八本目の槍(新潮文庫)
著者 今村翔吾
石田三成とは、何者だったのか。加藤清正、片桐且元、福島正則ら盟友「七本槍」だけが知る真の姿とは……。「戦を止める方策」や「泰平の世の武士のあるべき姿」を考え、「女も働く世...
八本目の槍(新潮文庫)
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商品説明
石田三成とは、何者だったのか。加藤清正、片桐且元、福島正則ら盟友「七本槍」だけが知る真の姿とは……。「戦を止める方策」や「泰平の世の武士のあるべき姿」を考え、「女も働く世」を予見し、徳川家に途方もない〈経済戦〉を仕掛けようとした男。誰よりも、新しい世を望み、理と友情を信じ、この国の形を思い続けた熱き武将を、感銘深く描き出す正統派歴史小説。吉川英治文学新人賞受賞。(解説・縄田一男)
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青春の尻尾をもった石田三成
2024/01/05 07:01
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今村翔吾さんが『塞王の楯』で第166回直木賞を受賞したのは2022年。
それに先立つ2020年にこの『八本目の槍』で第41回吉川英治文学新人賞を受賞している。
着々と歴史小説作家としての歩みを確かなものにしていた頃の作品といっていい。
この作品では、石田三成という戦国武将とは何者だったのかを、
彼と共に豊臣政権を支えて加藤清正や福島正則、片桐且元といった
秀吉が柴田勝家と信長の跡目を戦った賤ヶ岳の戦いで功績のあった
「賤ヶ岳七本槍」の面々を描きつつ、彼らと関わっていく三成の姿を描くことで、
その人物像に迫っている。
かつて司馬遼太郎さんは石田三成について、「関ケ原私観」という文章で
「どうも物事をくっきりふちどらなければ気がすまないという人間らしい」と
書いたことがある。
そして、三成には野望性は薄く、あったのは正義感だったのではと
続けています。
今村さんのこの長編小説(連作短編集としても読める)での三成も
決して悪人ではない。
「賤ヶ岳七本槍」の面々との友情とも呼べる交流は
司馬さんのいう野望性の薄さとつながっているように思う。
むしろ、青臭い。青春の尻尾をひきずった人物として描かれている。
この歴史小説はそんな三成をうまく描いた作品となっているが、
なによりも読み物として面白い。
歴史小説の面白さ満載
2022/05/16 08:11
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のりちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
石田三成を賤ヶ岳の八本目の槍とする発想が素晴らしい。そして七本槍の各武将たちにそれぞれ関わりを持たせた小説の構成も見事なものだと思う。そして七本槍の各武将の新たな一面を見せていることにも感動した。
更に七本槍の各武将たちとのやりとりで三成の仕掛けた謎がまた謎を呼び一種ミステリーに近い味わいが出ている。
面白かった。
熱い絆
2022/05/13 13:31
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:セパサ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「賤ヶ岳の七本槍」それぞれの視点で描かれた佐吉(石田三成)と七本槍との熱い絆に胸が熱くなりました。
たとえ言い争いになっても相手の事を真剣に思い合う、元小姓組の絆が素晴らしいです。
最後に市松が淀殿に言い放ったセリフが最高でした!
八本目の槍
2022/05/06 10:44
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
豊臣秀吉と柴田勝家の賤ケ岳の戦い。そこには秀吉の小姓組の活躍があった。彼らは後に賤ケ岳七本槍ともてはやされるが、表に出てこないもう一本の槍があった。八本目の槍は佐吉であった。官吏としての能力もあり、武闘派と呼ばれた虎之助、槍の名手・助右衛門、女性に目がない甚内、家族を徳川家に質にとられている孫六、普段から大人しく穏和な助作、自分を見失った権平、そして最後まで分かり合えなかった市松。彼ら七本槍と佐吉の深い交わりを表した歴史小説。
佐吉の頭の良さには惚れ惚れしますね。あの時代に誰が考え着いたのでしょうか。今ではコミュニケーションの必要性が言われますが、彼らが膝を突き合わせて議論していたらどうなっていたか。歴史は変わっていたはずなんですがね。そもそも虎之助、市松は佐吉と仲が悪かったか不思議になりますね。勝者・徳川方の歴史の書き換えが行われた感じもします。内容は非常に良かった。
見事
2024/10/16 11:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
全然詳しいわけじゃないけど、石田三成ってなんとなく悪者な感じがあった。
まったく違ったのかもしれないなあ。
見事な小説。
精緻な技法で描き出された三成
2023/08/15 15:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者今村翔吾の作品は、「じんかん」や「童の神」を以前読んだことがあるが、本作品のほうがより一層、技法の巧みさ精緻さ 内容の新鮮さ奇抜さ で優れていると感じた。有名な賤ヶ岳の七本槍を作品のフレームワークとし、1本目の加藤清正から7本目の福島正則まで、次々と重層的に話を盛り上げてゆく。関ヶ原の戦いへの三成の戦略や三成の対家康への経済戦など、新鮮な解釈に刺激される。8本目の槍石田三成の造形が見事の一言に尽きる。
豊臣家の股肱たち
2022/12/31 20:02
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かず - この投稿者のレビュー一覧を見る
豊臣家は存続する未来はなかったのか?股肱之臣は、何故分裂してしまったのだろう?石田三成と加藤清正と福島正則が共に手を携えていたならば!ずっと思っていましたが、心は繋がっていました。この物語でわかります。
こんな石田三成は見たことない
2022/07/18 00:03
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:future4227 - この投稿者のレビュー一覧を見る
吉川英治文学新人賞受賞作。『幸村を討て』と同じ手法で、賤ヶ岳七本槍と呼ばれた武将たちを描いた連作短編集でありながら、間接的に石田三成を描く。とりわけ朝鮮出兵以降、武闘派と文治派の対立が通説となっているが、ここでは全く新しい解釈で衝撃的なアナザーストーリーが展開される。糟屋武則、脇坂安治、平野長泰などあまり日の当たらない武将たちを主人公に据えているのもいい。同じ釜の飯を食った同期の絆に胸が熱くなる。通説よりもこちらが真相であって欲しい。読後は全く新しいスーパー石田三成像が完成しているはずだ。
石田三成
2022/06/30 00:34
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
石田三成というと大阪城での敗軍の将です。ナゼ八本目?……と思いましたが、賤ヶ岳の七本槍の1人ずつを主人公にした7つの短編で、その中に入らない石田三成が八本目。なるほど。
八本目の槍
2022/11/03 15:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kon - この投稿者のレビュー一覧を見る
石田三成を七本の槍の立場から描かれています。三成を色々の角度から見ていますがもう一歩ワクワク感がなかったです。他の歴史書は好きなのですが、何か一つ集中できず飛ばし読みでした。三成を少し美談ぎみかな。少し残念です。