しでかしてしまった人もいれば……。
2022/12/19 15:01
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投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
一般男性に人生に関して語ってもらった一冊。何者にもなれない苦しみや妻に対して暴力を振るってしまった後悔、女性に対する不信感やひとり親で娘を育てる毎日などを赤裸々に語る。
男性優位の社会であっても男性の中に色々な個性の人や、難しい事情を抱える人も当然いる。読んでみて、男性だって生きづらいと共感する例もあれば、それはちょっと違うんじゃないの? と感じる人の話もあり。
一言で世の中は済ませられない。
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【年代を問わず、生きづらいと感じている男性に読んでほしい】
以前、西井開さんが書いた『「非モテ」からはじめる男性学」を読んだときに、本書の著者清田隆之さんの著書が引かれており、興味をもった。
マジョリティ男性の語りに耳を傾けてみることで、「一般男性」の存在、実像、内実を考えていこうというのが、本書のテーマだと感じた。
読んでみて、「自己開示」って何のかなって考えた。
本書の中に、心療内科に通う男性の話が出てくる。そこで彼は「意識的に自分語りをすることの大切さ」を語る。
この話は、僕の中でもストンと落ちた。
小説や映画では登場人物が、赤裸々に自分の生い立ちや悩みを打ち明ける場面がある。そんな場面に、目が奪われる。
なんでもいいのかな?
自分の思っていることを、そのまま、思いのままに話すことが「自己開示」になるのかな。
それを受け止めてくれる人って、果たして自分の身近にいるのだろうか?
きっと僕も「一般男性」の一人だろう。
本書に出てくる10人の一般男性とは、まったくと言っていいほど似つかわしくない人生を歩んできているが、自己の言語化に、これからはもう少し真剣に向き合ってみようと思った。
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勝つこと/役に立つこと/優位に立つこと/うまくいくことの快感と、それを達成できないことへの恐怖。わたしのなかにある“男性性”が抉り出される気分で読んでいた。
自分が捨ててきたもしくは捨てたいと思っている“それ”に向き合い、言語化していくことでしか楽になれないのだと。
ジェンダーに関する話においては「権利」や「安全」の担保の話としてのみ捉えてしまっていた最近。それだけじゃないよなと思い直す。
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ここまでの感情をしっかり言語化して、受け止めていくのにどれほどの勇気、心をすり減らしたのだろう。
同じように感じる部分もあり、かなりグサグサ刺されながら読み進めた。
何者でもない自分は、マジョリティだからこそ、何も無い、普通の人間なのである。
マジョリティであることをしっかり受け止め、感情を言語化していきたい
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はじめに――「男の考えていることはよくわからない」のか?
順調なサラリーマン生活と「無能」がバレる恐怖と自傷的な自慰行
コミュニケーションが苦手で低身長劣等感と権力欲から逃れらずに
一発逆転の作家デビューを目指す
「スペックのかけ算では負けない」 東大生の僕が経験した挫折と恋愛と処女信仰
売れっ子芸人を目指してM-1に出場 おもしろい男になりたい!
顔もキャラも「普通」だけど
EDに悩みながらマッチングアプリで会った複数の女の子と同時並行でセックスしています
「告白したい」「認められたい」「ついオナニーをしてしまう」 年上女性上司への倒錯した感情
不妊治療で悩んでいる妻の気持ちをちゃんと受け止めたい でも、このままでは自分が潰れてしまう
妻に暴力を振るって 一番大切にしなければいけない人を
自分自身の手で苦しめてしまった
離婚して父子家庭だけど子供との時間を大切にして 「人並みの家庭」を目指しています
賢い男だと思われたくて 借り物の言葉でマウンティングをしていた僕が「自分の言葉」を獲得するまで
おわりにーー「感情の言語化」と「弱さの開示」の先にあるもの
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10人の「一般男性」の人生や内面についての「自分語り」を集成。「男性性」というテーマが通底している。
「ちょっと「男性性」という視点での解釈が先走っていて、これは本当に男性特有の話なのだろうかと思うところもあったが、「男性性」について考えるよいとっかかりとなる本だと思う。
「男性性」というテーマはさておいても、ほぼ同世代の10人の語りはそれぞれ興味深いものだった。他山の石というか、自分を見つめ直す糧となった。
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清田さんの最新刊、一般男性10人の自分語りを収録。
正直言って、全然共感できない語りばかりで気分悪くなってしまいました笑。常々男性の不可解行動に悩まされてきたけど、本人の口から解説されても、
なるほどわからん、っていうのが分かった、笑
出てくる人みんな、悩みや失敗を語ってても、根底に「自分大好き&自分は一番」っていう謎の自信が透けて見えて、それが気持ち悪い原因だなと。
いや、自分語りなんだからある程度しょうがないのはわかってる。でもあまりにも他者が軽視されてるっていう印象が、どの語りからもするのが不思議よね。彼女や妻や上司や友達の話が出てきても、なんか薄っぺらいんですよ描写が。
デフォルト設計で、自分と比べて上か下か、みたいな捉え方しかできない悲しい生き物なんだなーっていう感じがしました(言い方ひどい)。
でも何人かはそういうマジョリティ男性の視点に気づいて、修正測ってる感じもあって、それはよかったなと思います。まぁあえてそういう人を選んだんだろうけど。。。
一般男性はこの本読んだらどう感じるんだろう、それは気になるなぁ。みなさんぜひトライしていただきたいです。
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すーごく難しいというか、書きにくい話をこういう風に書ける人、少ない。男もつらいけど、女もつらいのよ、という大貫妙子の歌を頭の中でならしながら読む。
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「一般男性」へのインタビュー取材を通して男性性(男らしさ)の正体を解き明かそうとした一冊。もちろんトキシック・マスキュリニティ、ホモソーシャル、マチズモといったテーマは決して平易な問題ではないため本書で気持ちいい一発回答を得られるわけではない。それでも多種多様な人選の自分史を読む中で正直全く共感・理解できない人もいれば「ここは自分と重なるな」という人もいる。あなたの抱えるモヤモヤを、同じ悩みを抱える他の誰かが上手く言語化してくれているかもしれない。本書を読んで少し救われる人はきっと多いはず。
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タイトルの「一般男性の話」にひかれて手に取りましたが、目次の最後に小さく
「発言の一部に暴力的、性差別的な表現があるため、フラッシュバックなどの可能性がある方はくれぐれもお気をつけ下さい。」
とあったので、少し構えつつ読みました。
フラッシュバックこそなかったものの、パートによっては読み終わって気持ち悪さというか、怒りとも嘆きともつかない何とも言い難いザラッとした嫌な気持ちになりました。
一見、これまでの行いを省みてこの先の軌道修正をはかろうとしているようにとれるインタビューも「これ、根本的にはそう思ってないんじゃない?」と行間から勝手に感じてしまったりしたのは、私がどこか穿った姿勢で読んでいたからなのか、はたまたそうではないのか…。
毎回清田さんの感想が最後にあり、そこで都度モヤモヤを整理しながら読み進めていった感じです。
「男性は集団内でのポジションを重視する、女性よりもその傾向が強いと感じる」と評した部分と「human being と human doing」の話が印象に残りました。
読後感は決して良くないですが、普段ジェンダーについてほとんど考えてないでいるような自分が「男性性」についてちょっと真剣に考えてみるきっかけになりました。
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前作の「さよなら俺たち」から2年、桃山商事として、女性のみならず男性の悩みにも寄り添い、10人の男性の生き方、生きづらさ、悩み、性癖などを紹介し、正論はかざさず、答えは読者に委ねる著者の優しさが染みる。本書の紹介される男性たちは、医療専門職から見れば、アダルトチルドレン、愛着障害、セックス依存、DVなど、様々な症状となるのかもしれない。事実、自ら医療専門職にアクセスしたことで自己認知つながった男性も紹介される。なかなか自分の悩みを言語化して自認することが難しい男性の一方で、「素直な言語化は気持ちいい」と表現できる男性も。男性として下駄を履かされて生きてきた男性性をふり返り、多様な生き方を模索するきっかけの書としてはどうだろうか。
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「男たちってバカだなあ」と男である私に思わせたという意味で優れた本だ。それこそ宮台真司が社会学を駆使して「まったり革命」を唱えたりしていた時代から「男たち」の生きづらさ(と、表裏一体を成す愛すべきおバカさ)は変わっていない。が、その処方箋として闇雲に「男らしさから降りる」ことを薦めるのも無責任ではないかと思っていた時に読んだのでなかなか刺激的だった。「彼ら」がラクになるきっかけとして、自分の行いや自分自身への「DV」や「発達障害」といったラベルがストンと腑に落ちたことが語られている。重要な視点かもしれない
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まずとても読みやすい。これは何気に素晴らしい
内容は刺さり刺さって読み終えた時点で満身創痍
なのに不思議と晴れやかな気分も感じている
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10人の男性のインタビュー。
モヤモヤした気持ちが言語化されていてわかりやすかった。
気持ち悪いなと思うインタビューもあったが、それぞれのインタビューの最後にある清田さんの感想が解説のようで、何で気持ち悪いと思うか、その正体は何なのかがわかってよかった。
一番最後の男性の自分はつまらない奴だと思われたくなくてサブカルで武装してしまう話、それが過剰になって「上から目線」「マウンティングされている感じがして気分が悪い」と言われてしまうところは読んでいて他人事ではない気がしてぐさぐさきた。
他者の言葉を自分の意見のように発言してすごい奴みたいに振る舞ってしまう気持ちはわかる。
インタビューを受けた男性は自分の意見を言うようになってから生きやすくなったと言っていた。
それに伴いアイデンティティのように思っていたサブカルや社会問題への関心が薄まってきたとのこと。
サブカルとの距離感って難しいよなと思った。
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桃山商事、懐かしい~!という思いで読み始めたのだけど、なかなか斬新な切り口・題材だったので読み終わったときは何とも言えない気持ちになった。
男性が、今までの人生やターニングポイント(よいものも悪いものも)となったエピソードを話していくもの。