先生の息子が暴く本名
2024/12/22 17:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
蝶好きな「ぼく」との友情は、小百合の岡田のように美しく儚いです。いつか来たこの道のアカシアで、ふたりが再会することを祈るばかりです。
投稿元:
レビューを見る
以前ツイッターで『少年の日の思い出』が話題になっているのを見て、「そういえばちゃんと読んだことがなかったかもしれないな」と思い、短編集を手に取りました。
国語の教科書にも載っているお話ですが、後味の悪さがとても好きでした。
こちらの本には少年・青年時代の物語が収録されており、初々しい苦さと懐かしさを感じるお話ばかりです。
我々とは違う文化を知ったり、ドイツの風景を想像しながら読んだりするのはとても新鮮でした。
投稿元:
レビューを見る
情景、そして思い出の中の少年時代の描写が綺麗。
蝶や植物が沢山出てきたため、少し想像しづらくはあった。
もう少し自分がドイツのことを知り、鮮明に想像することができれば、もっと楽しめる作品だろうと思う。
今を大切にしたくなる作品だった。
投稿元:
レビューを見る
ヘルマンヘッセの作品は、人間の微妙なあるある感情を上手に表現していると思った。
特に美しきかな青春は、女友達からどう恋人へと移り変ろうかという現代でもある感情で、故郷に帰り過去を懐かしみながらも、頭の中は思い人のことで頭がいっぱいになってしまうなど、思わず共感してしまう内容だった。
投稿元:
レビューを見る
青春時代を描いた短編集。『少年の日の思い出』『ラテン語学校生』『大旋風』『美しきかな青春』の4編が収録。『ラテン語学校生』と『美しきかな青春』は、新潮文庫『青春は美わし』にて高橋健二訳でも掲載されている。相変わらずどの作品においても、ヘッセの自然の観察力と表現力に感嘆させられる。
投稿元:
レビューを見る
作品全般を通じて、少年から大人に移り行く心の過程とか不器用さとかを表現するのがうまい作家と特に感じた。個人的には特に「大旋風」の冒頭にそれを感じた。読むまで忘れていたけれど、自分も思春期のときにそんな気持ちになったことを思い出させてくれた。
投稿元:
レビューを見る
醜いところをえぐりだされたくて読み返しました。
短編集。収録されている『ラテン語学生』『大旋風』『美しきかな青春』も青春期の男子になりきればえぐられますが、やっぱり特にエグいのは『少年の日の思い出』。友情だけでなく、変なプライド、見栄、虚栄心、罪悪感、とか大人になっても捨てきれない負の部分と向き合いたかったのですごく良かった、これだけでいえば星5。
投稿元:
レビューを見る
「そうか、そうか、つまり君はそんなやつだったんだな」
蝶を大切にする心を持たない、体裁を気にする俗物だったんだな、ということか……。
よく覚えてないが、エーミールに非はなく、専ら主人公に非があるように思った記憶は残っている。
投稿元:
レビューを見る
昔の作品だからなのか、翻訳されてるからなのか、私が読み慣れてないからなのかわからないけど、読みにくくてタイトルの話以外読めなかった…
私が教科書で読んだ記憶とセリフが違ったんだけど、翻訳してる人が違うのかな?
投稿元:
レビューを見る
「少年の日の思い出」の授業をするのに、何か参考になればと思って買った文庫版。表題作「少年の日の思い出」と「あとがき」しか読んでいないが、十分読んでよかった。
そもそも、「少年の日の思い出」は、今の教科書に掲載されている高橋健二さんによる翻訳しか読んだことがなかったので、翻訳によって、ここまで印象が違うのかということだけ驚きだった。細かい表現や文の切り方が違っていて、ところによっては、文意も変わってくるのではないかと思われるところもある。なにより、あのエーミールの名言「そうか、そうか、つまり君はそんなやつなんだな。」も、「そう、そう、きみって、そういう人なの?」と訳されると、まったく印象が変わって、かなり衝撃的であった。
この岡田朝雄さんの訳の方が、日本語の使い方が今風で、子どもたちにも読みやすいのではないかと思う。「あとがき」では、有名な高橋健二さんの訳よりも、より原文に近いニュアンスになるように色々と細かい配慮をしたエピソードも書かれていて、それ自体面白かった。
当然、元はドイツ語であることは知っていたし、きっと翻訳によるイメージ差もあるのだろうとは思っていたけれど、初めて違う訳者による同じ作品を読み比べて、ここまで違うのかというのを実感できたのがよかった。好き嫌いでいえば、慣れ親しんでいることもあるけれど、高橋さんの訳の方が好みではある。
ただ、翻訳による違いから、ドイツ語と日本語の違いについても、色々な気づきが得られそうな予感がある。もう少し読み込んでみたいと思う。
投稿元:
レビューを見る
エーミールは壊された宝物の前に無力だった。親に報告し警察に高価な蛾を壊した窃盗犯だと主人公を突き出すこともできたのに、憎しみより喪失感が上回った。盗みをされたほうは、盗んだ人を許すことはできない。盗んだ人と友達だったとしたら、もう友達ではいられない。それほど盗みは罪深い。自身にとって大事なものを壊す能性がある人間を側に置くことはできない。盗んだ側は笑い話にできるが、盗まれた側からしたらいつまでも辛く重い過去になる。蛾を手に入れた思い出も綺麗に並べた記憶も思い出したくもない悲惨な過去になってしまった。もうエーミールは二度と人を信用して宝物を自慢できないだろう。大人になった主人公は己の狭い世界で恥知らずのまま生きていく。ヘッセは他者への想像力に欠けた人間の描写が極めてうまい。娘の人柄は少女時代から変わらず、少年は少年の面影がなくなって大人になるようだ。
投稿元:
レビューを見る
副題の「ヘッセ青春小説集」のとおり、青春にまつわる短編を集めた小説。
初めてヘッセを読むにはちょうど良かったです。
「少年の日の思い出」
少年期に犯した罪を告白する物語。
青春期ならではの抑えきれない欲求と、急激な後悔の念が入れ乱れ、自己嫌悪を経験する。
初めて人から蔑まれ、断罪され、苦い経験を経て大人になる話し。
「ラテン語学校生」
年上の女性に恋をし、初めて失恋を経験する。
その後、失恋相手の女性の婚約者に不幸が起こるが、それでも愛し合い、支え合って懸命に生きようする姿を見て、人生の深みを目の当たりにする話し。
「大旋風」
18歳くらいの頃の思い出。
見習い奉公をしていた時期にある少女から好意を抱かれる。複雑な恋の経験と自然災害を同時に経験し、壊滅的な故郷の被害を目の当たりにし、大人への一歩を踏み出す話し。
「美しかな青春」
22歳のころ、仕事得て一人前になってから久しぶりに帰郷した時の話し。
少し大人になった目線で、故郷や親を想う気持ちや、複雑な恋の体験を語る、鮮やかでノスタルジックな物語。
年齢の時系列に収録されているので非常に読みやすかったです。
日本人作家の私小説ようなドロっとした感覚はあまりなく、青春期の爽やかさとノスタルジーを感じさせながら、人生とか生と死とか複雑な感情をサラッと表現していて非常に美しい文章だと思いました。
投稿元:
レビューを見る
子供が中学校で、ヘッセの「少年の日の思い出」をやったとのことで、懐かしさを感じて読んでみようと思い文庫を購入した。
「少年の日の思い出」は、日本では中学の教科書に長く取り上げられ、知らない人はいない作品だが、ドイツでは全集にも入っていなくて、あまり知られていない作品ということを解説を読んで知った。
ヘッセは蝶好きとのことで、だからこそ、「少年の日の思い出」のような作品が生まれたのだと納得する。
「少年の日の思い出」を含め、いくつかの短編が載っているが、個人的には途中でダレてしまい、最後まで読み通すのに時間がかかった。ヘッセの作品に限ったことではないと思うのだが、文学的作品といわれるものは、話の展開があまりないので、読むのがつらくなるときがある。しかし、ノーベル文学賞をとるような世界的な文豪はたぶん風景描写や心理描写などを含め、優れているところがあるのだろうと思う。自分はなんとなくそう感じるという拙いレベルではあるが。
ヘッセの作品を知りたいという方は、この短編集で雰囲気は十分感じることはできそうなので、おすすめです。