- 販売開始日: 2022/05/17
- 出版社: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- レーベル: ディスカヴァーebook選書
- ISBN:978-4-7500-0081-7
天人の橋
著者 立原えりか
立原えりかが理想とする男と女の関係を鮮やかに描いた表題作『天人の橋』他、珠玉の短編8作を含むファンタジー集。(※本書は2000/8/1に発売し、2022/5/17に電子化...
天人の橋
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商品説明
立原えりかが理想とする男と女の関係を鮮やかに描いた表題作『天人の橋』他、珠玉の短編8作を含むファンタジー集。
(※本書は2000/8/1に発売し、2022/5/17に電子化をいたしました)
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幼き日の夢と愛を失わないために…
2004/09/19 23:27
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まざあぐうす - この投稿者のレビュー一覧を見る
人を想う気持ちには、適齢期というものはない。生きている限り、人を想い、切ない思いを繰り返すのが人間かもしれない。人を想うことが、必ずしも幸せにつながるとは限らないとしても、人を想う気持ちを失くしてしまった人ほど、悲しいものはない。
そんな自分も40歳を過ぎて、ときめくことを忘れていた。ときめきよりもあきらめに満ちた日々、ふと手にした一冊。
「さくら湯の客」「淋しいストーブ」「グミの森の王」「暑い夕方」「夜の鳩」「妹」「福袋」「降誕の夜」「天人の橋」、男と女の出会いと別れを描き、幼き日の夢を甦らせる珠玉の短編8作に出会った。
9歳の頃から「さくら湯」という露天風呂を沸かし続けて、独り身のまま桜の季節に亡くなった弦じいさんが最期に見たものは…。
ストーブの精を愛してしまった京平。
小さな金のヘビとして生きているグミの森の王を愛した後、ヘビを捨て人間の男を愛してしまった佐藤グミの最期は…。
貧しさから、魚になってしまった家族。
ふたつの魂をつなぐ薬を信じて疑わなかった獣医師善生の一途な思い。
ローズガーデンマンション十階の七号室に住んでいた作家が綴った物語。
初恋の人との再会を叶えてくれた福袋の赤い糸玉と猫の縫いぐるみ。
夢をあきらめないことを教えてくれた老女ジョセフィーヌ。
観音の化身を本気で愛した海賊・海王丸。
立原えりかの描く男と女の関係は、神話の域に達するほど美しい。それでいて、現実の世界を鮮やかに描いている。
誰もが自分の運命を生き抜くほかない。男と女の出会いにも、それぞれの運命が秘められている。その運命を精一杯生き抜く姿は切なく美しい。
人を想う時、誰もが幼き日の夢を思い出すものなのだろうか。たとえ、その恋が成就されないとしても、幼き日の夢は、自分の運命を生き抜く力を必ず与えてくれる。
心が枯れてしまいそうな貴方にお勧めのファンタジー集。