コークスが燃えている
著者 櫻木みわ
筑豊の炭鉱町出身の私(ひの子)は東京に住み、もうすぐ40歳になる。非正規で新聞社の校閲の仕事をしているが、3年限定の仕事なので、いずれ新たな職を探さねばならない。両親は他...
コークスが燃えている
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商品説明
筑豊の炭鉱町出身の私(ひの子)は東京に住み、もうすぐ40歳になる。非正規で新聞社の校閲の仕事をしているが、3年限定の仕事なので、いずれ新たな職を探さねばならない。両親は他界していて、年下の恋人だった春生とは1年以上前に別れていた。新型コロナウイルスが広がるなか、前に弟との結婚騒動で出会った女性・沙穂から連絡があり、東京で食事をすることになる。彼女は看護師で、独りで子育てをしていた。ひの子は沙穂の影響で、逡巡しながらも春生にメールを送ってしまう。すると思いがけず返信があり、再び付き合うことになって……。出会いと別れ、他者とのつながり。現代女性が対峙する実相を、かつて炭鉱で労働を担った女性たちに心を寄せつつ描く、鮮烈な中編小説。
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書店員レビュー
コークスのある人
ジュンク堂書店福岡店スタッフさん
福岡が出てくる小説ですが、チェーンのうどん屋の駐車場で柄の悪い者同士がもめそうになるという描写があって、その巧みさから引きこまれました。(福岡県民にはあるあるとしか言えない描写です)
そんなふうに、自分たちの現実世界と小説の間の膜がうすく、時にわからなくなる小説というのがあります。櫻木さんの小説は、まごうかたなきそれです。
薄給の、いつ仕事がなくなるかもわからない労働者。人間の優しい部分と切り捨てる部分に一喜一憂し、自分の中に生まれた新しい存在をなくして、それでも生きなければならない。
これはこの小説の主人公だけでなく、世を生きる者すべてにあてはまることです。
コークスというのは石炭のかたまり。ずっと熱くくすぶって、なかなか冷めないもの。皆、どのようなサイズかはわかりませんが、コークスを持って生きています。