日米同盟・最後のリスク
著者 布施祐仁
今、多くの日本人が知らないうちに大変な事態が進行している。米軍が日本全土に核が搭載可能な新型ミサイルを配備しようとしているのだ。このままでは唯一の戦争被爆国である日本は他...
日米同盟・最後のリスク
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商品説明
今、多くの日本人が知らないうちに大変な事態が進行している。米軍が日本全土に核が搭載可能な新型ミサイルを配備しようとしているのだ。このままでは唯一の戦争被爆国である日本は他国の軍隊に核ミサイルを配備され、中国・ロシアとの「恐怖の均衡」の最前線に立たされてしまう。独自の日本政府文書発掘で知られ、ジャーナリストとして第一線で活躍を続ける著者が計画の全貌を報告し、警鐘を鳴らす。
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日本はアメリカの植民地だろうか、米中の関係を良くする立場にあるはずだが
2024/01/30 10:05
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投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
日米安保条約は日本を守るために存在すると信じている日本人は多いと本書で指摘される。しかし、他国を守る軍隊というのは存在するのであろうか。所詮、アメリカ軍はアメリカを守るためにあり、アメリカを守るためについでに日本を守るというのだろうか。それも違うといえる。アメリカ軍の兵士が大きな被害を被ることになれば、さっさと撤退するであろう。本書でそのあたりのことを明確に指摘している。日本政府は安保3文書の改定を行い、敵基地攻撃能力を明確に整備するとし、防衛予算を大幅に増加させるという。そのため、琉球弧といわれる地域にミサイル基地を建設し、明らかに中国にミサイルを撃ち込める中距離ミサイルを配備するという。反撃能力と言い換えているが、戦争の常道として敵基地、特にミサイル基地は真っ先に狙われる。この危険としか言いようのない状況を作らせないため、ヨーロッパで運動が起こり、米ソが中距離ミサイルの全廃で合意したINF条約の制定を見た。この努力がないままで、中距離ミサイルを配備すれば危険性が高まり、長期の平和を確保できなくなる。このあたりのところを、歴史的な経過を追いながら、解説をしている。目次を見ると、
はじめに
序 章 南西諸島で進む自衛隊のミサイル配備
第1章 三矢研究 1960年代
第2章 日米共同作戦計画 1970年代
第3章 シーレーン防衛 1980年代
第4章 日米軍事一体化 1990~2010年代
第5章 米中対立と核ミサイル戦争 2010年代~
おわりに
主要参考文献 となっている。
以上のように展開される。第二次世界大戦において、沖縄は米軍を中心とした連合軍の猛攻撃を受けたが、日本本土の攻撃を受けるのがわかっており、時間稼ぎのための犠牲として位置づけられた。日本の敗戦が決まり、その後、沖縄はアメリカの支配を受け、日本本土から追い出されてきた米軍基地が沖縄に移っていく。北海道はソ連の攻撃が想定されるため、米軍基地はなく、自衛隊が最前線に立たされることになった。今の沖縄には自衛隊が来るのを容認する層があることは間違いないが、地域を守ってくれると思ってのことである。ミサイル基地が来るとは思ってみなかった、基地から離れた地域に住む人であったり、ズレは否定できない。今、アメリカ軍の海兵隊は常駐せず、軍の必要に応じて動かされることになり、現在の米軍基地や自衛隊基地、民間空港、港湾を自由に使用するという方向に変わりつつあり、沖縄から九州に広がってきている。まさに、安保神話によりかかるリスクが明らかになってきている。日本が直接攻撃されるのでなく、巻き込まれ日本が戦場になっていくリスクの顕在化であろう。この問題を、時代状況の変遷をたどりながら展開されていく。情報公開請求を重ねながら、地道に裏付け資料を収集し、思い込みでない現実を顕わにする。一読してほしい本である。