三流週刊誌の文章のような・・・でも面白かったです。
2022/06/20 14:06
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
さながら三流週刊誌の記事のような体裁の文章の感じがしました。ですが、取り上げられている脱走犯の話は知っている話を追求したものが多かったこともあり、面白いない費用でした。さらっと読むのに適した1冊と思います。
投稿元:
レビューを見る
高橋さんのノンフィクションは最後の章がいい。丹念な取材を重ねたレポートを読んだあとに、「事件の詳細を知りたい」という読者の好奇心を肯定してくれる。人間は、面白い。
投稿元:
レビューを見る
序章 暗がりに目を向ける――小説家・道尾秀介との対話
メディアは物語を欲する
リアルとリアリティ
緑色のうさぎ
事実は小説より奇なり
第1章 丁寧すぎる犯行手記―松山刑務所逃走犯
第2章 めっちゃ似とる―松山刑務所逃走犯
第3章 自転車で日本一周―富田林署逃走犯
第4章 手記を得る―富田林署逃走犯
第5章 最強の男―白鳥由栄の逃走
第6章 必ず壊せる―白鳥由栄の逃走
終章 逃げるが勝ち?
人質四方から保釈拡大へ
保釈後の生活がユルい日本
精密司法
自白偏重主義の功罪
どこまで監視すべきか
文化の反映
リスクへの柔軟性
投稿元:
レビューを見る
途中のドキュメンタリー部分までは面白かった。瀬戸内海を泳いで渡った話など。ゴーンがあっさり終わったり、法律の問題部分は少し残念。
投稿元:
レビューを見る
ふたりの脱走犯との、手紙のやりとりや、脱走王の異名を持ち、4度の脱走歴をもつ白鳥由栄。そして、カルロス・ゴーン。
松山刑務所が塀のない刑務所で、日本には4つしかないということをはじめて知りました。比較的、自由であるからこそ、人間関係に辛くなり逃げ出したということでしょうか。最後に脱走犯が捕まるときに、ホッとしたというのは印象的でした。
自転車で2ヶ月近く、逃げ回ったひとも凄いと思うけど、逃げるには運も必要かもしれませんが、お金こそが必要だと感じました。
いつかは捕まるとは言え、警察の失態というものも、決して終わることがないなと思いました。脱走王の話に、人の油断があるからこそ、脱走ができるみたいな話もあり、人である以上、完璧を望むのは難しいのかなと感じた部分もあります。それたと困るのですが。
日本の司法が自白編重主義の話や、保釈金の話、海外の保釈後のGPSを付けて監視するなど、人権との兼ね合いもあったりするかもしれませんが、日本でも考えても良いのではと思う視点もありました。
投稿元:
レビューを見る
逃走犯、脱獄犯
自分に危険さえなければ、興味を引くものだ
逃走にも色々なケースがある
分かりやすいのは脱獄だが、それだけではない
保釈金を積んで保釈された被告人などは逃走したとしても、逃亡罪などでの拘束力が弱いという日本の現行法での問題点もあるそうだ
だから逃げるが勝ちになってしまう
憲法問題にもなる警察のGPS監視も、まだ線引きが曖昧なままになってるようだ
検挙後なり逮捕後の逃亡を防ぐために限定されれば、GPSの使用は認めるべきなのだろうか
2018年4月愛媛県今治市の刑務所から脱走
尾道の向島に2週間潜伏し最後は広島市内で拘束されて刑務所に戻された平尾龍磨27才
23日間の逃走
2018年8月富田林警察署から脱走して自転車で四国を回り山口県周南市で捕まった樋田淳也32才
49日間の逃走
◆ 脱獄王 とにかくすごい実在の犯人
白鳥由栄という明治40年生まれの男 25才で殺人
盛岡で逮捕され青森刑務所へ移送
鍵を開けて
脱獄 30才 2日で確保される
公判は昭和11年8月
宮城刑務所、小菅刑務所を経て、秋田刑務所へ移送 昭和16年10月
天窓を壊して
昭和17年6月脱走
3ヶ月間の逃走
昭和18年3月判決 4月に網走刑務所に移送
手錠と足錠
視察窓から廊下へ、さらに天窓から
昭和19年に脱獄
2年間の逃走
昭和21年終戦を知り札幌に出て逮捕
死刑判決を受け札幌刑務所に投獄
床下に穴を掘って
昭和22年4月脱獄
300日間の逃走
懲役刑に減刑
府中が刑務所に服役
脱獄はせず昭和36年12月に仮出獄の許可
昭和54年に亡くなるまで再犯は無く暮らした
2019年6月逮捕収容前に逃げた小林誠 43才
4日間の逃走
ここまでは 逃走しても最後は逮捕され服役しているが、服役してないケースもある
2018年11月逮捕
2019年3月保釈 12月29日レバノンに逃亡
カルロス・ゴーン 65才
逃げるが勝ちの状況は続いている
投稿元:
レビューを見る
なんか、やはり、とびぬけた人というのは居るんだな。逃げるってすごい。やっぱり、平均から離れたところはある。
投稿元:
レビューを見る
待遇改善を訴えるために脱獄したり、逃た後日本一周とプレートを掲げて自転車で逃げたり話題になった逃亡者の裏事情がわかって面白い。
最後に保釈金にに頼っている現在の保釈制度について疑問を投げかけていて興味深かった。
投稿元:
レビューを見る
事実は小説よりも奇なり。ドラマや映画の題材に良く使われる脱走。実際の逃亡事件を題材に保釈制度のあり方の問題提起も行う一冊。
吉村昭の「破獄」のモデル4度の脱獄に成功した白鳥由栄、自転車日本一周を装い49日間逃亡した富田林署逃走犯など。合わせて現在の保釈制度の問題点を語る章からの構成。
やはり実際に合った事件の内容は素材として最高に旨みがある。
ただし、保釈制度についてはそれまでの章と関連はなく、取ってつけたような印象。
投稿元:
レビューを見る
以前にこの著者の「つけびの村」を読んだことがあるが、実際の出来事なのにまるで小説を読んでいるかのような気持ちになったことを思い出した。
こちらの書は、しっかりと取材を元にしているが、TVでのワイドショーの記憶もまだ新しいので、そんな事があったなぁといくつか思い出す。
特に大阪富田林署から逃走して、自転車で日本一周中と自ら言いながら瀬戸内まで走っていたというのは、よく覚えている。
だが、第5章の最強の男 白鳥由栄の逃走が、4度もあり、小説『破獄』の佐久間清太郎、『ゴールデンカムイ』の白石由竹のモデルになったとは知らなかった。
序章の小説家・道尾秀介との対話の中で「事実は、小説より奇なり」の件を触れていたが、確かに想像を超える事実がある。
投稿元:
レビューを見る
前作の時も思ったけど、物事のみかたに結構な偏りがある気がする。無自覚なのか、わかっててそれを書いてるのかわからないけど。その辺りが読んでてしんどいのかも。
投稿元:
レビューを見る
服役している人または拘留されている容疑者が逃亡し再逮捕されるまでの経過をたどった本。最近の事件が多く報道でも内容を知っていたのでそれほどの驚きはなかった。著者は逃亡した容疑者に取材を試みる過程も少し記載しているが、相手も下心が出てきて上手くいかないんだなと思った。
投稿元:
レビューを見る
新書ではありますが、中身はノンフィクション
です。取材対象は「脱走犯」。
記憶に新しいところでは松山刑務所から脱走し、
泳いで四国から本州へ渡り、逃走を続けたあの
事件です。
最後には広島カープの本拠地球場近くで捕まっ
た映像をニュースで観た人は多いと思います。
スリリングな脱走劇は、過去にもドラマや映画
の題材として扱われてきました。
しかし現実に発生している脱走は「警察官の隙
を見て」や「監視が持ち場にいない時を身はか
らって」とか、え?そんなにユルいの?と思っ
てします要因ばかりです。
そのユルさは日本の法制度に起因しています。
この本では海外と比較してなぜ日本の法制度が
ユルくなっているのか、なども分かりやすく解
説されています。
「どうせ捕まるのだから逃げなきゃいいのに」と
思っている方は、ぜひこの本を読むべきです。
日本では「逃げなきゃソン」とばかりの環境が
目の前にあるのです。驚きの一冊です。
投稿元:
レビューを見る
4回も脱獄した人がいたなんて知らなかった…。
もはや、脱獄すること自体が目的になっていたようにも思うけど、その執念と実際に脱獄出来てしまう能力も凄まじい。でも、犯した罪は凶悪で、単純に「すごい」と讃えられるものではない。
最近の事件でも、海を泳いで渡ったり、自転車日本一周に見せかけたり、考えられないような方法で逃げ延びようとしていたのは、話としては興味深いけど、大半は結局捕まることになるのだから、逃げなきゃいいのに、と思う。
投稿元:
レビューを見る
逃げるが勝ち
~脱走犯たちの告白
著者:高橋ユキ
発行:2022年6月6日
小学館新書
「Slow News」(調査報道サイト)での連載を加筆修正
タイトルからは「逃げるが勝ち」を人生訓にしているエッセイのように思えてしまうが、サブタイトルにあるように、3人の脱走犯たちを中心に彼らの告白文や手記などに加え、彼らが逃走していた街の人々への取材で構成されたノンフィクション。記憶にも新しい2人の逃走劇については、著者自らが潜伏先だった街で取材したり、逃走犯に直接書いてもらったりした文などで構成。もう1人は「昭和の脱走王」について、資料などをもとにルポしている。また、最後のまとめの章では短くいろいろな脱走者、逃走者について書いているが、日産のカルロス・ゴーンも登場する。
1.尾道水道を泳いで渡った脱走犯
〝塀のない刑務所〟という言葉をよく聞く。日本には市原刑務所(千葉県)、網走刑務所・二見ケ岡農場など4か所あり、1955年から設置されていったという。
その一つ、松山刑務所大井造船作業所は1961年に開所した。民間造船所「新来島どっく大西工場」内にあり、敷地内にある5階建ての「友愛寮」で共同生活をしながら仕事場に通う。寮の部屋に鍵や鉄格子はない。初犯で刑期が10年未満、概ね45歳以下で協調性がある模範的な受刑者というような条件を満たした受刑者ばかり。もちろん、松山刑務所本体には普通の刑務所施設があり、他の受刑者たちが入っている。
2018年4月、ここから逃走し、車を盗んで離党の向島に入り、何軒かの空き家に2週間ほど潜伏。今度は尾道水道を泳いで渡って本州へと入った。距離は200メートルしかなかったが、尾道水道の潮の流れが速く、流され流されして1時間。最後は死を覚悟して仰向けに浮かんでいるだけだった。やっとのことで本州側に上陸したが、人家の屋根裏に入るなどそこからまた潜伏生活が始まる。結局、23日の逃亡生活ののち、捕まった。
本を読んでいると、この事件のこと、段々思い出してくる。
残りの刑期も長くなく、自由がある程度ある施設で過ごしていたのに、なぜ脱走したのか。不満があったと彼は言う。それは、一般の刑務所にありがちな人権侵害的なことよりも、受刑者でつくる自治組織の幹部との折り合いが悪い、というようなレベルの違う部分での不満だった。その反省から、今は週末だけ松山刑務所に戻し、個室で過ごさせているという。これも感覚的に一般人にはおもしろい話。
著者が潜伏先だった向島を訪ねて住民たちに話を聞くと、彼らは逃走犯に好意的だった。みんな「野宮くん」と親しげ。逆に「どうしてるの?」と聞かれたりもしたそうだ。逃げているとのニュースが流れていたとき、人々は心配したという。「お腹がすいているのではないか?出てくればご飯食べさせてあげるのに」と。
ある住民は、逃走のニュースが流れた日、子供が小学校に遅刻しそうになって車で送ったところ、検問で渋滞してかなり遅刻してしまったという。校門に駆け込んだところ、NHKかどこかが取材していて、そのニュース番組では「小学生が怯えて登校しています」と言っていたので、家���みんなで大笑いしたという。ただ遅刻して怒られそうだっただけなのに、と。
2.富田林警察署の面会室を破って逃げた犯人
弁護士との接見後、面会室のプラスチックの一部を剥がしてその隙間から逃げ出した容疑者。彼は四国を自転車で回り、「日本一周中」のプレートをつけ、出会った人たちとも気軽に記念撮影をしていた。これは記憶に新しい。脱走したのは、2018年8月だった。
弁護士との接見時、警察官は席を外す。だから、接見が終わって弁護士が帰り、その後、容疑者が逃走しても1時間半以上、気づかなかった。大失態だったが、担当の警察官(巡査部長)は、内規で禁止されているスマホを持ち込み、エロ動画を見ていたとのこと。
四国からしまなみ海道を渡って広島県、そして山口県へと入り、周防大島町で過ごす。なんども警察に事情を聞かれるなどしたが、キャンプしながら自転車で日本一周していると普通に答え、なにも疑われずに捕まることもなかった。逆に暗いので気をつけてくださいと警察官から心配の声を掛けられることもあったという。最後は、周南市で万引きをして捕まり、激しく抵抗したために逃走犯であることがばれた。捕まえた万引きGメンは、5時の仕事終わりまであと5分だった。
大阪のある建設会社が、有力な情報提供者に300万円の懸賞金を出した。すると、LINEであっという間にヤクザ界に情報が広まり、ヤクザがどっと動き出したという(アサヒ芸能)。
彼は強制性交等罪など凶悪犯だった。しかし、公判では強制性交罪などわいせつ系については自らの犯行を否定し、「ヨダソウマ」という人物がやったと主張した。ひっくり返すと「マ、ウソダヨ」になるとの報道もあった。
彼が滞在したところは、サイクリストの聖地になった。彼が万引きしたものや購入したものが売れたという。タコ飯を万引きしたというテレビでの情報があり、タコ飯が結構売れた。逮捕時に所持金が数百円しかなかったのに、それでも買いたかったものとして150円の「鳩子てんぷら」も売れたという。どちらも逮捕直前に宿泊していた道の駅「上関海峡」。
3.昭和の脱獄王
白鳥由栄(よしえ)は、計4回、逃げている。網走刑務所の旧舎を移築して再現した「博物館 網走監獄」にいくと、「五翼放射状平屋舎房」があり、そのなかの一つに案内があったのを覚えている。この本を読むと、それが脱獄王・白鳥が収監され、逃げ出した部屋だということが分かる。
彼は、非常に運動神経がいいことに加え、〝特異体質〟であった。手足の裏の皮膚を伸縮させて吸盤のようにできること、そして、体中の関節を自由に外すことができること。首さえ出入りできる穴があれば、猫のようにそこから全身を出すことができた。20センチ×40センチの監視口からも脱走した。彼を取材したジャーナリストによると、松の木の根っこのようなごつごつした肩をしていたらしいが、首を回すと音がして、だらーんと肩が外れるという。痛くないと本人。クッと自分で戻す。
青森刑務所柳町支所(公判が開かれる前)、秋田刑務所、網走刑務所、札幌刑務所から逃げ出した。
*********
欧米では、保釈を捜査側が利用することもある。保釈中に��行し、どこでどういう証拠隠滅をするのかを調べ、新たな証拠をつかむという、いわばチャンスとして利用することがある。
また、欧米では保釈保証会社がビジネスとして成り立っている。保釈される数が多いので成り立つらしい。しかし、保釈金を出している会社としては、彼らが逃走しないように監視をする。