環境問題を考える際に必要な視点を著者が提供する1冊
2022/02/05 18:38
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
現代の地球で切っても切れない、環境問題。その環境問題を学問的に考える際、どういう視点を持たないとならないのかについて、教授の仕事に就く著者が的確に示した1冊です。
環境問題は、理科だけでも社会だけでもなく、理科と社会の両方の学問を考えねばならないことを著者が読者側に指導してくれます。「大学で環境問題の勉強に取りくみたい」と思う受験生に、どんな学部で環境問題を学べるかの指針になるでしょう。紙幅が薄いので、ぜひとも目を通していただきたい1冊です。
2023年の入試頻出の本
2023/10/13 03:54
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投稿者:future4227 - この投稿者のレビュー一覧を見る
2023年中学入試で浦和明の星、大妻、巣鴨、法政大学、洗足学園などで出題。中高生に向けて書かれた環境問題の入門書。共有地の悲劇という寓話を引き合いに出し、共有地(共有物)に対して後先考えずに粗雑に扱うのは人間の性だと認識することが大切。いつまでも個々人のボランティア精神に依存していても地球規模の環境問題は解決しないと筆者は主張する。環境問題に取り組むことで我々に何らかのメリットを感じさせる取り組みや仕組みづくりを考える必要がある。温暖化防止のために宇宙空間にアルミ箔をばらまくっていう発想に仰天。
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小中高の若い人向けの啓蒙書。細かい話はなく、浅く広く分かりやすくに徹している。期待したような若者向け入門書の体をしつつも、大人も勉強になるような内容ではなかったのが残念。
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まえがき
環境破壊が理由で地球は滅亡する?
では二〇五〇年は?
第一章 環境問題について思う
人間は愚かで罪深い!?
共有地の悲劇の寓話
人間は環境問題を解決できる?
地球温暖化と共有地の悲劇
第二章 公害について──環境科学の基礎知識Ⅰ
大気や海の汚染
公害のグローバル化
静かに広がる生物的な汚染
生態系と生物多様性
地球のサイズは有限
第三章 生物とはなにか──環境科学の基礎知識Ⅱ
生きものの性
利他的な行動が生じる条件
トレードオフはいろんなところに
環境保全と経済学
環境保護のために大切な倫理とは
悲観的楽観主義者
第四章 今世紀最大の環境問題、地球温暖化
IPCC AR6
異常気象
二酸化炭素が増えないように
北極はどうなる?
抑止と適応
第五章 未来を予測して対策する
将来予測の考え方
信頼区間とは
ジオエンジニアリングという「奥の手」
リスクヘッジの重要性
第六章 幻想を捨てて学ぼう──環境対策のこころがまえ
相対的に考えて理想を追求しすぎないこと
批判的思考
手続的正義と実体的正義
タイムラグ
変わるべきときは変われる
ボランティアって
教育とシチズンサイエンス
あとがき
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環境問題への取り組み方、考え方を提示していく。
とても分かりやすい。ただし正解があるわけではない。
これは、その通りなんだろうけど間に合うかな?
人間の根源的な罪深さが解消されることはないだろうから、変化した環境の下で、どうやって生存していくかが、鍵になるんだろうな。
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個人的には既知の内容だったので目新しい学びは少なかったが、言っていることは正しいと思う。
環境問題に対する若年層向けの入門書としては良書だと感じた。
しかしタイトルがキャッチー過ぎるな。
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生物学者の著者が中高生向けに環境問題を科学的視点で解説したもの。現状を概観するのによい。注目すべきなのは現実主義的な環境問題対策を説いているところ。糾弾するだけでは問題解決にはならず、価値観の異なる人々にも利益をもたらす活動であると考えさせなくてはならないという。若者には知らせておく考え方だろう。
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生命は利己的。
人間も利己的。
自分のものであれば、先々のことを考えて使う。
共有地は、そうはいかない。
我先にと使わなければ損をしてしまう。
環境問題は、まさにこれ。
解決するためには、禁止するだけでなく、
メリットを与え、行動に移してもらうことが大事。
これがナッジ。
環境問題は、正義を振り翳しても解決しない。
落とし所をさぐっていくしかない。
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2050年の地球を予測する ─科学でわかる環境の未来。伊勢 武史先生の著書。伝染病の拡大や異常気象の発生は地球環境悪化の前触れかもしれない。このまま環境問題が解決されなかったら2050年の地球はどうなってしまうのでしょう。大気汚染に海洋汚染に森林破壊。大気汚染に海洋汚染に森林破壊が日々起きている現実から目を背けても事態は悪化するだけ。一人一人が地球環境問題に真剣に取り組む姿勢が求められている。私利私欲は捨てないと2050年の地球は悲劇しかないかもしれないから。
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科学的な視点から環境問題について述べていたのがよかった。
環境問題は人間の利己的な感情で生じたものだが、改善していくと言う意味では、感情論では解決できない問題もあるよなぁと思った。
科学的な視点から環境問題を考えるということが今の世代には必要なのでは。
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本書は、学生の学びに役立つ内容や、大人の学び直しに対応した「ちくまプリマー新書」の393。そうしたシリーズであるだけに、現在地球が抱える諸問題を、これからの人生の生き方と合わせて説いていく構成となっている。環境問題、公害、生物、地球温暖化、未来予測の5つの章に加えて、最後の6章では「幻想を捨てて学ぼう」とまとめている。年齢を問わずわかりやすく近未来を俯瞰するのに適した手引書と言える。
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子供向けだからだろう、偏った思考を広げるための視点を提供し、バランスを取る事が優先されている。タイトルにあるような2050年の予測をするのではなく、主に環境問題について。未来は環境問題以外の視点でも語られるべきだが、物足りない。狭く、浅く、その領域で薄く広がる。
思考のきっかけが無ければ、自分の頭で考えられないという事が、実際世の中には多いのだろう。だから、経済学が提供するフレームワークは、これを駆使する事で洩れなく思考チェックを可能とした点において、凡夫向けに優れたツール足り得るが、これを知ったが故に自信満々で語られると興醒め。
しかしこれは大人の話で、子供にとっては、考える取っ掛かりとしての思考の糸口を得る事は重要。特に本著では、地球温暖化を「共有地の悲劇」という観点でガイドした点は素晴らしい。個々の論理を紐解くと共に、その問題の構造を知る事が重要だが、国家間の利害や発言の底意を気にしておく。その延長で、今も保有している類似の共有地とは何かを考える。本来の共有地と呼べる資源は、人類そのものではないだろうか。では、その場合の悲劇とは。その事について、もう少し考えてみたいと思った。
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2050年まで こちらが生存しているかどうかわからないが、環境問題が、どのようになって行くのか、詠み出した!
わかりやすく、唯々、最近はローマ字で記載されるだけで、何の略語なのか理解出来なかったが、ちゃんと、英国にしてくれて、なるほど!……と意味側通じる。
私が沖縄や与論島に行った時(遠い昔)マングースで、ハブを撃退する事に関心したものだが、生態系では、弱肉強食で、淘汰される動物が出てくる事に。
考えさせられる。
善かれと思った事も、自然を破壊へと導く事になることも、考えないといけないことに!
環境問題だけでなく、今の天変地異の時代。
地震、雷、火事、親父!
どれも怖いが、正月早々の能登半島地震!
これからの日本はどうなるのだろうか? 他国は、宗教の事で戦争や争い事!
自分の主張も言えない国々!
温暖化で、自分の国が、海に沈んで行く国!
生きて居る間に解決出来るのだろうか?
と、思いながら、ニュースを眺める昨今である。