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投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
そして、美味しいご飯が味わえる!というのが小説好き、ご飯好きにはたまらない。
こういう痛快に解決していく物語も好きなので、同シリーズも読んでいきたい。
鋭いお蔦さんと、優しく聡い料理上手な孫の望のバディは健在
2022/07/24 18:02
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
シリーズも4作目。珠玉の短編ミステリィーを、孫の滝本望の作り出したうまそうな料理を楽しみつつ読み進む。
表題作『よろずを引くもの』は、商店街にて万引きが頻発し、その犯人をつかまえようとした和菓子屋のご主人けがをした。しかし、その犯人は万引き依存症で...。
そこに続く物語のいずれも、暮らしの中にある様々な問題をエピソードに選び、その解決談が、快感である。特にやはり、お蔦さんの采配がさすが。読了したはしから続編が読みたくなります。
ちょっとした、それでいて見過ごせないもの
2023/05/27 19:25
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
日常のちょっとした謎を解き明かす連作ミステリ。
表面上はちょっとした傷だが実は深い裂傷。
そんなエピソードが多い。
「金の兎」の表紙ページ
タイトルが模様に埋もれて読み辛い。
もう少し配慮を。
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お蔦さんシリーズ、望の作るご飯が美味しそうなことと筋の通った物言いのお蔦さんが素敵
口出しし過ぎないところにお蔦さんの格好良さと優しさを感じる(特に『孤高の猫』でのふるまい…)
今作はその後どうなったのかなと気になる人々がたくさん出てきた
神楽坂での出会いをきっかけにその人たちの人生が良き方に向かいますように
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タイトルの意味を知り物語と引掛けで関心しました。その他、長毛種の野良猫も話題に人の気持を薄々感じる描写がいいなあ。
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「お蔦さんの神楽坂日記」の待望の最新作。短編6話と掌編1話。しかし今回は全体的に軽め。大きな事件は起きないし,気になってた望と楓の恋模様も大きな進展はなかった。
第1話「よろずを引くもの」。よろずを引くってなにかと思ったら文字通り万引だった。神楽坂商店街でも万引の被害は深刻らしい。今回は菓子舗伊万里の主人が現場を目撃して追いかけて捕まえようとして抵抗されて転んで怪我をした。犯人は若い女だった。望と洋平が伊万里の主人から聞いて似顔絵を作ったところ,数日後,洋平の家の薬局に犯人と思しき女が現れた。第2話「ガッタメラータの腕」望むの所属する美術部の先輩が製作した腕(だけ)の石膏像が美術室から忽然と消えた。どこへ消えたのか,その犯人は誰か。第3話「いもくり銀杏」望むは楓が大学生風の男とコーヒーショップにいるのを目撃して悩む。その後,央子さんが二人の子供の兄妹をお蔦さんのもとにつれてくる。一応母親が誰かは知っているが,その母親が2人を残して数日帰ってこないらしい。第4話「山椒母さん」おつたさんの芸者時代の仲間,勝乃が当時の置屋のお母さんをお蔦さんのもとにつれて来た。当時急に姿を消した芸妓・初乃の消息を探してほしいという。以前,勝乃宛に届いた手紙には「八王子にて」と書かれていて,更に日舞をまだ続けていると書かれていた。それだけの手掛かりから捜索を開始する。第5話「孤高の猫」神楽坂商店街で愛されていたふてぶてしい猫「ハイドン」が姿を見せなくなった。子どもたちを中心に捜索が開始される。第6話「金の兎」お蔦さんの役者時代の仲間赤羽吉次が亡くなり,お蔦さんは浜松の吉次の家を訪れる。吉次はかつて最初の妻をなくした後,かなり年の離れた五歳を迎えた。その結婚祝いとして出演した映画の監督から贈られた金の兎の置物が行方不明になっていて,それを探してほしいとおつたさんに依頼があったらしい。最後の掌編「幸せの形」は楓が父・奉介の誕生日にケーキを作ろうと,望に手伝ってもらって奮闘する話。
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西條さんの現代モノでは(他にたくさん読んだわけではないが)このシリーズが一番好き。
今回はこれまでより事件の解決があっさりしていたかな。
各話の登場人物たちの抱えるままならない家庭の問題に胸が痛むが、それをどうにか受け入れながら清々しく生きていく感じに救われる。
そして望のお料理の細かい描写が魅力。
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西條さんの書くお話、本当に好きだな〜
そしてお料理もいろいろ美味しそうで。
料理上手かつ、料理好きなんて素晴らしい。
図書館の返却期限があるので急いで返してしまったけど、印象に残ってるのはハイドンの回かな。
あの男の子たちはどうなったのだろうか。
賢いねこって敏感にいろんな気配を察知しますね。そこも素敵。
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元神楽坂芸者で元映画女優、今は<多喜本履物店>店主の『お蔦さん』と呼ばれるおばあちゃんとその孫で高校生の望が活躍するシリーズ第四作。
西條さんには珍しい現代ものでもある。
神楽坂商店街で頻発する万引き事件
美術部長が作った石膏像の紛失事件
幼い兄弟置き去り事件
神楽坂芸妓界重鎮の頼み
孤高の地域猫ハイドンの失踪事件
父の遺品『金の兎』の行方
前作「みやこさわぎ」が2016年(単行本)出版だったのでずいぶん間が空いていて記憶が定かではないのだが、今回はいずれもサクッと解決した印象。だが事件関係者にとっては寧ろこれからが長い闘いになるのだろうと心配する話もあった。それでもお蔦さんや望、神楽坂商店街の人々の優しさで救われている。
もしまだシリーズが続くのなら、彼らのその後に少しでも触れてくれればありがたい。
おばあちゃん探偵と言えば吉永南央さんのお草さんシリーズを思い出すが、こちらのお蔦さんは真逆のキャラクター。
言うべきことはズバッと突きつけるが、突き詰めてはいけないことは言わないし深入りしない。
その匙加減がよく分かっているのは芸者として長年人を見てきた経験からだろうけれど、もって生まれたお蔦さんの才能でもあるのだろう。
言い方は容赦ないし人によっては毒舌に映ることもあるかも知れないが、許せてしまう。『粋』という言葉がそのまま当てはまる格好良いおばあちゃん探偵だ。
孫の望はさすがにそこまでの域にはたどり着けない。だが一生懸命考えて動いているところは好感が持てる。友人の洋平も相変わらず分かりやすくて優しい。
何より相変わらず料理の腕は抜群。
高校一年生にして、和食、中華、洋食、スイーツ、何でも来いなのだ。
それもそのはず、滝本家は代々男性が料理好きで女性は全く料理が出来ないという不思議な家系。
料理は出来ないのに舌が肥えているお蔦さんのために転勤で札幌に移った両親と離れ神楽坂に残った、実に祖母思いの望。お蔦さんの要望はどんどん高くなり、おかげで料理の腕はますます磨かれているようだ。
望の淡い恋の方は全く先が見えず。しかしそのお相手は致命的に料理が苦手らしいので、これは将来の奥さん候補の条件に見事当てはまっている。
また普段は誰にも臆せず、苦手な子供相手にも思いやりを見せているお蔦さんが珍しく余裕がなく、逆にやり込められている相手がいるというシーンが面白かった。
※シリーズ作品一覧
レビュー投稿は本作のみ
①「無花果の実のなるころに」
②「いつもが消えた日」
③「みやこさわぎ」
④「よろずを引くもの」本作
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元芸者のお蔦(つた)さんと暮らす孫の滝本望(たきもと のぞむ)のシリーズ、第4弾。
相変わらずのお蔦さんの眼力である。
それは、芸者時代に培ったものだろうと気づいた。
お客さんから求められているものを即座に見抜き、触れられたくない事には触れない。
人間観察と勉強をコツコツと重ねていたのだろう。
身の回りで起こる事件の本質を鋭く推理するお蔦さんだが、スパッと犯人見つけて解決!というふうには行かない。
問題は、最終的には本人が自分の力でなんとかしなければいけないことが多いからだ。
ただ、お蔦さんは、そのためにはいくらでも協力する、いつまでも味方である、と寄り添うことを忘れない。
毒舌だけど、本質は優しいのだ。
『よろずを引くもの』
商店街で万引きが頻発!
和菓子屋のご主人が犯人に突き飛ばされて怪我をしてしまった!
『ガッタメラータの腕』
望の所属する美術部での事件。
お父さんとエプロンに寄せる、複雑な娘心。
『いもくり銀杏』
大事に至らなかったから良かったようなものの、こういう事件が近頃本当に多い。
手を差し伸べない社会も悪いのかもしれないけれど、無知なまま子供を産むのも問題。
「知らない」ということは時に、大いに危険である。
『山椒母さん』
あのお蔦さんでもぐうの音も出ない、置屋のお母さんは、なんとなくお蔦さんの更なる発展形っぽい!
『孤高の猫』
これも、どうしようもなく悲しい家族。
『金の兎』
お蔦さんは若い頃、佐原䔍代(さはら つたよ)の名で映画にも出ていた。
懐かしい、キネマの時代。
『幸せの形』
家族の幸せも、個人の幸せも、さまざまな形がある。
みんな、自分がぴったりハマる幸せの形を、一生かけて探していくのだ。
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頼れるお蔦さんの元には、みんなの相談事が集まってくる・・・・・・
もと芸者のおばあちゃんと孫の望が、秋の神楽坂で起こる事件を見事に解決!
直木賞作家・西條奈加が贈る大人気シリーズ最新短編集!
多発する万引きに町内会全体で警戒していた矢先、犯人らしき人物をつかまえようとした菓子舗の主人が逃げる犯人に突き飛ばされて怪我をしてしまった! 正義感に駆られる望と洋平は、犯人の似顔絵を描こうと思い立つが……商店街を巻き込んだ出来事を描いた「よろずを引くもの」を始め、秋の神楽坂を騒がす事件の数々を収録。粋と人情、そして美味しい手料理が味わえる大好評シリーズ、待望の最新作!
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お蔦さんの元には、きょうも厄介事が向こうからやってくる。それに伴って、お蔦さんの手足となって働くのは、孫の望であるのも相変わらずである。万引き犯や亡くなった片腕、お蔦さんも緊張を隠せない置屋の「おかあさん」の来訪、いなくなった野良猫、金のうさぎ、などなど、他ではあまり見られないような厄介事が満載である。神楽坂のご近所の人間関係も絡めつつ、関わった人々の心も解きほぐしてしまうお蔦さんなのであった。次も愉しみなシリーズである。
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お蔦さんシリーズ-!嬉しい。連作。
相変わらずごはんがおいしそうである。
簡単に解決しない問題だったり、時間がかかる問題だったり。
でもなんとかやっていこう!という気持ちになる。
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人情咄にホロリとするが、挿し絵怖すぎ。神楽坂、最近ご無沙汰だけど、粋な身なりのお蔦さん、毘沙門天辺りの黒塀の路地で水撒いてそう。「これは幸せの形だね。不完全で傾いているからこそ愛おしい。幸せって、そういうものだろ」
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【収録作品】よろづを引くもの/ガッタメラータの腕/いもくり銀杏/山椒(サンショ)母さん/孤高の猫/金の兎/幸せの形
「万引」をしてしまう病気、親の離婚に傷つく心、ワンオペ育児の挙げ句の育児放棄、実家に居場所がないと思いこみ逃げ出す娘、居場所を得られない加害者家族、後妻の娘の先妻の息子に対する引け目、ちょっと傾いた幸せ。
現代の社会問題を垣間見せる連作。
「いもくり銀杏」は特に痛い。近所が気づけないのか、気づいても助けないのか。助けないのはけっして悪意からではなく、遠慮や怯えからだったりする。長屋話を読んだ後ということもあり、他人との距離のとり方を考えてしまう。
「孤高の猫」も心が痛む。家族というだけで石を投げてもいいのか。ヒマというか、何様、というか。人を責められるほど自分は真っ当なのか。(本当に真っ当な人ならそういうことで他人を責めないと思うけどね。)
イラストの方が前の単行本と代わってしまい、児童書かと思った。シリーズのテイストと合わない気がして残念……なのだけれど、文庫はずっとこの方だったみたい。とすると、文庫にあわせたのかぁ。
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「お蔦さんの神楽坂日記」シリーズの最新刊。
西條奈加さんの本は心が癒されるものが多いです。
お蔦さんは今ではおばあさんという年齢ですが神楽坂の元芸者で気風がよく叱り方もうまい。
お料理が上手な孫とおじさんと住んでいます。
今回も短編が組み合わさった形式で事件を通じて優しい解決方法をさぐります。