紙の本
超絶面白い
2021/12/14 00:50
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投稿者:ぼちぼち - この投稿者のレビュー一覧を見る
薫子の兄が自殺幇助で逮捕された。4人の自殺志願者のうち一人だけ殺さなかったのは何故か。裁判で自分に不利な発言ばかりする兄を救おうと奔走する薫子。次第に明らかになってくる驚きの事実。久坂部作品なのでグロさ炸裂なのを想像して読んだけど、ミステリー小説そのものでかなり面白かった。素晴らしい作品
電子書籍
どう言えばいいのか
2023/01/20 19:30
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんとも言えない感想です、読後感は……いいとは言えません。正統派ミステリーかな。このカタチは。それにしても、自殺志願者を殺していく……なんて。あのやさしかった兄が、という気持ち、わかるなあ
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2021/12/26予約 5
R.I.P
Rest In Peace
安らかに眠れ
同じ年に産まれた兄二人を持つ、薫子は下の兄、村瀬真也が嘱託殺人で捕まり、とうてい本当の話とは信じられなかった。できることをするべき、とかつて診てくれていた心療内科のドクターにアドバイスされ、自力で動き始める。
母が病院に行くことを拒否する時、無理に治療を受けさせるのが親孝行ではない。本人が望むことをさせるのが、親孝行。世間一般で良しとされても、母が嫌がることはしたくなかった。
自殺を否定するわけではなく、自殺をすることの全否定を否定したかった。本当の思いやりとは?
生きるのが辛い人に行う殺人は、競走馬が骨折したときの安楽死と同じ。
死んでほしくないという家族の意見もあるが、それは、いざ自分が死ぬしかない苦しみに至ったとき、自分より家族が優先されるということ。
これが、村瀬真也の発言の一部だが、正直で、ある意味全うで、大方の人の本音ではないのかと、考えた。
本当の思いやりとは何なのか、深いテーマです。
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後味の悪さとか評価はいろいろわかれるが、私はやはり、面白かった。ただし、わかりにくいところも随所に見られたが。
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SNSで接触してきた3人の自殺志願者を殺害した容疑で逮捕・起訴された次兄についての妹の手記という形で語られる。特に争うことも、否認することもなく裁判は進む。本作は現実でも繰り返し起きている自殺志願者への幇助や嘱託殺人をテーマにした作品だと思う。とても重いテーマで一概に否定も肯定もできないが、安楽死が認められていないこの国ではやむを得ないことのような気もする。後半からラストへは駆け足すぎて、消化不良の印象が残った。
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本筋に関係ないけれど、仏前にお参りするってそんなに意味のあることだろうか、そして私が遺族ならお断りするだろう。
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「希死天使」というHNで自殺志願者を募り三人を殺害した村瀬真也の妹の薫子が逮捕から裁判の過程を手記として綴る。善良なサイコパスと邪悪な健常者、死の欲動と生への欲動の対局が真也の犯罪の背景にある。日本は自殺率が上位にあるという。SNS上で集団自殺志願者が集まって遂げるという事件も目にする。自殺の容認、尊厳、死ぬ権利、著書の多くの作品で語られる安楽死や尊厳死に通じるものがあると感じた。「本当の思いやりについて真剣に考えてみてください」と真也の弁、判決後失踪した薫子にやるせないものを感じた。重い話だと思った。
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三人の自殺志願者を殺害した凶悪犯として糾弾される真也。優しい兄の「真実」を求めた薫子がやがてたどり着くのは、人それぞれの命の概念。生きることは美しく、自殺を選ぶことは決して許されることではないのか。誰しもが考えさせられてしまう作品です。
本音を言えば、誰しもが一度くらいは「死にたい」と思ったことはあるのじゃないかと思います。順風満帆、嫌なことがなに一つもない人生を送れる人なんてそうそういないだろうし、だとすればぶつかった困難や苦難から逃げるためだけに「死」をちらりとでも思ったことがない、と自信を持って言える人もまたそうそういないんじゃないかと。ただ、どれほどその思いが本気かというだけで。だから、自殺したい気持ちも生きていたくないという気持ちも理解できないことはありません。それでも周りの人を悲しませるとか、迷惑をかけるとか、それが大きな抑止力となる気がするのですが。その抑止力が生きるための後押しではなく、死を阻むための障害なのだと断言されてしまうのはちょっと怖いことだと感じました。
誰にも他人のことなんて理解できないんだから、何が正しいのか決めつけることはできません。だけどここまで自殺志願者の気持ちに「寄り添う」ことのできる真也は、悪人とは思えなくて。彼のやったことは罪かもしれないけれど、それでも彼には善良さしか感じませんでした。
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被告の言い分に同意していまいそうになる気持ちが読み進むにつれて大きくなる。
殺人犯に同意してはいけないとの思いの間で気持ちが揺れる。
死に惹かれる人や死にたいと強く思うほどつらい思いの人に、どのように寄り添っていけばよいのか、とても難しい。
それは希望の押し付けや自殺の全否定ではないのであろう。
本当の思いやりを真剣に考えたい。
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小説としてはあまり好みではないが、ノンフィクション風味として読むと大変興味深い本だった
私自身、死は救済だと思っているところがあるので、始終薫子の意見には疑問を抱きつつ読み進めた
亡くなった方の気持ちに寄り添うとしたら、今世から解放されてよかったねと思うけど
亡くなった人が親しい人だった場合、諸手を挙げてよかったねとは思えない、それこそ薫子のように相談してくれたらよかったのにと思ってしまう気がする
希死念慮と長年同居している私でさえそう思うのだから、通常の死を恐れる人たちにとっては自殺した人に寄り添うことなんてとてもじゃないができないのではないかと思った
生きる自由があるのだから死ぬ自由もあればいいのに
身体の自由が効かなくなる恐怖と戦えというのは生き残る側のエゴだなと
いじめを苦にして亡くなる人に対して頑張って生きろというのは残酷以外の何物でもない
私は優しくないので真也氏のように自殺願望者の方を今世から解き放ってあげることはできないけど
考え方は真也氏に同調してしまった
死ぬなというだけなら簡単だもんね、そもそも死にたいという感情を解決することは難しいし
死にたいなら死なせてあげればいいと思う
早く安楽死制度が充実すればいいのになと改めて思った
薫子は何の問題を抱えていたんだろうか?サイコパスという言葉はあまり好きではないが(誰でもサイコパスの要素もっていると思うので)
客観的に立てないというのも要素の一つなのではと思ったりした
モヤモヤしながら終わってしまった…
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医師作家による「人間の尊厳」を問い続ける内容であり、とても重く答えが出せなかった。
薫子の次兄が、自殺志願者を3人も殺害するという凶悪事件が起きたことから物語は始まる。
検察官のあざとい法廷戦略にも臆するとこなく、自分の意思を告げる次兄。
優しい次兄が、世間から極悪人と糾弾されるのが納得出来ず、以前通っていた心療内科医に相談したりと奔走する。
兄のことを善良なサイコパスだと言っていた心療内科医師こそが…。
すんなり納得できる結末ではなかったものの、テーマ事態が、自殺を容認できるか…につきると思ったので、自分にとっても重い課題を背負ったようだ。
昨今、特にコロナ禍になってからも感じるのだが自殺者が多くなっている。
有名人ですら、そうだ。
いじめ、病気、リストラ、借金、さまざまな要因で死を望むのだろう…。
生きることがいいと判断する根拠も無いが、
やはり完全に否定できるか…と問われると
自分が、難病になり苦しみ、周りに迷惑をかけるのなら、考えるかもしれない…と。
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うーん難しい。特殊なようで明日は我が身にふりかかりそう。読み進めていくうちに自分の意見や想いもコロコロ変わる。何が正しいのか、自分の思い込みほど怖いものはないのかも。読了1回では結論は出なかったので、人生のテーマとして定期的に読み返したい。
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もうひと展開あるのかなと思っていたら、終わってしまったよ。ミステリーなのか、生死感を突き詰めた深淵なテーマなのか、モヤモヤ感だけが残った。「ラベルを貼った瞬間から人はそういう目でしか見なくなる」
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久坂部氏の一貫した人間の尊厳を問う作品群は、どれも一読に値するものだが、これも終盤までは家族やDVの問題、行き過ぎた正義と傍観する偽善等を絡めて、深く読ませる内容で感じ入ったが、この終わり方のモヤモヤは本作を台無しにしている。別に答えのある問題ではないので明確なハッピーエンドもバッドエンドも期待するものではないが、それにしてもこのミステリータッチの終わり方は無いだろう。で評価3。
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善人で相手の立場を考えて行動する、心優しい人。
独りよがりで思いこみが激しく、軽はずみな人。
1人の人の印象は、その人を見る人数の分だけ種類がある。
誰かにとっての心遣いは、その人にとっての迷惑以外の何物でもないこたもある…。
難しい。