最澄と徳一
著者 師茂樹
これは問答か,謗法(ほうぼう)か.平安時代初期,天台宗の最澄と法相宗の徳一が交わした批判の応酬は,仏教史上まれにみる規模におよぶ.相容れない立場の二人が,五年間にわたる濃...
最澄と徳一
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商品説明
これは問答か,謗法(ほうぼう)か.平安時代初期,天台宗の最澄と法相宗の徳一が交わした批判の応酬は,仏教史上まれにみる規模におよぶ.相容れない立場の二人が,五年間にわたる濃密な対話を続けたのはなぜだったのか.彼らは何をどのように語り合ったのか.「真理」を求める論争を解きほぐして描く,仏教史の新たな見取り図.
目次
- はじめに
- 第一章 奈良仏教界の個性 徳一と最澄
- 1 徳一とは誰か 薄明のなかの相貌
- 2 東アジアのなかの最澄
- 第二章 論争の起源と結末 二人はどう出会ったか
- 1 対立に巻き込まれる最澄
- 2 対立解決に向けた動き
- 3 徳一との接近遭遇
- 第三章 釈迦の不在をいかに克服するか 教相判釈という哲学
- 1 『守護国界章』の論争を読む
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仏法での討論
2021/10/31 22:34
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
書名が中公新書の「徳一と最澄」を逆にした「最澄と徳一」なのは意識して書かれているのだろう。
徳一の側の主張が最澄による反論での引用や源信の引用などでしか伝わっていないので、実際には何を主張していたのかは、それ以上は分からないとしても、南都六宗の仏教の立場で論じる徳一と天台宗の立場で論じる最澄とでは反発し合うだけだっただろう。
因明という論争のルール
2021/10/24 09:18
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
最澄と徳一の論争から因明という当時の仏教界での論争ルールが紹介されている。問答している双方が承認していない概念を用いるのは無効な主張である(共許)、矛盾する2つの主張が同時に成立してしまう論は過失(相違決定)など興味深かった。古代インドで生まれた異宗教対話を前提とした対話方法(因明)がすでに日本に伝わり最澄と徳一に共有されていたことがすごいと感じた。
新しい仏教の本
2022/01/02 22:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あ - この投稿者のレビュー一覧を見る
最澄のことは知っていましたが、徳一のことは全く知りませんでした。興福寺の法相宗のことは知っていても、どのような宗派なのかもわかりませんでした。哲学的な仏教のようです。そのようなことが分かりやすくまとめられています。
一切衆生悉有仏性で徳一一蹴
2025/06/02 14:34
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
誰もが仏化できるという最澄の教え、黄太鼓を連打するかのごとく響きます。般若湯で馬力を入れて三一権実を論破したという逸話も豪快です。
スマートにまとまった1冊
2021/11/29 11:35
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
著名なお坊さん・最澄とマイナーなお坊さん・と徳一。当書はこの2人による、仏教の解釈をめぐる論争をまとめた1冊です。
文章がスマートに書かれており、読みやすくまとまっているのが好印象です。紙幅も薄いので、気軽に読める1冊となっています。