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投稿者:ぴー - この投稿者のレビュー一覧を見る
解剖学者で昆虫大好きの養老先生は、いつも考えるヒントをくれます。
この本は2020年5月以降に新聞や雑誌に寄稿されたものを集めて加筆修正されたものです。
先生がご自身を不要不急だと考えておられたなんて、知りませんでした。
久しぶりに養老孟司氏のエッセイ
2022/01/07 21:21
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
久しぶりに養老孟司氏のエッセイを読む。コロナ禍の中、世の中の人間の動きを独特の感覚で描く。不要不急という言葉のものさしは、世間という状況にある。そして都市生活は、人に様々なストレスをもたらすが、コロナ禍の影響によりさらに増し、おかしくしてしまう状況を彼は危惧している。自分に居心地の良い「場」をつくる必要があるようだ。現代日本を「やむをえない国」と表現し、そこに住む人の意志とは無関係に世間が動いていくことを仕方がないことと思っている日本人を、心の中で心配しているようだ。
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養老先生節が満載です。戦中を知る論客としていつまでも長生きして頂きたい。最後のまるのお話しは温かいです
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「ああすれば、こうなる」とはならないからおもしろい、と思う。なかなか思うようにならない、それが自然のなせる業で、何でもかんでも思い通りになるとかえってこわい。うちの家の前は土のままである。春にはホトケノザが咲き、夏にはカタバミが咲く。冬場もなんだかつる性の植物が小さな花をつけている。おそらくいろいろな菌もいることだろう。そのためかどうかわからないが、我が家の家族はかぜをひくことが少ない、と思う。養老先生が病院にかかったという話は他でも読んで知っていた。しかし、それほど重いとは思っていなかった。だから最近は元気がなかったのか。でももう80歳代も半ば、致し方ないのだろうなあ。うちの両親も80歳代後半に入って病院に入ったら、結局裏の出口からしか出られなかった。母親は、3軒ほど転々とした上での話。最後はたくさんチューブをさされたりしてかわいそうなことをしたと反省している。まるはどこで死ぬつもりだったのか。それを見つけて病院に連れて行ってしまったのは飼い主のエゴか。しかし、養老先生の猫っかわいがりようは本書を読んでよく伝わってきた。2人称の死について気になっていることがある。長く一緒に仕事をしていた。その後、離れていて、聞くと病気が見つかってかなり大きな手術をしたとのこと。その後一度だけリモート飲み会をしたのだが、それからの様子が聞けないでいる。再発したりしていなければよいが、連絡を取って何かがわかってしまうのがこわい。2人称の死であっても知らないままで何十年とたてば、その間はその人は僕の中で生き続ける。頻繁にSNSなどに書き込みをしていた人がぷっつりと途絶えるとそれも心配である。まあでも、単に面倒なだけかもしれない。自分の中のブームが去っただけかもしれない。自分も似たり寄ったりだし。ところで、今回はいろいろと本の引用があったように思う。いままではそういうのがなかったような気がしている。アイデアはみんな養老先生のオリジナルかと思いきや、もちろんそれはいろいろと読んだ上で自分の中で消化吸収して話されていることなのだろう。だれのアイデアかなんてわからない、だからプライオリティとかあまり気にしない、というようなことをどこかで読んだ記憶もある。僕もだいたい誰かの受け売りであることが多い。40%くらいが養老先生だろうか。あとは森毅、梅棹忠夫、河合隼雄、内田樹あたりだろうか。壁シリーズ、「自分の壁」だけなかったので、この機会に買いそろえた。そして、なぜか「死の壁」のレビューは見つからない。
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本の紹介がいくつもされていて、
もっと本を読みたくなる本であった
養老孟司さんが
コロナ禍に際して、ALS患者への嘱託殺人について、医療について
綴っている
愛猫まるの死は、猫好きの私にとっては、読んでて悲しくなりました
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バカの壁を読んでとても感動して、養老先生の本を読むようになって何年になったのかなと。今、ググッてみて2003年だったと確認しました。まるは、19歳とのことですから、バカの壁が出る頃、やってきた。
もう一度、バカの壁を読んでみようかと思ってます。
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なぜ最後にネコの話?と思いながら読み進めたが、このネコ(まる)の話がいちばん心に残った。
最終ページに掲載された写真も良かった。
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以前、バカの壁、死の壁も読んだのでこちらも読むべしと思い購入。学者の書く内容は時に難解だったが、こんなに偉い方なのにすごく冗談めいて、またへりくだった書き方が入り混じっており、読んでいく上での壁・抵抗がなくなるので、さすがだと思う。
以下思ったことの備忘メモ:
理解と解釈の違い。理解は向こうからやってくる感覚系、解釈はこちら都合の運動系。なるほどと思うとともに、では「これはどう解釈したら良いですか」と相手に聞くのらはおかしいのだな、と思う。
戦中世代の方は、戦争の記憶が今に至るまで自身の中身の大部分を占めている、相当な経験だったんだなと、改めて思う。我々の世代には同様の強烈な経験は、東日本大震災や今のコロナ騒ぎが考えられるが、恐らくそれには及ばないレベルなのだろうと思う。
日本人は記紀の頃から「こうなる」といういわば結果を重視してきた。どうしたからこうなった、という原因よりも結果。創ることより「なる」が大事。ここから思うことは、日本の今の教育が与えられた問題に対してこうなったという回答を重視していること。もう一つは責任を取らない和の考えと繋がっているのだなという事。しかし、だからといって変わる事が出来ない訳ではないはず、と思う。
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養老孟司先生による「バカの壁」シリーズの最新エッセイ作。84歳になった養老先生が日々過ごしていく上で起こる出来事や、家族、2020年に亡くなった愛猫の「まる」を通して、生きる価値はどこにあるのかという人間論が語られる。コロナ禍のソーシャルディスタンスがもたらす心の壁や、AIについての独自解釈もあって面白い。内容については、哲学的要素が濃いので分かり辛い部分もあるかなと。
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立花隆の知の旅は終わらないを読み終わったら
読むために購入。
まいにち養老先生、ときどき…
まるを思い出す
の番組のファンなので、番組でも紹介されていた本書を購読しない手はない。
月刊新潮で先行して読んでいたのと、番組でまるの状況を知っていたのとで、事前にある程度の内容は予測できていたけど、養老孟司ファンとしては、購読すべき。
最後の一行で、まだまだ新作が期待できるので、自作も鶴首して待っています。
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長距離移動時に往復で読了。
気軽に読めて、知的で色々と考えさせてくれる本。
コロナ、五輪、入院、自殺、日本、中国、そして猫のまる等ついて思う事を綴っています。
特に最近(昔からか)養老先生は対人の仕事をするより、対物の仕事をすることを薦めておられるのですが、中々現実には難しい(自分もずっと虫取りしたい)。確かに対人ばかりの仕事は、神経がすり減るでしょう。
第5章『自殺する人とどう接するか』
については養老先生の実体験に基いた、一つの解決方法が書かれています。
お時間のある方はお薦めします。
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心筋梗塞で入院され、1937年(昭和12年)生まれで85歳になられる養老先生。壁シリーズは、買ってほとんど読みました。4人生とはそんなもの と 7コロナ下の日常 が個人的には良い内容でした...
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「人生そのものが不要不急」という考え方が好きです。コロナ禍前まで、普通にやってきたことは何だったんだと思います。満員電車も人によっては結果として、不要不急かもしれません。
また著者の養老孟司さんの年齢も考えれば、死というものを意識するかもしれませんが、年齢に限らず、「夜には死ぬという前提で毎日を始める」ことも必要かなと感じました。
猫のまるのことなど、本人は興味がないと言っている政治や経済の話題まで、本当に守備範囲が広い人だと思いました。
まるの死の様に、死というものは当然のことかもしれないけど、やっぱり身近な人や生き物が亡くなるのは、辛いですよね。
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これまで合理化、効率化、経済の象徴としての「都市」で生きようとしてきましたが、この本を読み終えて「都市」以外で生きる道も模索する必要があると考えさせられました。
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「人間関係で社会的に適切な距離を上手にとることができない」という養老先生の、虫への愛情とまるが亡くなった悲しみがひしひしと伝わってくる本でした。これからも先生の言いたいことをずっと書き続けて欲しいです。