父・こんなこと(新潮文庫)
著者 幸田文
父・露伴の死にゆく姿と、続く葬儀の模様を綴り、刻々の死を真正面から見つめた者の心の記録とした『父―その死―』。掃除のあとで、念を入れるために唱えなければならない呪文「あと...
父・こんなこと(新潮文庫)
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商品説明
父・露伴の死にゆく姿と、続く葬儀の模様を綴り、刻々の死を真正面から見つめた者の心の記録とした『父―その死―』。掃除のあとで、念を入れるために唱えなければならない呪文「あとみよそわか」のことなど、露伴父子の日常の機微を伝えるエピソード七話からなる『こんなこと』。誠実に生き、誠実に父を愛し、誠実に反抗した娘が、偉大な父をしのんで書き上げた、清々しいまでの記録文学。
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娘のみた露伴とその死
2002/07/10 23:43
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まゆげ - この投稿者のレビュー一覧を見る
『父』は作家幸田露伴の最期を記す作品であり、家族の看取りの日々の覚書でもある。
『こんなこと』は著者と父の思い出を綴っている。
ぎっしりと詰まった活字が、看病で疲労した心を、もういけないと思った焦りを、死の影が忍び込んで父でなくなっていく様を、そして父の好みや流儀、人となりを、伝える1冊だ。
言葉が丁寧で歯切れがいいなと思う。昭和30年発行というからほぼ50年前の文章だが、とてもひきつけられる文章で、懐かしく、新鮮な気持ちで読むことができた。
著名な作家の最期として読むもよし、親娘の深い師弟の絆を感じて読むもよしだが、
特に、看取りを体験したことのある人には共感の持てる作品ではなかろうか。