- 販売開始日: 2021/12/17
- 出版社: 平凡社
- ISBN:978-4-582-28746-2
ぼおるぺん古事記 一
著者 こうの史代 著
人気漫画家・こうの史代が原文(書き下し文)を生かしながら、物語を「絵」で読み解いていく、まったく新しい古事記本!第1巻は天地創生、国生み、黄泉の国、天の岩戸、ヤマタノオロ...
ぼおるぺん古事記 一
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商品説明
人気漫画家・こうの史代が原文(書き下し文)を生かしながら、物語を「絵」で読み解いていく、まったく新しい古事記本!第1巻は天地創生、国生み、黄泉の国、天の岩戸、ヤマタノオロチのエピソードなど、盛りだくさんの11話。イザナキ、イザナミ、アマテラス、スサノオなど有名な神様も続々登場!
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漫画で楽しくしただけでなく、作者ならではの時間&空間解釈あり、詩情ありで素敵。『古事記』編纂1300年を盛り上げる脳と手の超絶的な働き。
2012/10/23 17:49
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:中村びわ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「恐れ入谷の鬼子母神」――よくぞ、こんなとんでもない漫画が描けるものだ。
ことし編纂1300年に当たる『古事記』――ほんとは、全国のホテルの部屋に『古事記』無償配布を敢行中の竹田恒泰氏の講義を聴きに行きたいところだが、いつも仕事とかち合っていけない。
そこで、『古事記』をボールペンで描いたという、それも『この世界の片隅に』『夕凪の街 桜の国』など、テーマが骨太の社会派作品で高く評価されたこうの史代さんの作品があるということに大きな期待を寄せた。その期待に応えて余りある、いや、余りありまくりの魅力的な漫画であった。
手に取れば、カバーと帯の紙の質感やら、金の箔押しのタイトルやら、惹起文句の文字組やらの凝り方に「装丁萌え」できる造本。
そして、第一巻の、本文に入る前の「前付」からほとばしるボールペンへの愛のキュートさに、いきなり、心をもっていかれてしまう。
先っちょにボールがついているからボールペン。そのペン先の玉と、国生みを支えた玉つき矛の縁を感じながら、画家はひたすら手を動かした。
漫画の背景には、よく地紋が使われているが、それはたいていスクリーントーンと言われる模様の入ったシールのような画材である。この漫画では、それは一切使われていない。背景の模様はすべて、手描き手描き。
おまけに髪の毛のように黒く塗りつぶす部分も、がーっと筆やペンで塗りつぶされることなく、丁寧に線が塗り重ねられている。
前付として閉じられた数葉には、びっしりと『古事記』原文の漢文が写されている。「陽」の気が漂ってくるような、乱れない愛くるしい文字だ。これからこの文章を心して絵に起こしていくという「みそぎ」の儀式のようにも取れる。
聖書でも神話でも、この世の始まりは退屈な記述が多く、聞きなれない神々や聖人の名が多いのに辟易させられる。ここを通り抜けなきゃ物語は始まらないと我慢強く読み進めていても、たいてい、その長い前置きにうんざりとして本を放置してしまうことになる。
この漫画では、聞きなれない神々の名は囲みに入れられ、読みやすくなるよう工夫されている。そして、神々は、時にしゃれっぽい姿で登場し、それぞれの個性を際立たせる印象的なキャラクターに造形されている。現代の風物や身の回り品を使い、楽しげに描かれている神もあり、意外性に刺激を与えられ退屈させられない。
「漫画だから楽しく」というだけではなく、素晴らしいのはメリハリがきいていることだ。
神話ならではの聖なる部分、劇的な展開の部分に作者ならではの「時間の解釈」「空間の解釈」がされ、詩的に場面が見せられるところがあって、それが『ぼおるぺん古事記』独特の感動をもたらす。
その詩情は、どこか『ガロ』のつげ義春、勝又進らに通じている。
だいたい、混沌としたこの世の始まりの最初の部分からして、細かな線だけで描き上げてしまっているのだ。
「五穀の種の誕生」場面のふうわりとした絵、八俣のおろちに飲ませる酒桶のユニークな配置など、ただの漢字の連なりの文章から、どれだけのイメージの羽ばたかせがあって着想を得て、絵に熟成させたのか、画家の脳内宇宙、小さな紙上の宇宙に敬意が尽きない。
読みやすさに配慮された目次のあらすじ、各ページの下部に小難しくなくレイアウトされた註や、作者なりの解釈・見解などにも有難い思いでいっぱいになった。
なかなか手の出ない古典を、こんなに工夫いっぱいで届けてくれて、本当に有難うございました。
絵の力でとても分かり易く可愛い古事記マンガ
2017/01/17 20:23
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:M77 - この投稿者のレビュー一覧を見る
文字は読み下し文だが、絵の力でとても分かり易く楽しい可愛い、古事記マンガ。
アマテラスが真ん丸な顔でうつむいたところが特に可愛い。
巻頭の原文ページだけちょっと変わった綴じ方になっていたり、途中にカラーページが挿入されていたりと、つくりも贅沢な本。
震災の年の五月より始まった連載で、打ち合わせは混乱の最中であったと思われるが、まんが古事記として、原作(歴史的に見て絶対の原本などないと思うが)にそって絵解きしていく。
2024/02/11 17:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:L療法 - この投稿者のレビュー一覧を見る
神々の名前は振り仮名付きですが、当時(編纂時?)の発音はともかく、今となっては語呂が悪く、記憶に留めるのは主要キャラのみ。
キャラクターというのは、神に似たものでしょう。
抜群に漫画がうまい、こうの先生は、動きに乏しい場面も巧みに読ませます。
八岐大蛇退治あたりまでで、この巻終わり。