矢崎節夫と読む 金子みすゞ第二童謡集 空のかあさま
金子みすゞの残した3冊の遺稿手帳のうち、2冊目の「空のかあさま」より60編を選び、矢崎節夫のわかりやすい解説、鑑賞をそえました。投稿詩人として注目され、ますます深く、鮮や...
矢崎節夫と読む 金子みすゞ第二童謡集 空のかあさま
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商品説明
金子みすゞの残した3冊の遺稿手帳のうち、2冊目の「空のかあさま」より60編を選び、矢崎節夫のわかりやすい解説、鑑賞をそえました。投稿詩人として注目され、ますます深く、鮮やかな作品。
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金子みすゞさんの詩と、般若心経物語
2010/12/22 23:47
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みどりのひかり - この投稿者のレビュー一覧を見る
JULA出版局の最初の「空のかあさま」は1994年に、「新装版 金子みすゞ全集 2」として発行され、およそ140篇の詩が載っていました。今回のものはその中から60篇が選ばれています。
わたくし”みどりのひかり”は「般若心経物語」という本を出版しました。その中に、金子みすゞさんの「空のかあさま」から、「星とたんぽぽ」、また「美しい町」(新装版 金子みすゞ全集 1 JULA出版局)から、「大漁」を引用させて頂きました。
金子みすゞさんの詩は包み込むような優しさがあります。そして、この世界のこと、宇宙を感じさせるような拡がりがあります。例えば上記の全集2の中に、「蜂と神さま」という詩があります。引用しますと、
***
蜂と神さま
蜂はお花のなかに、
お花はお庭のなかに、
お庭は土塀のなかに、
土塀は町のなかに、
町は日本のなかに、
日本は世界のなかに、
世界は神さまのなかに。
さうして、さうして、神様は、
小ちやな蜂のなかに。
***
これらの詩の背後に、宮澤賢治が「眼にて云ふ」の詩の中で表現した《きれいな青空とすきとほつた風》と云ったものを感じます。
般若心経物語の作者の”みどりのひかり”としては、金子みすゞさんの詩に、般若心経の心髄ともいうべきものを感じます。
でも、すなおに、金子みすゞさんの詩に感動したらそれが一番だと思います。
宗教を意識する必要はありません。
私のこの解説は余計だったかもしれません。
ただ、私の「般若心経物語」を読んで、ひとつ世界を広げてみてください。そうすれば、金子みすゞさんの詩の世界もいっそう拡がることでしょう。