討伐は義経の独壇場で終わり、東国武士中心の範頼軍が霞んでしまった
頼朝と義経が決裂したきっかけは行家をめぐる問題であった
行家討伐を義経に指示するが拒否され、行家と共に挙兵、頼朝は義経討伐を決意した
義経は奥州へ逃亡するが自害、藤原氏も滅亡する
東国・奥州を制覇した頼朝は、唯一絶対の武家の棟梁としての官職“征夷大将軍”に任ぜられた
絶対的な権力を得た頼朝であったが、後継者頼家には朝廷の後ろ楯が必要であり、振る舞いは抑制的であった

○頼朝の家子専一

義時は、頼朝が鎌倉に落ち着いた頃に時政から独立し御家人として成長する

御家人の序列
・門葉 源氏一門
・家子 源氏一門に準ずる存在
・侍

義時は“家子専一”家子の筆頭であった
頼朝にとって源氏一門はライバルであり家子に大きな期待をかけていた

吾妻鏡は頼朝の晩年を記載していない
義時の動静も不明である

○義時と時政

13人の合議制は13人のうちの数名が評議し、結果を頼家に提示した上で頼家が最終判断を下す政治制度であった

親子で参加しているのは時政・義時のみであり、東国武士団から頼朝側近団である北条氏の権力拡大を図って行くことになる

時政は、梶原氏、比企氏、阿野氏を陰謀により抹殺
義時は性急に権力集中を進めて反感を買った時政を反面教師として慎重に幕政に関与したと考えられる

○“執権”義時

12歳で将軍に就任した実朝を、政子・義時が補佐する体制を取った
実朝が自身の政治的意志を発揮する余地はなかった
実朝の後継者を源氏一門からの擁立は該当者が多すぎることと北条氏の立場から見送られ、後鳥羽院皇子を将軍として迎える案が出された
実朝は拝賀の儀式が鶴岡八幡宮で頼家の遺児公暁に殺害された
義時や三浦義村等の黒幕説はあるが、決め手に欠けるため、公暁の単独犯行の線が強い

○承久の乱

後鳥羽院は九条道家の子“三寅”を下向した
源頼茂は謀反を企てるも敗北
後鳥羽院は義時追討の官宣旨を発し挙兵
北条政子は御家人を集め、幕政設立と頼朝の恩に報いるために戦えと説得した
東国武士は順次参戦し京都に向かって進撃
大軍を指揮できる司令官のいない後鳥羽院は圧倒的兵力差により敗北した
後鳥羽院は隠岐に配流となった
承久の乱を契機に幕府は全国統治を担うことになった

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紙の本

面白かったです

2022/03/14 11:45

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:iha - この投稿者のレビュー一覧を見る

頼朝と義時という鎌倉幕府創成期の為政者ふたりについて書かれております。平氏との戦に勝ち、鎌倉幕府の基礎をいちから築き上げたのが頼朝、そしてそのバトンを引き継ぎ、幕府に安定をもたらしたのが義時ということがわかりました。素人にも分かり易く書かれているのが良かったです。

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2022/01/08 05:59

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2022/01/05 21:25

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2022/01/27 21:39

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2022/03/30 22:20

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2022/04/01 11:41

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