今の時代への切実な警鐘
2022/02/20 11:46
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今の時代に非常にタイムリーな内容の一書です。
『人それぞれ』とは巷間でよく使われる言葉でありよく聞く言葉です。現代は個人主義・個人の尊重が取り沙汰され、肯定的に捉えられている風潮があり、ある程度は寧ろ好ましいと思いますが、一方で猫も杓子も『人それぞれ』は、ちょっと行き過ぎに感じます。
本書ではこの『人それぞれ』の例を数多く紹介し、個々に洞察しています。絶対的に否定は出来ないものの、その弊害を的確に説諭してあり、共感を覚えます。
世知辛い時代趨勢において、他人との距離感や考え方の受け入れについて、しっかりと考えさせてくれる良書でした。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
良かったです。人はそれぞれとは思っていてもなかなか……。でも、それを肯定して、なおかつ、こんなふうに解説してもらうと嬉しくなりました。頑張っていこうという前向きにもなれたし。
人間関係を歴史で見る内容です
2022/02/08 16:46
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間関係について、今と昔ではどう違ったかなど、歴史を用いて見てみる内容です。
人間というものの心理的脆さについて、大学院教授の著者が的確に示した1冊です。
違う視点の大切さ
2022/08/29 11:05
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投稿者:ヒグラシカナ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「人それぞれ」はずっと、良い意味で使っていた。
少なくとも自分は相手を、個を尊重する意味でした。
でも、そうではない視点や考え方に触れて、もう一度
「人それぞれ」を考えようと思いました。
自分と異なる視点を知ることは、とても大切です。
読めて良かったです。
人それぞれを多用する自分に新しい発見
2022/03/25 17:34
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投稿者:モアイ - この投稿者のレビュー一覧を見る
あ〜面白かった。僕も会話でよく、まぁ人それぞれだよねって使う。使うというか、世の中的にその言葉を使わされている感じはずっとしてたから、題名を読んだ途端欲しい!と思った。何か解決策を考える時に、まぁ人それぞれだからって言いがちだけど、そういう自分にも新しい考えを得れることができた本。日本人はディスカッションが苦手って言われるのも、集団的気質?のせいなのかな。
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みなさん、前回のレビューをご覧いただけただろうか。
(この切り口、気に入っている)
ご覧いただいていない方のために、再度振り返ってみよう(しつこい)。
naonaonao16g、様々な顔回りの異変から親知らず(下)があったことが判明しました。
無事手術(骨を削ったのでこの言い方を選んでいる)を終え、術後も良好とのこと。
しかしである。
また耳が痛みだしたのである。歯医者さんも耳鼻科も原因不明、ということで大病院で検査。結果、CT・MRIともに耳にも脳にも異常はなし(よかった!)。
とのことでいよいよ耳の痛みに関しては原因不明なのだけれども、フェスに参加して(いや、BUMPに会って、と言い換えてもいいだろう)以降痛みが引いてきた…(!)
この、時間が経ってよくなる感じはやはり親知らずが原因のようにも思えるし、フェスに行ってよくなったとするとストレスとも考えられる…
親知らず(下)を抜いたことのある方で、骨とか削ったことある方っていますか?
その場合、二週間以上経っても痛みが残ってて大丈夫なもんでしょうか?誰か教えてください(泣)
また自分の話が長くなってしまったけれど、ここからは作品のレビュー。
ずっと気になってた作品で、よほど気になってたのか、本棚に同じ作品が2冊。やっちまってる…
「人それぞれ」であるとか「一人を楽しむ」「一人旅」「おひとりさま」「孤独はいいこと」と言われるようになり、一人で生きていくことも多様な生き方の一つ、という現代社会。
著者の石田さんは、しかしそんな現代社会はP33「対立を回避するために、他者に対する批判や意見を憚り、気を遣い合うことに重きを置いている社会に見え」ると話す。ではなぜそんなことになってしまったのか。
それは、人や集団との関係を、自分で選べる社会になったからだ。その繋がりを「心地いい」と感じれば関係を継続するし、「居心地が悪い」と感じれば関係を切ればいい。人との繋がりが地縁ベースから感情ベースになったことで、繋がっていたい関係があった場合には「心地いい」を継続しなくちゃいけない。
でも、人と人とのコミュニケーションて常に「心地いい」わけじゃない。だからこそわたしたちは、相手に気を遣って、対立を避けて、言いたいことも言えずに、「人それぞれだしな」と、落とし込んでいる。ポイズンである。
この「人それぞれ」という言葉。P50「この言葉は、一度発せられると、互いに踏み込んでよい領域を区切ってしまいます。それに加え、それぞれが選択したことの結果を、自己責任に回収させる性質もあります」。
自己責任。この言葉は、「多様性」が産んだ負の遺産のように思う。
この言葉は「その道を選択せざるを得なかった人」にとっては呪いの言葉でしかない。でも難しいのは、ある場面においては、「自分で向き合わないといけないこと」もあるということだ。
ここで面白く且つ納得のいく調査結果を一つ。
P53「若い人たちは、『友達といるより一人が落ち着く』にも関わらず、『友達と連絡をとっていないと不安』と考え��いるわけです」。
若い子にとって、SNSが安心できる場所になるのも納得。繋がっている感じがするもんね。
P91「私たちは、『人それぞれ』と言いながらも、心のどこかで『望ましい結果』は共有しています。また、社会は序列に溢れており、人々の決定にはさまざまな要素が影響しています。このような社会で『人それぞれ』に選んだ結果は、けっして、平等にはなりません。にもかかわらず、私たちは、様々な決定に対して『人それぞれ』に選んだものと処理し、あまり関与しょうとしません」。
じゃあ一体どうすればいいんでしょう?
その答えが具体的に描かれているのかどうかはさておき、詳細は本作を読んでいただければ…
この作品、他にもハラスメントや迷惑だと感じる人へのセンサーの話にも触れていて、親しみやすく読みやすいものでした。
※この部分はまさに、「人それぞれ」なのにも関わらず、相手を攻撃してこき下ろそうとする「異質性の排除」が行われているので「人それぞれ」が成り立ってない部分に該当する※
わたしの職場は特に、いろんな子がいて、それをまさに「人それぞれ」で「それでいーじゃん✌」としているのだけれど、やはり「選択してここに来た子」と「ここに来ざるを得なかった子」がいるわけで。そこをきちんと事情も知らずに一緒くたにして「自分のことは自分でやりなさい」っていうのも変な話。「人それぞれ」「自己責任」って言葉は簡単にコミュニケーションを終わらせて、お互い納得できてしまう。だけど、それは対応する大人の怠慢だ。基本的には自分のことではあるんだけど、声かけとか以前より気を付けていかないとな、と思ったし、ちゃんと相手の話を聴いていくことは本当に大切なのだなと思った次第。
プライベートに置き換えると、わたしはちょっと違和感あることを人に言われるとすぐに関係を切っちゃうところがあるのだけれど、これで生きやすくなる半面、簡単に人との関係を切ってしまうことになる。でもこれって難しくて、誰かが発した言葉の意味合いと、それを言われた側の言葉の受け取り方って違うから、その「違和感」の程度にもよるんだよね。何気ない言葉が相手を傷つける。でも相手にとってそれは何気なくない。ここに修復の機会であるとか、相手を知る機会があるといい。だけど、ここで相手が関係を切ってきたらそこで終わってしまう。
最近、関係を切って楽になることも増えた。同時に、だから謝る機会も減った。個人的には、会って間もない関係だったり、深くない関係ならどんどん切っていいと思う。だけど、やっぱり大切にしたい関係だったら、言葉を選びながら、ちゃんと伝えた方がいいよね。でも、わたしが大切にしたい関係だからって思って言葉を発しても、向こうは切ってくるかもしれないし、傷つけてしまうかもしれない、修復できなくなるかもしれない。そんな風にぐるぐる考え出すと「人それぞれ」ってなってしまうのもわかるよ。わたしは、もう何年もしっかり関係を築いてきて、心から何でも話せる友人じゃない限り、突っ込んだことを言えない。だって怖いもん。
最近増えてきた「多様性」の裏の顔。そこに真っ先に目をつけたのは、やはり朝井リョウさんの『正欲』だと思ってる。
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本当に考えさせられた。「多様性」も「人それぞれ」も悪い言葉ではないが好きになれない。なぜそう感じるのか。この本を読んで納得。私は個々人の事情が違うことを受け入れるのは賛成だし、正直面倒で何ら介入せず放置することもあるが、それを一言で正当化する姿勢は味気なく虚しい。世の中には身近な人づきあいを「コスパ」で選ぶ人もいるらしいが、どこからを受け入れがたい迷惑と捉えるのか。考え出したら迷路にはまり込む。
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人それぞれ、多様性の違和感の答える本
どこかで聞いたことのあるような話が多かった。あとがき直前の5ページくらい読めば終わりな印象だった。
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1章 「人それぞれ」が成立する社会の条件
1 「個人化」が進んだ社会
自由にいろいろなことをできるようになった社会
個人化と「人それぞれ」
2 「一人」になる条件1:物の豊かさの獲得
集団的な社会
経済成長とモノの充実
商品・サービスと社会保障にゆだねられた生活維持
3 「一人」になる条件2:個人を重視する思想
人権思想と自由主義
個性と多様性の尊重
失われた「定番のライフコース」
個人化と「人それぞれの社会」
4 「個を雌璽する社会」と「人それぞれの社会」
現代は「個を腺重する社会」なのか?
相手を否定しない技法の発達
「人それぞれ」が重宝される若者の友人関係
気を遣い合い、対立を回避しようとする社会
第2章 「人それぞれ」のなかで遠のいていく本音
1 ある会話から
2 気楽さと不安の狭間で
無理して人と付き合わなくてよい気楽さ
つながりに注ぎ込む「感情」
感情に補強された不安定なつながり
3 重宝される「人それぞれ」のコミュニケーション
「人それぞれ」と解釈することで対立を回避
「多少自分の意見をまげても、友人と争うのは避けたい
4 遠のく「身近な人」たちと、漠然とした寂しさ
受け入れつつ突き放す「人それぞれ」
高まる孤立の不安
寂しい日本人
5 生身の人から幻想の友人へ
ケンカをしてしまうと友情が修復できない
「友情の物語」幻想
寂しさの解消
第3章 「人それぞれ」では片付けられない問題
1 「人それぞれ」にはならない「人それぞれ」
ある親子の会話
友だちの進路の話
2 「多様な選択」の落とし穴
それぞれの選択を認める社会の受け皿
自由な選択はよいことなのか
「社会的ジレンマ」の発生
3「人それぞれの社会」のもどかしさ
自分一人だけでは叶えられない望み
対話と調整を要する時代
逃れられない他者の影響
4 「人それぞれ」が広げる社会の格差
選択の結果や条件は必ずしも平等ではない
人びとの結婚願望はあまり変わっていない
生涯未婚率に見る「人それぞれ」の結末
5 不平等を見過ごす冷たい社会
孤独・孤立を問題視するのは「余計なお世話」?
華麗な業績をあげた人が執筆する孤独・孤立推奨言説
「コスパ」化する人間関係
「人それぞれの社会」の厳しさ
第4章 萎縮を生み出す「人それぞれ」
1 ハラスメントと炎上騒動
何を言えばよいかわからない
迷惑な行為は許さない
2 「他者に危害を加えない」という理念
「人それぞれ」にはならないこと
ハラスメントとダイバーシティ
3 リスク化する言葉と表現
ハラスメントの境界線
言葉のリスクの高まり
表現することの難しさ
4 リスク化に対処するふたつの方策
緩やかな撤退
結託という解放
5 「迷惑」という監視と裁き
迷惑をかけてはいけない
迷惑センサーのウチとソト
自粛警察、謝罪会見
キャンセル・カルチャーの恐怖
6 救いの声を封じ込める迷惑センサー
支援の届きにくさ
声を上げられない人たち
7 「人それぞれの社会」の集団的な体質
第5章 社会の分断と表出する負の意見
1 抑え込んできた思いのゆくえ
2 吸い寄せられる同質の意見
意見の合う人を求めて
検索される「つながり」
3 同質な集団同士が引き起こす対立・
純化した集団
対立と分断の時代
4 過激化する主張
ヘイトの発生
多様性への不満の受け皿
5 「特権センサー」による糾弾
「特権」は許さない
特権センサーがはたらく仕組み
多様性への対抗軸として
6 秩序から外れた人びとにぶつけられる不満
不満の受け皿としての迷惑センサー•特権センサー
「テラスハウス」の事件
「上級国民」を監視する特権センサー
7 インターネットの機能的な問
「1000分の1」は低い確率ではない
アルゴリズムによる多様性の排除
8 対話なき「人それぞれの社会」
「人それぞれの社会」での萎縮
規範的圧力からうまれる大きなうねり
相手の見えない「人それぞれの社会」
第6章 「異質な他者」をとりもどす
1 身近に「異質な他者」がいない社会
「異質な他者」の不在
気の合わない人とつき合わなくてよい社会
身近な人の批判的・否定的意見の封じ込め
2 他者への想像力と共感の欠如
分断され攻漿し合う集団
他者を執拗にたたく人たち
3 対話をつうじた深い理解のススメ
分断を修復する対話
友だち関係を円滑に進める対話
対話の重要性はわかっているけれど
4 異質な他者を取り込むために:住会編1 インターネット
普及の速さに注目
インターネットと砲話の普及過程
技術の影響を検証する仕組みを
5 異質な他者を取り込むために@社会編2 つながり
頑健さの保証
継続性のあるつながりにむけて
6異質な他者を取り込むために:個人編
最適化を望む人間関係
「親ガチャ」「子ガチャ」
最適化の追求と関係からの撤退
最適化からの離脱
それでもつながりにとどまる気持ちを
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誰しもが口にしたことのある、「人それぞれ」という言葉。
多様性の受け皿として、便利に使われているものの、それは対立を避けるためのものであり、極端に言えば、それは無関心なのです。
この本では、集団から個人への転換と共に訪れた、個人主義と多様性の間でどう生きるべきかを事例を用いて解説しています。
「人それぞれ」を枕詞にし、個人主義とは言いながらも、他人をまるで腫物扱いにして、無関心を正当化するのは、やはりどこか歪んでいると思います。
そして、大きな問題は、個人レベルで行われるそれらのことが、社会全体に浸透して、自己責任論が蔓延っていることだと思います。
サンデル教授が述べていた、能力主義の裏側にある自己責任論に、こうした背景もあるのではないかと、思わずにいられませんでした。
社会的な問題に対して、個人レベルでどう解決していくか、それは非常に難しいことだと思います。
しかし、だからと言って動かないのではなく、また、自分と異なる意見にフィルターをかけるのではなく、まずは興味を持つことが、あるべき多様性なのかな、と読み終えてから感じました。
「受け皿を広げよう。」
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「人それぞれ」って多様性が叫ばれる昨今、耳触りのいい表現に聞こえるけど、人それぞれだからって言われちゃうとそれ以上何も言えなくなっちゃう。私がずっと思ってたことはこれだ!って気づきました。
人それぞれだからってのは、多様性とか異質性を受け入れてるように感じるけど、実はそうじゃなくて、それ以上そのことに深入りしないってことなのよ。つまり議論の余地もないの。これって本質的には全然受け入れたことにならないし、そのことを理解しようとする人をばっさり切り捨てるってこと。
理解できなくても、受け入れられなくても、そのことについて議論したいと思ってるのに、人それぞれだからって考えようともしないで、多様性とか言ってるのはやっぱり違うと思う。
でもみんなめんどくさいんだよね。内面に踏み込もうとして痛い目にあうくらいならはじめから距離をとろうとするのもわかるけど、それってすごくさみしいなって思う。そういう人にとって私のような人はめんどくさいんだろうな。私って友達がいないなぁって思うのはそういうことなのかも。ケンカしてでもちゃんと議論してくれる友達がいないんだなきっと。
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「人それぞれだからね」と話を結論づけることは思考停止に過ぎないと前から思っていて、「人それぞれ」は冷たく、突き放している言い方だよね。帯にもあるように「受け入れつつ突き放す人間関係」。なんとなくこの寂しさや息苦しさを感じている人は多いと思う。言語化されていて良かった。
「人それぞれ」の生き方がありながら、序列は存在するから息苦しいという点が腑に落ちた。格差、自己責任論と言われる今の社会で、それぞれに手は差し伸べるのではなく、手を引き合う、足を引っ掛け合うような場面が最近多いように感じる。
「みんなちがって、みんないい」には「みんな違うから、みんなそのままでいい」多様性と「みんな違って、みんな同じ扱いをうける」平等性の二面がある、という点も勉強になった。
「人それぞれ」は、各々を守る一方で自分もいつかは攻撃されうる不安があると思う。「人それぞれ」だからしょうがない?本当か? 点ではなく、面で捉えていく必要があるのではないか。
「人それぞれ」と糾弾する誰かに、自分もいつかはなるのかもしれない。その共感こそが社会をより円滑にする。著者の「異質な他者」との交流、対話にあたる部分。
しかし、最近は「異質な他者」を知る以前の問題というか、本当に自分でいっぱいいっぱい、ネットでいう「無敵の人」が増えてきた。健康的な社会であれば所得の再分配や最低限の生活保障のセーフティネットが働くんだろうけど、社会の余裕の無さ、貧困は全体に広まっていて、そのことがより「人それぞれ」の分断を生んでいるんだと思う。ぶっちゃけ、全員余裕がないよ。金銭的な余裕がないから、身体的に追い詰められて、精神的にもぎりぎりの状態になる。問題を面でどうしても捉えらなれない。主観的にしか考える余裕がない状況にいる人が多い。「人それぞれ」だからしょうがないじゃ済まないのに、「人それぞれ」だからこそ比べて蔑んだり嫉妬したりする。
「人それぞれ」が悪いことではなくて、「人それぞれに苦しいから助け合う」とか「人それぞれに頑張っているから尊重し合う」ような、肯定的な雰囲気になればいいのにな。
押し付ける思いやりよりも、一歩引いて慮る思いやりが必要だと思った。引く思いやり。過剰に反応するのではなくて、遠慮して包み込む思いやり。
格差是正については、色々と興味があるので、もう少し他の本も読みたい。
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物質的に豊かになり一人でも生きて行ける時代、逆に言えば他者との対話により深く知り合う必要がない社会を綴った書籍❣️
内容は人との関係性をインターネットで物理的な距離なしに、自分と合うか合わないかをコスパで測り、親ガチャとまで言ってしまう社会を論じている。
感想としてインターネットを全て一回受け入れた上で、物理的なローカルコミュニティで様々な人と交流を行い、新しい人生のあり方を考えられる書籍。
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さっくり読めて概観がわかる。
日本社会に権威が残らなすぎて、剥き出しの好き嫌いでしか人とつながれなくなりみんな臆病になった、という話だと理解した。
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「人それぞれ」というフレーズの様々な意味を追求しているが、柔軟な思考方法でわかりやすい解説だと感じた."迷惑センサー"や"特権センサー"の議論が楽しめた.