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投稿者:ヤマキヨ - この投稿者のレビュー一覧を見る
大河ドラマでは時々、新解釈で歴史上の人物が描かれて話題(議論)になることがあります。本書の大石内蔵助の人物造形も意表もついたもの。意外ではあるけれど、読み進むと、これこそが内蔵助の、ぶっちゃけた本音ではないかと思えてきます。
お家再興か、主君の無念を晴らす仇討か、より忠臣としての務めを果たすのはどちらか。即刻吉良の首級を挙げるべし!と息巻く下級武士たちをなだめすかして、お家最高の道を探る内蔵助がいかに仇討に舵を切るのか。その展開には筋が通っていて、人物造形は意表をついていても、ただ荒唐無稽なものではないことに感心しました。
人間臭くて等身大な内蔵助
2023/03/12 19:39
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作「あの日、松の廊下で」は浅野内匠頭や吉良上野介、内匠頭を羽交い絞めにした梶川の描き方が新鮮で面白かったので、この続編も楽しみに読み始めました。大石内蔵助の赤穂弁?に途中でちょっと飽きてしまったりはしましたが、人間臭くて等身大な内蔵助の姿に、実際もこんな感じだったのではないかと思えてきました。良い意味で時代小説っぽくなくて、読みやすいです。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
忠臣蔵のドラマとかは、テレビで数年に一回はあるので、よく見ますけど、こんな解釈の忠臣蔵は、初めて読みました。大石内蔵助がこうだとは……ねえ。人間味あるし、イインでは。
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今回は内蔵助の内面ということで物語は進んでいきます。
江戸家老からは問題ないと連絡があった勅使饗応役が、江戸城内での刃傷沙汰になってしまったことに内蔵助は頭を抱えます。
すでに戦国時代は遠く、彼がまず考えたのは家臣たちをどうするかということ。一部の過激派の内匠頭の仇討ちや城に籠城して幕府と戦うという意見をなんとか収めるのですが……。
前作に比べると、少しだけ満足感が足りないかもと思いつつ、時代を読むことができる賢い人物は次々と赤穂藩に見切りをつけて、彼の側から離れて、残るのは時世を読めない頭でっかちばかり(-"-;A ...アセアセ
彼の苦労が偲ばれます。
彼が望んだのはあくまでも赤穂藩の存続であり、仇討ちではなかったというのは納得がいきました。
討ち入りなんて、支度ないよねぇ。だって、リスクだけなんだもの。
こちらも楽しませていただきました。
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『あの日、松の廊下で』の続編。
赤穂藩筆頭家老・大石内蔵助。彼の人生は主君が起こした“松之大廊下刃傷事件”によって、暗転してしまいます。
籠城だ仇討ちだとエキサイトする藩士たちをなだめ、内蔵助は「藩士たちは死なせない!」とお家再興に向けて奔走しますが・・。
大石内蔵助のリアルな心情と共に、物語は展開します。
先のことを考えず勢いだけで“仇討ちすべし!”と死に急ぐ藩士たちにうんざりしつつも、他の家老たちのようにちゃっちゃと退散もできない内蔵助の苦悩が手に取るように伝わってきます。
内蔵助は自分を筆頭家老の仮面をかぶって無理をしている凡人と、低めの自己評価していますが、このように自分を客観視できていますし、冷静に状況を見れる人だと思います。
お家再興が絶望的になった時に、公儀への怒りからブチ切れモードで仇討ちを決意してしまいますが、その仇討ちへ向けての準備もテキパキこなしてしまう(しかも、ちょっとウキウキしている)自分に戸惑う姿が笑えます。
内蔵助は“茶番”と思っていた討ち入りですが、後世まで語り継がれるような事件として、ガッツリ“爪痕”を残したということで・・とりま、お疲れ様でした。
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脳筋か利己主義の部下に振り回されて支店廃合(浅野家取り潰し)を撤回させようと泣く泣く奮闘する副店長(筆頭家老)内蔵助のお話。
本社(幕府)から無視されてブチキレ支店長(殿)がクビになる原因になった本社管理職(吉良)をクビにしたる社長にも嫌がらせしたるわと画策する感じの忠臣蔵。
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「あの日松の廊下で」も最高に面白かったが、その続編的物語。
ほんとに内蔵助の心情が痛いほど分かる。
これは是非「あの日松の廊下で」とセットで読むべき。
忠臣蔵の見方が変わるかも?
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とても読みやすくて面白かったです。忠臣蔵ってよく耳にしつつも、細かいことはあまり知らずにいましたが、理解が深まった気がします。そして、内蔵助の心情も身近に感じられるように描かれているように思います。人間臭い一面を感じ、より忠臣蔵を魅力的に感じられました。
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#読了 「あの日、松の廊下で」の続編。こちらも期待に違わず面白かった!浅野家筆頭家老に生まれてしまっただけの凡夫、というのが内蔵助の自己評価なんだろうけど、筆頭家老らしく、武家の女の鑑のような妻が思う夫を演じているうちに、その通りの人になっているのだからすごいよね。
浅野家を再興しようとする内蔵助の孤軍奮闘ぶりと、討ち入りじゃー!と沸き立つ武士たちの猪武者ぶりに、内蔵助と一緒に私も頭を抱えたくなる。結局討ち入りという結果になって内蔵助も切腹しちゃうっていうのを知っているから、内蔵助の努力が報われないのがわかってもどかしい。
あまり興味のなかった赤穂浪士の討ち入り、この二冊のおかげでもう少し深く調べてみようという意欲がわいた。
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『あの日、松の廊下で』の続編で、テイストは前作と同じくおもしろ忠臣蔵(と行って良いものかどうか)。明るいだけにラストは涙してしまう。
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人間・大石内蔵助の葛藤が興味深い。内蔵助の関西弁の呟きで明るく読み進められた。
皆を生き延びさせようと頑張る内蔵助も、意地でも美しく散ろうとした内蔵助も、最後まで筆頭家老としての立場で頑張った。
歴史の表面でしか知らないことの中にも、人間は生きていた。当たり前だけどあまり考えてなかったわ。
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前作同様、ドラマとは違う実に人間らしい大石内蔵助の葛藤が描かれている。筆頭家老を演じた内蔵助、赤穂浪士を助けたい内蔵助、お家再興を諦め討ち入りに向かっていく内蔵助、討ち入り後も世間の同情を引いて助命される道を探る内蔵助。悩んでメンタルぼろぼろになって女性と酒に溺れて、お上にキレて復讐する道へ。こんな大石内蔵助もアリだな。ただ前作の方が面白かったかなあ。
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筆頭家老としての立場と、ホントの自分との狭間で悩み苦しむ内蔵助。限界が来て感情を爆発させ啖呵を切るシーンは爽快。
怒りのままに討ち入りを実行に移した。ただ怒りの矛先は吉良上野介ではなく、もっと大きな相手であった。
相手を悩まし苦しめてやろうという発想も少し子供じみて感じたが、それでも最後までその思いを貫き通し、この作品の内蔵助を好きになった。
清廉潔白で武士の忠義を果たした、というのが刷り込まれていたが、今作では実に人間臭くアレンジされ、神がかった人物でなく普通の人間であったと近くに感じれた。
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昼行燈と呼ばれていた大石内蔵助。主君が刃傷事件を起こしたばかりに、そうも言っていられなくなり。
いやあ、前作と同じく、こんなことがあったんでは!?と思わせる面白さ。
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『あの日松の廊下で』が面白かったので手に取りました。何度もドラマ化され、その度に色々な発見、面白さを感じる忠臣蔵。内蔵助さんの胸の内とそれを見て、気持ちを感じ取る周囲の人たちが感じているであろう食い違いを描いている点も面白かったので点です。