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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
田舎のキャンプに集まった少年少女。適性を期待され、国に選抜された彼らは人類の未来を担う「虚ろ船乗り」になるため集められました。
国家プロジェクトでもあるため、そこには既得権益や助成金やら裏金的な金の匂いも。
さらに、主人公の少女の両親の死にまつわる真相も関わってきます。
一万年後の地球滅亡までに住める星を見つけるため、永い任務に適した身体に変質させていきます。その特質は吸血鬼。
人類と吸血鬼の関係。人類が採るべき進化の道筋が示されますが、それが進化なのか滅亡なのか、希望があるのか絶望なのか微妙なところ。
一万年後という自分の事として考えるにはあまりに遠い未来。しかし、地球規模では瞬きの時間でしかない。遠い未来と足元の事件の落差が激しく、不思議な気分になります。
吸血鬼−ゴシック+日本+SF=恩田陸
2024/07/01 10:31
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投稿者:にゃんぱり - この投稿者のレビュー一覧を見る
この小説を仮に数式で表すとこうなるのではないか。
吸血鬼はヨーロッパの城から日本の地方都市そして宇宙へと。
あらゆる小説の素材を料理する天才シェフ恩田陸があなたを今夜も素敵なディナーにご招待します。なお、胃の弱い方はご遠慮ください。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
吸血鬼モノですから、SFのジャンルだと思います。けど、かなり、入れ込んで一気に読みました。何があるのか、知らされないまま、キャンプにやってきた少年少女。適正を調べられて……。
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読むのが勿体無くてなかなか読めなかった恩田陸の長編!
とはいえ吸血鬼?SF?大丈夫なの?とちょっと不安ではあったものの、読み始めたら一気読み。
なんだか不思議な話で、色んな要素が散りばめられており、どこにどう感じたらいいのか少々混乱する感じではあった。
あまり疑問を持たずそのまま読んでしまえば、純粋に謎があり面白い。
読み手か奈智と一緒に「キャンプ」について、徐々に内容を知っていく過程は面白かったなぁ。
和製吸血鬼?とか、深志兄さんはそんな魅力的?とか、もう一人の木霊は?
城田の登場はあれで終わりなの?なんかもっとこーキーパーソンにならないの?とか、色々思うとこはあるけど、全部引っくるめて恩田陸!
また恩田さんの新作長編読みたいなぁ。
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人類がそういう起源だったなら
地球の滅亡、少年少女たちのキャンプ、そして祭り
恩田ワールドの波動は心を鷲掴みにし、翻弄する
ダークエネルギーやら出たあたりで胡散臭いなあと思ったけど、盆踊りでトランス発想はなかった
書き下ろしだったらと思うことはある
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-夏の夜。どろりと濃い、磐座の夜の底で-『ええ。たとえ、どんなに-どんなに恐ろしいことが起きようとも、ね』『-終わりが始まるのよ』 評価が星が五つじゃとっても足りないよ、ああ、なんという物語。2022年最初の読了本。2021年末から跨いで奈智とともに磐座の日常と【終わりの始まり】を迎えた。
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内容をよく知らないまま、600ページ弱というボリューム感に圧倒されつつ読み始めたけど、2日で読了。
完全に「虚ろ舟乗り」の世界に引きこまれてしまった。なぜなら、夢にまで出てきたので(笑)
独特な世界観は、やはり恩田さんだなと思った。
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すごい、SF!現実になりそうで、ならなさそうで。
薔薇と血と吸血鬼と。耽美なワードが乱立するけど、土着の薄寒さもあり。隧道という言葉の響きと不気味さも良い。
トワの話から思い描くはスタートレックに出てくる、Q連続体。恩田さん作品に昔から出てくるの無意識の共有の集大成のような物語でお腹いっぱい。
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これぞ恩田ワールドといった内容で、最後まで楽しく読んだ。
磐座という土地で昔から行われている祭りとSFという組み合わせが奇想天外で面白い。
恩田さんは思春期の少年少女の描き方が本当に上手いと思う。あんなに嫌味がなく素敵な少年少女が登場することに、いつも感心させられる。
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表紙には「吸血鬼SF」とあるけれど、さわやかでどろどろした青春ものでもあり、ホラーやミステリ要素もあり(本当に吸血鬼SFでもあり)と、恩田陸ワールド全開でした。
分量、スケールの大きさ、それでいて細部までらしさ満載と、過去作を思い返してみても匹敵するのがなかなか思いつかないくらい。(蜜蜂と遠雷くらいでしょうか?趣きは異なるけれど)
また、話の面白さはもちろんだけれど、今までいろいろな作品に出てきていたモチーフがちりばめられていて、長年恩田陸を読んできた人間にとってはプラスで楽しめる本です。
ひとつ、集大成というか節目となる大きな作品なのかな、と思います。
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現代の宇宙科学とSF。ダークマターの存在をうまく料理して少年少女物語を展開するのは恩田陸ならでは。
なぜ血を吸われても元気なのか。またなぜ血を吸わねばならないのか。不思議な事は残るが、次の天海もありそうあなので、楽しみ。
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夏が近づく季節、母方の故郷・盤座で行われる
長期キャンプに参加することになった奈智。
それは、「虚ろ舟乗り」の適性を見極めるための
もので…。美しくもおぞましい吸血鬼SF。
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現代版怪談話それも長い長い怪談話だった。それも架空の地の生活風習虚ろな船に乗り地球以外の星に行くことに他人の血を吸う若者達、全編に不穏な気が満ちている作品だった。おお!怖ッ!
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久しぶりに明確に面白かった恩田陸
いつだって好きだけどぼんやり終わらなくてよかった
SFと恩田陸の少女が大人に変わるときが綺麗に融合していた
忘れた頃にまた読みたい
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なんの予備知識もなく読み始めたが、SFだった。雑誌で十数年に渡り連載されてきた長編。
子供がキャンプに参加する目的が、恒星間航行船乗り組への適性を調べるものなのだが、この地域や世界観や適性乗務員の変化(血切りなんかはいい感じ)とか実に独特の世界が広がり楽しい。オカルト的要素も満載。とても丁寧に書かれているので、その世界にすっかり入り込んでしまった。次々と起こる出来事が自分事として読むことができて良かった。