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投稿者:わかめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
一気に読んでしまった。思わず悪者である地面師たちのやることが、うまくいってほしいという気持ちになっていた。拓海の本当の敵ハリソン山中は、極悪人でこんな人がいる現在は、怖いと思う。
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投稿者:Jung - この投稿者のレビュー一覧を見る
とってもおもしろいストーリーで、あっという間に読み終えました。地面師についてあまりよく知りませんでしたが、これもよく分かりました。最後、「ウチダ」が出てきますので、続編に期待したいものです。
本当にこんなことがあるんですね
2024/06/23 08:33
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投稿者:ポッポ - この投稿者のレビュー一覧を見る
小説ですが、ドキュメンタリータッチの一冊です。主人公が、本当は組織に誘われていたのかなと思いました。土地取引とは、現物を受け渡すのではなく権利を引き渡すだけなので、即、騙されたとはわからないのですね。それだけ、事前準備も必要なのがリアルにわかりました。
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投稿者:くり坊 - この投稿者のレビュー一覧を見る
実際にモデルの事件もあるようで、不動産売買のことを知らなくても、リアリティが強く感じられた。手に汗握る場面が多く、一気に最後まで読めた。最後の終わり方から、早く次の続編を読みたい気持ちが高まった。
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ストーリーが面白かった。
地面師詐欺の手口もすっきりしているようで細かく書かれていたり、騙しとおせるのか?のドキドキ感、臨場感がよかった。
ただキャラクターで共感できる人が一人もいなかったのであまり入り込めなかった。
大根監督の解説よかったです。本当映像化してほしい。
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何か、テレビドラマや映画のような映像が鮮明に頭に浮かぶかのような雰囲気が在る作品だと思う。
率直に、タイトルにある“地面師”なる用語を知らなかった。これは不動産取引に関する詐欺犯罪、その種の犯罪に携わる者を言う用語であるという。
本作の最初の方は、その“地面師”という者達が蠢き、多額の資金を騙し盗るという行為が為される場面の描写から始まる。
“地面師”の手口?土地を売ろうとする者、その依頼で諸手続を進めるような関係者を装う。「なりすまし」である。土地を買おうとする人達と接触し、売買契約成立という体裁にして直ぐに支払わせて、その資金を手に逃げてしまう。後日になって、土地を購入した側は「金は間違いなく払ったが、所有権が移転出来ない?!」ということになってしまう。
本作の最初の方の「事件」に関連し、“地面師”のグループの中心的視点人物となる辻本拓海が登場する。作中では寧ろ、単に拓海という名で叙述される場合が殆どなのだが。
“地面師”のグループの面々が「ほとぼりが冷めるまで身を隠す」という場面でこの拓海の回想が綴られる。拓海は事件に巻き込まれ、仕事を失い、家族も喪う羽目になり、とりあえず生きようと半ば投槍なバイト生活という中、“ウチダ”という仮名を名乗っていた「ハリソン山中」という通り名で知られる男と出逢う。拓海はこのハリソン山中の仕事を請け負うようになり、“地面師”のグループのメンバーとなり、数年が経っていたのだった。
他方、警視庁で詐欺や横領のような事件を担当する捜査2課には退職の日も近付いている老刑事の辰が在った。渋谷署管内で発生した事件の捜査を応援することになったが、事件は“地面師”の事案だ。辰刑事が想い起していたのは、追い詰めきれなかった被疑者のハリソン山中という通り名の男だった。
やがて拓海や他のグループの面々が東京に戻り、彼らは「次の事案」を手掛ける。<高輪ゲートウェー駅>の建設が予定されている場所に近い、近所の寺の尼僧が権利者である土地、概ね100億円という土地に彼らは狙いを定めたのだった。
概ね100億円を騙し盗る“地面師”のグループの面々の暗躍、グループに騙される会社の幹部、両者のやり取りの狭間の本来の権利者である尼僧の側という展開、他方で静かに執念深く“地面師”のグループを追って行こうとする辰刑事と、なかなかに読ませる展開で夢中になった。
実は然程古くない時期、最近登場のこの文庫本の単行本が登場した少し前に、少し名が通った不動産開発等の会社が所謂“地面師”のグループに数十億円を騙し盗られてしまったという事件が発生したそうだ。そういう実際の事件に着想を得た小説ではあるかもしれない。が、“大博打”というような大胆極まりない犯罪を仕掛けて巨額の資金を盗ってしまおうとするグループの暗躍振り、そのグループに在る深い陰影を負う中心的視点人物の醸し出す雰囲気、その人物と繋がる黒幕を負う老刑事が見せる執念とやや大胆な動き等、「読まされる箇所が酷く多い」という作品だった。
テレビドラマの制作に携わる方が巻末の解説を綴っている。映画会社にせよ、テレビ局にせよ、不動産関係の様々な仕事に深く大きな利害関係が在る関係上、不動産を巡る大胆不敵な詐欺が作中に出て来て物語の軸のようになっているという映像作品は簡単には実現しないかもしれないというようなことに言及している。が、この『地面師たち』はテレビドラマや映画のような映像が鮮明に頭に浮かぶかのような雰囲気が在った。
何れにしても、なかなかに愉しい一冊だ!御奨め!!
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拓海の印象は終始変わらず進んでいったものの、個性豊かなキャラクターと、古典的な手法ながら詐欺をしていく描写がリアリティのあるもので、控えめに言って大好き。
主犯のダークな一面が1番際立っており、主犯の続編が期待される。
映像化したら絶対に見る。
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地面師という詐欺や劇場型犯罪とは異なり、プロ集団によるやや古典的な犯罪というのが惹かれてしまうような感覚があります。
登場人物の深掘りがあまり無いという意見もありますが、私はこのテンポの良さがいいところだと思います。というか普通じゃない人しか出て来ないので、このくらいの方が安心して読めます……それもあってか、先の展開が分からない読んでいて楽しい本でした。
実際の事件の概要を調べた時にはふざけた事件だとおかしく思っていましたが、今もう一度見るとやや違った感想を持てそうです。
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思えば私が地面師なるものを知ったのは、本作のモチーフとなっている事件が新聞紙上をにぎわせていたときだったのでしょう。世の中にはこういう「仕事」があるのかと目が点になりました。当時その事件を映画化したいと思いながらもできなかった大根仁監督が、これを映画化すればいいんだと目を輝かせる姿を想像。でもやっぱりできないんですね。嗚呼、大人の事情。
何億何十億を稼ぐ詐欺で、売り主のなりすまし役に支払われるのは数百万。応募者は金に困っている人ばかりで、数百万では借金の完済もできないのに。永遠に騙し騙される。なんだか切ない。
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いやぁー面白かった!!
「狭小住宅」では心に爪痕を残されたので、こちらの小説も間髪入れずに読んでみた。推理小説でもないのに、ドキドキしながら読み急いだ。いつのまにか地面師側に同調している自分がいる。読んでいるうちに罪悪感がマヒしてしまい、自分の中の悪魔が目覚めそうで怖かった。
実際に起こった事件をモデルにしているだけに、リアリティがあり、まさに手に汗握るストーリーだった。
映画化してほしいけど、被害に遭ったハウスメーカーが待ったをかけるだろうなぁ・・・。どうだろうなぁ。
しかし不動産を買うときはくれぐれも慎重にならなければ、と肝に銘じた一冊だ。当事者同士での売買は絶対に避けて、仲介手数料が高くついても安心に取引したいものだ。
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不動産の所有者になりすまし、買主から金を騙し取る詐欺グループの話。2017年に積水ハウスが騙された事件を思い出す。詐欺グループのキャラが立っていて、詐欺のプロセスも面白かった。中学生のときにわくわくしながら読んだ高木彬光の「白昼の死角」を思い出した。
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架空の不動産取引を働く詐欺師たちの暗躍を描いた物語。
本物を装う地面師、真贋を疑う買主とのスリリングな頭脳戦の攻防が見どころ。
犯人を追い詰めていく定年を迎えた刑事、辰の出番というか蜘蛛の糸の様な情報を手繰り寄せる描写がもう少し多くても良かったのではないか。
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私はどんな人物であるか、どんな背景であるかが鮮明に想像できる作品を好む。
1/3くらい読み進めたが、どうも人物像や何故そうなっているのかがあまりわからないまま話だけが進んでいくのが苦痛になり、途中で読むのを辞めた。
しかし、展開が早いので特に気にならない人にとっては面白く読み進められる本だと思う。
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某ハウスメーカーの地面師詐欺事件を彷彿とさせる場面があるので、クスッと笑える部分も多いですが、実際の事件の方が小説を上回ってると感じてしまいました。まさに、事実は小説よりも奇なり。登場人物が万遍なく紹介されてますが、全員が薄い印象で終わってしまいます。「え、それで終わり?」という人物が多々います。不動産取引の場面は、描写が細かかったので好きですが、それ以外は少し物足りなさを感じます。
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圧倒的なスピード感が魅力的。最後の事件の決済当日の緊迫感は息を呑む。
ハリソン山中の背筋が凍る鬼畜ぶりは読後感最悪ですが、マゾヒズムの狂気を描き、ほんっとうに恐ろしい犯罪者の輪郭をハッキリと持たせています。
読む手が止められないとはこの事。