紙の本
追い詰められる琴子
2022/03/27 13:34
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投稿者:JUN - この投稿者のレビュー一覧を見る
対キリンの亡霊なんかは、
いつも通りキレっキレの推理で解決し
実力行使でも解決してしまう万能神様。
でも、九郎に対して考え込んでしまうあたり
歳相応の(またはそれ以下の)女性でしかなく
とても親近感を覚えます
今まで普通に受け入れていたけど
考えてみれば確かに
九郎や六花が一番の異端児なわけで…
何故一番に排除対象にならなかったのか?
という不思議。
このへんの伏線なんかも
おいおい解決していくと思うし。楽しみ。
電子書籍
まさかの真意にやられた
2022/01/02 22:13
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投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
漫画版既読。
名乗り出ない目撃者とわざと見られるように人を滅多刺しにした犯人の真意を巡る話。キリンの亡霊を巡る話。
人魚と件の肉を食べさせられ、未来視のできる不死身の存在となった立花と九郎。
あやかし達の知恵の神であり秩序を守る岩永。
どんな手を使っても人に戻りたい立花が岩永から協力を引き出すまで。
今まで九郎が何を考えているのかわからなかったけど、今回はじめて言及されて九郎と岩永ヤマアラシのジレンマじゃない!ってときめいてしまった。
漫才みたいな二人の会話とミステリーを楽しんでいたのに、予想外の良いパンチだった。
秩序を脅かしている人外の九郎を知恵の神である岩永は本来許容できず、いずれは彼を殺さなくてはならない。
しかし不死身だからこそ九郎は岩永の隣にいられるので、生きるために人に戻れば岩永から離れるのは必然。
どうあっても離れる選択肢しかないから、目をそらして問題を先送りにしている岩永と、全部知った上で岩永を守るために傍にいることにした九郎だけど、岩永のためにも彼女の恋心は錯覚であった方がいいと思っている。
なんて面倒くさくて切ない二人なんだ!
急に恋愛ものとしての面白さが出てきて無事に死んだ。
紙の本
なるほど
2023/01/26 21:39
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投稿者:MIKA - この投稿者のレビュー一覧を見る
今まで、何故六花さんと対立するのかそういう流れになるのか?と疑問だったがこの巻でその辺りが明らかになった。
なかなかに暗くて深い。
今まで軽めの遣り取りメインだったが、ここから先は少しテイストが変わるのかも。
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六花さんが何を考えていたのかが明らかになる長編。まさかそうくるとは。
そして、思っていた以上に九郎が琴子のことを大切にしていたことと、それと反比例するように来たる未来が中々険しそうで、ピリっとしたストーリーだった。丸く収まる未来が見えることを祈りたい。
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物語面の感想は既に漫画版でしているので、ここでは漫画と小説で受け取った印象の違いやエピローグについて述べようかと
まず第一に意外に思えたのは『見たのは何か』における琴子の心理面かな
漫画を読んだ際には仮説を述べ合う事に拠って六花の力や考え方の傾向を測っていると受け取っていたのだけど、小説のモノローグを読む限り、積極的にそういう仕掛けに出ていたわけではないのか
まあ、意識に上らないレベルでやっていた可能性までは否定できないけど
『見たのは何か』においては六花の脅威度を重く見ていなかった。だから彼女の行動を制限する必要まで感じていなかった
けれど、鋼人七瀬事件を経た後の『岩永琴子の逆襲と敗北』では必要以上に六花を驚異に感じていると読み取れるね。既に六花が虚構を利用して秩序に反しようとした前例を知っている。だからこそ、六花が今度も何かしら仕掛けてくると決めつけ、それが最後の罠に繋がってしまったと見るべきなのだろうね
漫画版では琴子を精神的に追い詰めに追い詰めた六花のロジック。小説版においても琴子を追い詰めているのは変わらないけれど、詭弁を通す余裕を琴子は残しているように受け取れたね。これは漫画版に比べて六花のロジックによって受けた衝撃が少ないという事ではなく、小説においてはこのシーンが真の解決編として機能しているわけではないから、物語の比重が薄れた為かな
だから『岩永琴子の逆襲と敗北』における解決編は丘町の真意を解説するシーンでも、六花が計略を明かすシーンでもなく、エピローグにて九郎が心の内を話すシーンが該当するのだろうな
六花は目的の驚異になる人間として琴子を測っていたけど、九郎は一人の女の子としての琴子と同時に知恵の神としての琴子も測ってきたんだなぁ。知恵の神という機構として琴子が自分をどう見ているか、そこにどんな誤解があるかを把握しつつ、琴子をか弱い女の子として大事にしようとしている
もしかしたら九郎は岩永琴子を本人以上に理解しているのかもしれない。まあ、その代わりに琴子が自身に向けている感情をどこか測り間違えている気もしてしまうけども
こうして九郎の真意を知った上で振り返ってみれば、『鋼人七瀬』終盤において紗季に語っていた九郎の言葉はシリーズ通して一貫した九郎の信念だったのかもしれないと思える
この視点に立って物語を再度見直してみると、それぞれのシーンにおいて慈しんでいるのか邪険にしているのか曖昧だった九郎の行動理由も事細かに見えてきたりするのだろうか?
虚構を操り秩序を保つ岩永琴子。それが今回、岩永琴子を構成する大切な恋心が虚構である可能性が示された。けど、その虚構が岩永琴子のささやかな幸福を支えている
まるで悪い夢の中にいるかのようなロジック。でもひとまず琴子は無意識的であってもその虚構を守る為に六花に敗北した。これによって何かを失う結論は変わるのか、変わらないのか。今後に本当の意味での『逆襲』が待っている事を願ってしまうね
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城平京『虚構推理 逆襲と敗北の日』読了。
「見たのは何か」という掌編から始まる本作だが、本質的には中~長編として読む作品。「見たのは何か」はかなり象徴的に一編で、虚構推理のコンセプトの中では異質。そしてこの異質さは次の「岩永琴子の逆襲と敗北」に効いてくる。「岩永琴子の逆襲と敗北」では、三作目のスリーピング・マーダーで準備され、仄めかされていた、岩永と六花の再戦、そして敗北の予感がどのような決着をするのか描かれる。
内容も強いロジックが戻ってきてとても良い。
妖怪や幽霊が当たり前に存在する世界で起こる怪事件。真実が怪異による超常的なものであっても、岩永琴子は知恵の神として世界の秩序を保つための現実的な「虚構の真相」を構築しなければならない。そのコンセプトを積み上げ、本作では切れ味の鋭いホワイダニットと捻りの効いた「虚構推理」が披露される。
そして、「知恵なす者の悪夢」では一貫したテーマでシリーズ五作を発表してきたからこそできる、登場人物たちの抱える宿命と戦いの本質に迫る物語が展開されている。ミステリとしての面白さに加え、最終章における知恵の神と秩序を外れた者のある種ゾッとするような構成美は作者の腕が『スパイラル』から衰えていないことを思わせる。
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アニメから入ったのだが、原作も面白い。新刊は時事ものしか買わない私が、読みたさが高まり購入してしまった。買って大正解!続き物なので一作目から読まないとダメですけどw
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――
つけ麺頼んで、あんまりしっかりしたつけ汁じゃなくてただラーメンの麺が最初は外に出てるだけだな…みたいなのだとある程度美味しくてもラーメンにしときゃよかった、ってがっかりするときありませんか?
友人と一億総小説家時代の話をしていて、まぁやっぱり小説って敷居が低くて奥が深いんだよなぁとなったのだけれど、じゃあそれこそ漫画みたいに原作と文章と分けるような風潮になっていくのかもしれない。おはなしを作れるのと文章を書けるのとは大きく違っていて、しかもそれをひとつの長編として纏めるには、また別の能力が要る。
場合によっては「雑に書く」ことが必要になる一方で、小説でなければ、文章でなければ現せないシーンが確かにあって…まぁそれが全く無いものを切り捨てていくほど過激ではないけれど、期待しているところがあるとそこそこ残念だったりもする。
まぁぐだぐだ何が云いたいかというと、途中何度か漫画なりアニメなりで済ませればいいかな、と思って読み進めてました。文章力が云々ということではないんだろうなぁ。
小説的な見せ方、魅せ方みたいなものを、この頃強く感じている。漫画的なものは、そのまま文章にするとなんだか単調で、くどくなったりするしね。
けれど最後の最後、琴子と六花、六花と九郎のそれぞれふたりのシーンはしっかり読み応えがあって、とても良かったです。
なんとなく九郎くんが思っていることは解っていたけど、琴子のほうも先刻承知だと思っていたわ。
そのあたりどうなっていくのか。まぁ小説で揃えるかなー。いまから漫画買うのもだし。
☆2.4
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2022.2.17読了。
小説漫画累計400万部ですか。
『名探偵に薔薇を』からずっと追いかけていますが、好きな作家が売れると嬉しいですね。
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ミステリーとは理屈っぽい読み物だ。本作は、理屈っぽさを体現した『虚構推理』シリーズの最新長編である。自分はこのシリーズの大ファンというわけではないが、何か惹かれるというか引っかかるものがあるのは確かだ。
琴子と九郎のコンビと、九郎の従姉である六花(りっか)。キャラクターの説明は省く。主要3キャラクターの三つ巴の関係が、シリーズ中でも最もクローズアップされている印象を受ける。特に、琴子と六花の敵対関係が。
プロローグ的な第一章。琴子と六花は敵対関係と書いたが、ここでは行動を共にしてある案件に当たっている。このネタで長編にしようと思えばできそうだ。彼は罪を犯したが、六花と遭遇することになったのは同情の余地があるか。
第二~四章が本題。山中での連続転落死事件に居合わせた六花は、容疑者になっていた。知り合いとして警察に呼び出された琴子と九郎。生き残った青年が六花に語った、3人の転落死の真相とは。裏表紙に思い切り書いてあるけども…。
当然、こんな真相を警察が受け入れるわけがない。琴子の仕事は、警察が納得して処理できる筋書きを描くこと。退治すればよいという単純な話ではない。六花の無実を証明しつつ、六花を出し抜くという、ある意味矛盾を孕んだミッションと言える。
要するに納得するに足る嘘をつくわけだが、そのためには真相がわかっていなければならない。化け物には化け物の、人間には人間の重い背景が明らかになっていく。シリーズに共通した構図だが、最適解は毎回違うので、退屈させないのがミソ。なお、ハッピーエンドかどうかは琴子の知ったことではない。
サブタイトルに「敗北」とあるのだが、うーむ、敗北とはそういうことですか。六花の切なる願いとは。少々言葉に詰まったところで、信念は揺るがない琴子。今回もほぼ前面に出ず、琴子とも六花とも等距離を保っている九郎は、何を思う。
理屈の応酬が読みどころのシリーズではあるが、九郎と六花の本音が垣間見える第五章こそが、シリーズの今後の鍵を握っているように思う。いずれ九郎自らが前面に出るとき、只事では済まない展開が待っているのではないか?
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山中に現れ人を襲うキリンの亡霊。その亡霊に襲われた青年を助けた六花の真意は?
今回は長編。岩永の知恵の神としてのあり方を問うものだった。九郎が見えないところで岩永を大切にしているのが本人に伝わっていないのが切ない。
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キリンの亡霊の事件解決の裏での六花の思惑、それと九郎の考えがあって、なるほどなぁと読んだ。ところで、柊という人物は、そんなにも魅力的な人物だったんだろうか。それともそれもまた呪いのようなものだったのか。
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剛人七瀬のような、解決のために直接的な勝負があるわけではなく、あくまでも秩序を守るための虚構を構築する話。
六花さんや九郎、それぞれの思惑が見えてきて、どのような展開をみせるのか楽しみです。
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長編三作目だが、これも漫画の原作らしい。
序盤から六花さんが顔出ししているので、これはと期待しつつ読み進めたものの、ミステリ的には後期クイーン問題の何番煎じって感じで、過去のキリン関係者の相次ぐ不幸や六花に似た故人の存在が、ただの偶然で片付けられたのも肩透かし。
この辺は漫画サイドとの兼ね合いも考えられるけど。
苦労人の苦労くんもとい九郎くんもどんどん影が薄くなっている気がしないでもないが、最後の最後に少しばかり見せ場が。
敵役の六花ならまだしも、仲間の側であの異能が手に余るのは致し方ないところか。
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'22年8月31日、Amazon audibleで、聴き終えました。シリーズ5作目。
うーん〜面白かったです!相変わらずの、虚構で展開されるロジック!凄い!
城平 京さん、頭の中は一体どうなっているんだか…見てみたいものです。
残念ながら、audibleにはこの作家さんの他の作品が無くて、ここでひとまず終了となってしまいますが…今後も注目していきたいと思います!楽しかった!感謝!