紙の本
んんん、アメリカ的
2021/12/20 21:48
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
口絵にあるゼリーの広告が強烈、アメリカで20世紀初めから半ばまで人気を博したという「ジェロー」、お湯を混ぜて固めるだけでゼリーができるという簡便さと様々な色を取りそろえたということも人気に拍車をかけたという、んんん、アメリカ的。
紙の本
面白い視点の1冊
2021/12/16 07:22
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
「食べ物の色のイメージは、商業的なもの」という、今までになかった視点でものを見る、画期的な1冊です。我々の食べ物の色のイメージは作られたものであることを、当書が解き明かしています。
著者の視点の良さに感心する1冊でした。
電子書籍
色と味覚
2023/02/13 19:15
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
そういう見方があるのかと思いました。しかし、料理にしても、皆さん、彩りや盛り付けを大切にしますもんね。視覚と味覚、哲学ではなく、学問の一つだと感じました。もう少し詳しく読みたくなりました
紙の本
もっと知りたい。
2022/04/02 22:18
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投稿者:ら君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
美味しそうだと感じる色とは、売るために作られた色なのかもしれない。
美味しそうな色が誕生する歴史も知った。
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近代視覚文化の誕生:
感覚の帝国 色と科学とモダニティ 産業と政府が作り出す色―食品着色ビジネスの誕生
食品の色が作られる「場」:
農場の工場化 フェイク・フード 近代消費主義が彩る食卓 視覚装置としてのスーパーマーケット
視覚優位の崩壊?:
大量消費社会と揺らぐ自然観 ヴァーチャルな視覚
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<目次>
第1部 近代視覚文化の誕生
第1章 感覚の帝国
第2章 色と科学とモダニティ
第3章 産業と政府が作りだす色~食品着色ビジネスの誕生
第2部 食品の色が作り出す「場」
第4章 農場の工場化
第5章 フェイク・フード
第6章 近代消費主義が彩る食卓
第7章 視覚装置としてのスーパーマーケット
第3部 視覚優位の崩壊?
第8章 大量消費社会と揺らぐ消費観
第9章 ヴァーチャルな視覚
<内容>
なかなかカテゴライズしにくい本。食品の話と視覚、なのだが、政治的な話や感覚的な話、ビジネス的な話が混ぜこぜになっている(読んでる側の話)。結局、食欲や「美味しい」という感じも、視覚に強く影響を受けているのだが、その食品の「色」は、自然のものは数少なく、着色されたものが多い。しかも古くからそれがされているので、我々はそれに気づいておらず、知らず知らずに「違うもの」を美味しく感じている、ということ。
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イチゴは赤いし、バナナは黄色だ。こんな当たり前のことが、実は人為的に作られた常識だったんだね。産業界の要請によって、より売るための方策としての結果だったなんて。何よりこの視座に感心してしまう。すごいや。
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一見当たり前のように見える食品の色が文化的、技術的、または政治的につくられてきたことを、生産・流通などの拡大の最先端だったアメリカを例にして教えてくれる。特にバターを生産する酪農団体が安価なマーガリンがバターに似せて着色することを禁止し、ピンクにせよという法案を求めるところなど興味深いです。
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このタイトルを見たとき想起したのはインスタグラム等のSNSのことだった。もちろん終わりの方でそれにも言及しているけど、アメリカの消費社会から日本の経済成長期まで、時系列に、人々の食に関する欲求の推移がわかって、そこがとても興味深かった。大量生産される創造性とかジェンダー問題とか、そこまで食について思いを馳せたことはなかった。食卓を整えることについて、世界中の女性はいろいろ心を砕いてきたのですよね。それに応え続けた資本主義社会という大きな捉え方は思い及ばず、いいことを教わりました。
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アメリカの話が多いけど、これ、ヨーロッパだとずいぶん違うと思う。日本もそれなりだし、アジアでも結構国で違うのではないか。資本主義的な何者か、ではあるのだろうけれど。
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食品の色をめぐる人々の価値観や商売上の思惑から、「自然な色とは何か」を問いかける。
着色料についての話に多くページを割いている。安全性が怪しいまま使用され始めた合成着色料、バターとマーガリンにおける着色の方法など、政治も巻き込んだ争いの歴史がアメリカで展開された事例が紹介されている。
背景には、人々が味覚として美味しいものだけでなく、視覚からも味を想像して「美味しそうだ」を判断しているということがあり、売上を伸ばすために「どうしたら美味しそうに見えるか」が研究され続けている。果物の皮にまで着色が施されていた事例もあったのには驚いた。
技術が進み、実店舗でリアルに見るのではなくネットスーパーで画像で判断したり、インスタ映えのように元の素材をどう「盛って」表現するかに力を注ぐ時代になったが、人の手を加えて=自然そのものからは離れても人々が「美味しそうな色」を求め続けている図式は昔から変わらないようだ。
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普段何気なく目にする色がどのような経緯を経て、人間にとっての自然な色としての認識として定着したかについて触れられていて面白い。
ただタイトル通り、視覚を話題に出していながら、本冒頭の口絵以外の画像がモノクロになっていたのが惜しく感じる。
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社会や技術の進展と共に変化していく、食と視覚の関係を洗い直している。
漱石や谷崎潤一郎が羊羹の色を愛でた時代から、広告や陳列の工夫が消費者の選択に大きな影響を及ぼしていく時代、そして「おいしそう」というより「面白そう」という基準でSNS上で食の外観が”消費”されていく現代まで。中でも色に焦点を当てて考察している。
個人的に面白かったのは、私も含む消費者が「自然な色」と思っている食材の色が、どう作られてきたか、というところ。何が自然か、ということに問題意識は持っているつもりだけれど、どこまで知っているかとなると心許ない。地産地消がいわれるようになって久しいが、それでも口に入るものが自分の元にやってくるまでの距離が、本来の情報探索を難しくするほど遠いのだろうと思う。
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☆R05-02-00ゆる言語学ラジオで味を表現する難しさのトピックス
レッドバナナ(茶色・皮が傷みやすく長距離輸送できなかった) 黄色いバナナと2種類
自然な色・あるべき色 印刷技術 イチゴ味レモン味のキャンディー→実際のものとは異なる
カラー広告→おいしそうに見える 合成着色料 エム&エムズ1967年に赤を外す→1987年まで11年間は赤なし
カリフォルニア州柑橘類協同組合 CFGEが鉄道会社と組んでキャンペーン ブランド名としてサンキスト(太陽にキスされるの意)
フロリダ州のオレンジは緑色の期間が長い→見た目が良くない 人工着色料
黄色いバター 草に含まれるカロテン→黄色
マーガリン 牛脂から安く大量生産・着色することを政府が禁止→着色用カプセルを一緒に販売
Dainty food déɪnṭi 繊細な、おいしい、風味の良い 上流階級の女性の象徴
ケーキミックス→時短メニュー 焼くだけ満足感を得られない→生卵は追加する必要があるように成分から乾燥卵成分を除いた→女性たちの達成感
スーパーマーケットのライト
透明フィルム→空気をコントロール可能にする→包装は見えないコントロールによって成り立っていた
広告で料理を魅力的に写した画像 フードポルノ
赤いウインナー→着色料の健康被害
プロデューサーとコンシューマー→プロシューマー SNSで食品産業、食文化全体に影響をもたらす
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食材本来の色と作られた色の乖離
自然と人工の境目はどこなのか
製造工程、広告、小売、様々な切り口から色と資本主義の関係を考える