『メタバースとは何か』
2022/06/25 19:56
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投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
次のキラーサービス「メタバース」
覇権を握った企業は次の10年を統べることになると予想される
・メタバースとは何か、何ができるのか
・なぜメタバースなのか
・GAFAMの動向は
「リアルで生きるのが苦手」「仮想現実に救われている」という研究者がメタバースを解説、その可能性をさぐる
〈SNSは友だちとつながるサービスではなく、合わない人を切り捨てるサービス〉
〈メタバースが平等というのは幻想〉
と喝破したのは慧眼
キーワードは“フィルターバブル”にあり
《これからの社会を生きる人々にとって必読の入門書だろう。》──「神奈川新聞」書評(2022.2.27)
著者は富士総研勤務、関東学院大学準教授を経て中央大学国際情報学部教授
メタバースのみでなく、世の中のあり方まで広く考えさせてくれる
2022/03/13 09:43
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投稿者:UMA1001 - この投稿者のレビュー一覧を見る
・社会のどこかに正解があって、それに対する回答が間違っていたのではなく、社会のどこにも正解はなく、自分なりの正解を作ってもいい、作らねばならないはずなのに、その正解が否定されるのが今の世の中。争いから降りることは即自分の生き方の否定となる。
・SNSは友達と繋がるサービスではなく、合わない人を切り捨てるサービス
・技術の目的は、人ができないこと、苦手なことのサポート
いま注目の「メタバース」について「とりま」「ざっくり」分かる本
2022/01/13 03:21
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:コピーマスター - この投稿者のレビュー一覧を見る
職業がらメタバースは至急押さえておかないといけないため連休中に読もうと電子版を購入した(なんと紙の本が後のようだ)。本日読了。あくまで今までの流れを振り返った話が中心であるものの疑似現実ともう一つの世界、ARとVR、GAFA(そろそろ言わなくなるだろうか)各社の方向性の違いなど、著者なりの分析も交えてまとめられていてちょうど良かった。全体の構成も良いと思う。著者は情報処理試験のテキストも多数出している大学教授であるらしいが、メタバースが単に「作られたブーム」ではなく根深い社会背景があっての必然的要請であることが、ふだんから若者と人一倍接している立場から語られており説得力を感じた。一方、著者は本書を読む限りかなり重度の「オタク」であり、その思想には共感できない点も多々あり、語り口に品がない点も散見されるところがマイナスポイントである。ゆえに星4つとした。とはいえ、メタバースについて語られた新書はこれが初ではないかと思われ、これからメタバースにどう乗っかっていくか戦略を立てる上で、一通りの基礎知識がキャッチアップできる点では有意義な一冊であると思う。多少のアラには目を瞑って読まれたい。
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体系的によくわかった。メジャー企業がどうしようとしてるのかもわかった。ここに記載の内容と実際に起きることを注意深く見ておく必要がある。
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【まとめ】
メタバース…「インターネットにおける仮想世界」
VRは体験をデジタルコピーする技術だ。まだ発展の過渡期にあり、未熟な技術であるため、「VRで握手したから、もう本物のアイドルのイベントには行かなくていいや」とか「VRで見たので、旅行はやめよう」とはなっていない。 しかし、5年後、10年後にVRでの体験の価値が、現実でのそれを上回る可能性は十分にある。現在、VR体験は視覚と聴覚に偏っているが、視覚情報の大幅な進歩に加えて、触覚や嗅覚、味覚まで加えた体験が研究されている。
であれば、VRの次はAR(Augmented Reality:拡張現実)だと話が広がっていくのも理解できる。現実を模倣するのであれば、何もないところから疑似現実を立ち上げるのではなく、現実と仮想を混ぜてしまえばよい。作り手としてはより効率的に疑似現実を作ることができ、受け手としてはより現実と地続きの形でその疑似現実を消費することができる。
体験をデジタル化する技術には、もう一つの別の潮流がある。 冒頭で述べた「ソードアート・オンライン」や「レディ・プレイヤー1」がそうだ。現実に似せる(疑似現実)のではなく、現実とは違うもう一つの別の世界を作ろうという方向性である。
単なる体験の枠を超えて、生活の大部分を「そっちの世界」へ移してしまいたいという構想。まさに、現実とは違うもう一つの世界である。「現実とは少し異なる理で作られ、自分にとって都合がいい快適な世界」――本書ではこれをメタバースと呼ぶ。
メタバースは仮想現実なので、現実ばなれ(リアルばなれ)した「都合のいい世界」を作ることができる。私はこれがメタバースの本質だろうと考える。メタバースの定義を議論するときに、VRか否か、アバターのあるなしなどがよく俎上に載るが、これらは「都合のいい世界」を作るための要素技術だ。
SNSはフィルタリングにフィルタリングを重ね、慎重に設計されたグループの中に利用者を囲い込むサービスだ。同じ価値観の人間のみからなる世界は快適なため、つい長い時間を過ごしてしまう。
SNSがもっと人に使われるサービスになるためには、もっと世界として完成され、ほとんどの時間をSNS内で過ごせるようになる必要がある。生理的な欲求の部分は最後まで現実世界に残り続けるだろうが、それ以外はすべて「そこ」にいられるようなサービスには巨大なビジネスチャンスがある。
そしてこの分野に、日本ならではの成功の形があると思うのだ。 メタバースは現実の模倣ではない。辛くてつまらない現実から、いいところだけを抜き出した、もう一つの世界である。それはこれまで欧米が主導してきた疑似現実とは位相が異なる。Virtual Realityを仮想現実と訳しなじんだ日本だからこそ、作れるメタバースがあるはずだ。
ゲーム内でのアイテム販売、コンサートの実施、イベントなど、フォートナイトは未熟ながらも、本書の定義での「もう一つの世界:メタバース」として機能し始めている。リアルの代替物や下位互換品ではなく、リアルではできないこと、リアル以上に楽しいことを提供し、「自分が活躍できる、楽しめるもう一つの場所」として機能し始めている。
メタバースの目的地は「リアルを超えてもう少し居心地のいい場所」にある。まだ遠い目標だが、ここ数年で各企業は「さほど長くない期間で実現可能」と踏んだのだ。
もしも多くの人が体感している通り、リアルの政治や社会が機能不全を起こし、格差が拡大・固定化され、個人主義の浸透が各種の配慮の必要性を生むことでコミュニケーションコストを高騰させ、逆に個人が生きづらい世の中が到来しているのであれば、リアルなどという最初から持てる者だけが勝つことを約束されたゲームから降りて、仮想現実で生きていくのはあり得る選択肢である。
●メタバース普及の背景
・ゲームの発展と合わせた演算速度、描画機能、解像度の向上、インターフェイスのリアル化
・リアルでなくても構わないという人が増えた
・リモートの一般化
●大手企業のメタバースの導入
メタバースはインターネットの代わりではないが、ウェブやSNSの代わりにはなり得る。2000年代、インターネットの情報流通のほとんどはウェブでなされ、そこで王者として君臨していたのはグーグルだった。何かが流通するとき、その全体を俯瞰し、管理する立場にある者や企業は大きな利潤を得る。そう考えるならば、ウェブでうまくやったグーグルも、SNSで名を成したフェイスブックも、情報流通の端末をブランド化することに成功したアップルも、メタバースの商機を見逃すことはできない。
・Facebook
社名をMetaに変更。メタバースへの参入にもっとも意欲的。
フェイスブックはGAFAMの中では最も他社サービスに依存している企業だ。それゆえ、どんな外圧や新規勢力の台頭にも揺らがない、確固たるプラットフォームが欲しいのである。彼らはメタバースにそれを見いだしたように読める。メタバースにxRを不可欠なものと位置づけて、今までフェイスブックの弱みであったリアルと強くリンクする製品を売って自社の代替不可能性を底上げしつつ、メタバースの覇権を狙う。GAFAMの中で最もメタバースを渇望するポジションにいることもあり、ここ数年はメタバースの実装をリードする立場に立つだろう。
・Google
グーグルも自分のビジネスをメタバースに移行したい理由を持つ企業である。
彼らの主要な収入源は、広告である。広告収入が100%近くを占めるフェイスブックに比べればバランスはよいものの、それでも7割を広告に頼っている。フラットなインターネットが終焉を迎えつつあり、コミュニケーション上のフリクションを嫌った利用者がますますフィルターバブルの中に深く閉じこもるようになると、フラットなインターネットの覇者であるグーグルには面白いことばかりではない。グーグルはメタバースもミラーワールドも選べる位置にいるので選択肢は広いが、リアルビジネスにも深く食い込んでいる企業でもあるため、そのメリットを引き出しつつメタバースの果実ももぎ取りたい。 したがって、それはメタバースよりは、リアルに寄ったAR、つまりミラーワールドを志向するだろう。
そのため、GoogleはGoogleグラスというスマートグラスを開発しており、リアルの風景に情報を重ねて表示するAR機能を搭載している。
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書籍タイトル通り、メタバースって何かわからない人(私)向け。私の年齢だと、メタバースの恩恵を受ける頃には、あの世にいるかもしれないが、メタバースで生かされてるかもしれない(笑)。
読み終わって、メタバースの世界も悪くないと感じた。というのも、個人的に、リアル世界も色んな分野で、行き詰まりを見せていると思うから。環境問題、人種問題、格差問題など、リアルでは解決できないことが山積み。
だったら、メタバースで理想に近い世界が作れるかもしれない。例えば、自分は男に生まれてきたけど心は女性で生きづらければ、メタバースで女性のアバターを使えばいい。住む場所もメタバースなら関係なく、実際に行けないところも瞬時に行けるだろう。高齢者や障害者も自由に不都合なく活動できる。
でも人間であることには変わらないし、メタバースの世界でも、人間の本質は変わらないだろうから、結局は最後に「リアルな」問題で悩むことになりそうだ。
メタバースって何かを知るのも面白かったが、自分だったらどう感じるだろう?人間って、幸福って何だろう?と改めて考えさせられる一冊でした。
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メタバースとそれを取り巻くwebの現状の、超初心者向け入門と、著者岡嶋先生のVR愛の本。
おそらく、既にそこそこ知識のある人には物足りない内容。
でも「メタバースって何?」って人であれば読んだら明日から語れます。
かなりわかりやすく綴られてます。読んですぐ頭に入るような面白い比喩が多い。
また、岡嶋先生が熱い…!
SNSやネットの現状について、誰もが少し不安に思っている部分を言語化しつつ、だからこそVRに新しい希望を持ってもいいんじゃないか、という、エッセイ的な部分も多いので、そこでぐいぐい読めちゃう。
オタク系の学生さんはちょっと希望を持てるかもしれない。
結構この岡嶋先生の熱い部分が面白かったです。専門家からは賛否両論かもしれない〜。
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システム用語にアレルギーがあるが、メタバースについて興味がある方にお勧めの一冊です。
多少偏った部分はありますが、メタバース
(仮想空間)について平易に分かり易く説明がされて
います。
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メタバースとは何か
1.購読動機
Facebookの社名変更があり、彼らが執着する「メタバース」の世界に関心が向かったからです。
2.メタバースとは何か
その昔、「セカンドライフ」なるものがありました。今もその世界は存在します。
そして、いま、ハード、ソフトそしてコンテンツを創造できる世界は確実に精緻に、相当の計算力をこなす時代となりました。
メタバースとは
①現在の世界のルールとは別のルール
②個人にとって居心地のよい
③向こう側(仮想)の世界
です。
3.SNSに興じる理由
SNSとは志向が似ている人の集まり世界です。
フィルターバブル。
ゆえに、個人にとって居心地がよい世界です。
たとえば、このブクログも、本好きのSNSととらえることもできます。
SNSは、居心地が良い世界、しかし、そこに興じる時間は、まだまだ少ないです。
それは、完成されていないからです。
4.SNSが発展すると、、、
人間の時間は24時間です。
この時間をいかにしてGAFAは支配したいのか?
その答えのひとつが「メタバース」です。
食事、排泄以外は、メタバースで暮らす、仕事する、報酬ももらえる、そんな世界です。
現実世界は、自由に責任が伴ない、降りたくなるシーンもあります。
この人間のリアルをコントロールした仮想の世界、それがメタバースです。
5.読み終えて
「知らないことは怖い。
知ることでそれはなくなる。」
著書の冒頭の言葉です。
メタバースとは何か。知ることで、楽しみ、学びが広がります。
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『メタバースとは何か ネット上の「もう一つの世界」 』(岡嶋裕史)
読了。
ちょっと偏っているかもだけど。
勉強になりました。
リアルのシミュレーションとかリアル重視な人への説得力としてはデジタルツイン、ミラーワールドがいいかもだけど、コミュニティ形成とかそういうのならリアル都市の形は取らなくて良いんだなぁと今更ながら思いました。
そして、アニメ『サマーウォーズ』はやっぱりスゲーという結論に至りました(笑)
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メタバースというホットワードに反応して買った一冊。メタバース、デジタルツイン、ミラーワールドなどの概念をよく知るためには良いと感じた。ただ筆者の偏った主観も多く、それを踏まえて読み進める必要がある。今後の展望についても意見があり、個人的には面白く読めた一冊であった。
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メタバースとはと言うことはもちろん
1.何故メタバーズが今後拡大すると思われるのかという背景が具体的に記載されていた点
2.GAFAMをはじめとしたフロントランナー達の取組が記載られていた点
の2点を学べたという点で非常に面白かった。需要があるのもわかるし、新たな可能性を秘めていることもわかる。だか、もう少し踏み込んだ部分(メタバーズの需要が何故、どこに、どのように等)を知ることで少し視野が広がった気がする。
分野によって著者の価値観が押し出されすぎている点は良いか悪いかは置いといて、これから来るであろう新領域へのベーシックな理解度を高めると言う点で、非常に参考になる本だった。
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オンライン授業は、実際の対面授業より成績が落ちているのが実情なので(授業受けながらYouTubeみてるとかやってるそう)、リモートの方が有益では現在ではなさそう。作者が言ったようなディスカッション形式とかの土壌ができればいいね
オンラインの中で生きていき死にたいを肯定する意見は、大変参考になった。
居心地のいい、都合のいいところだけを捻出したい、とうのはなるほど〜って感じ。
自由と平等の食い合わせの悪さも、分かり易い。
自由を手にするということは平等は、むしろ後退する…
あと、全然関係ない部分の話だけど、東京オリンピックの企画した人の話が大変腑に落ちた。
「あれを企画した人の何割かは今を生きている人ではない、過去の郷愁に生きている人たちだと思います」
でも、そんな人たちにこそメタバースが最適ですと締めているところは、痛快で良かった。
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メタバースとARなどの拡張現実のそもそもの違いや、GAFAMの各社がどのようにメタバースを捉えているかをざっと知ることが出来ました。
Facebookが社名をMetaと変更してまでメタバースに力を入れている理由も、これを読むと「なるほどなぁ」と納得させられました。
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最近よく話題の出るメタバース、ズバリなタイトルの本を見つけたので、読んでみた。
仮装現実の歴史を知る上でゲームを例に出しつつ話を出してくれたお陰で、イメージはしやすかったように感じた。 またGAFAMのアプローチの仕方の違いに関する著者見解は、納得感があった。
今後ますます発達する分野だが、この本を読んでいてあらためて興味を持つことができたように思う。