第三次世界大戦はもう始まっている
著者 エマニュエル・トッド , 大野舞・訳
ロシアによるウクライナ侵攻を受けての緊急出版。 戦争を仕掛けたのは、プーチンでなく、米国とNATOだ。「プーチンは、かつてのソ連やロシア帝国の復活を目論んでいて、東欧全体...
第三次世界大戦はもう始まっている
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商品説明
ロシアによるウクライナ侵攻を受けての緊急出版。
戦争を仕掛けたのは、プーチンでなく、米国とNATOだ。
「プーチンは、かつてのソ連やロシア帝国の復活を目論んでいて、東欧全体を支配しようとしている」――西側メディアでは、日々こう語られているが、「ウクライナのNATO入りは絶対に許さない」とロシアは明確な警告を発してきたのにもかかわらず、西側がこれを無視したことが、今回の戦争の要因だ。
ウクライナは正式にはNATOに加盟していないが、ロシアの侵攻が始まる前の段階で、ウクライナは「NATOの“事実上”の加盟国」になっていた。米英が、高性能の兵器を大量に送り、軍事顧問団も派遣して、ウクライナを「武装化」していたからだ。ロシアが看過できなかったのは、この「武装化」がクリミアとドンバス地方(親露派が実効支配するウクライナ東部)の奪還を目指すものだったからだ。
「我々はスターリンの誤りを繰り返してはいけない。手遅れになる前に行動しなければならない」とプーチンは注目すべき発言をしていた。つまり、軍事上、今回のロシアの侵攻の目的は、何よりも日増しに強くなるウクライナ軍を手遅れになる前に破壊することにあった。
ウクライナ問題は、元来は、国境の修正という「ローカルな問題」だったが、米国の政策によって、ウクライナ問題は「グローバル化=世界戦争化」した。
いま人々は「世界は第三次世界大戦に向かっている」と話しているが、むしろ「すでに第三次世界大戦は始まった」。
米国はウクライナ人を“人間の盾”にしてロシアと戦っているのだ。
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何が一体どうなっているのか
2023/01/23 12:06
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:魚太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
地球全体を俯瞰しての歴史的観点から、現在ウクライナで起きていることを客観的に理解すれば、このような内容になるのだろう。少なくとも、プーチンが悪者でウクライナが被害者だという短絡的な見方は戯画でしかないとわかる。背後にある者の思惑を知れば、これはたしかに「ウクライナ戦争」ではなく「第三次世界大戦」なのである。ならば日本はどう振舞い得るのか。頭の体操をしておくことは必要である。背後にあるものに煽られるようにして前線で血を流すウクライナが、日本と韓国に重なって見える。脅威の対象は「仮想敵国」であるとは限らない。
現実
2023/03/07 16:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ペンギン - この投稿者のレビュー一覧を見る
不謹慎かもしれませんが、とても面白く読ませていただきました。あっちもこっちも、ギチギチで身動きが取れなくなっているんだなーと思いました。きっとこれが現実ってやつなんです。善悪がシンプルで行くべき方向がスパッとなるのは結局はフィクションなんです。
アメリカの不安定さ
2022/07/31 17:27
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とらとら - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本を読んで、アメリカの不安定さや動揺が、いろいろなことの引き金・原因となっていると言っていると感じた。アメリカが不安定であることを前提にしたうえで、アメリカとの関係をどうするか考えて、さらに、世界全体の情勢の見極めと対応を考える必要があると思った。
一般的論調とは異なるが・・・
2022/08/13 21:02
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者はソ連崩壊、米国発の金融危機、トランプ勝利、英国EU離脱などを予言してきたフランスの歴史人口学者である。本書は4章構成で第1章は、『文藝春秋』2022年五月号に「日本核武装のすすめ」として一部掲載の内容である。その一部を紹介する。◆「ウクライナのNATO入りは絶対に許さない」とロシアは明確に警告を発してきたのにもかかわらず、アメリカとNATOがこれを無視したことが、今回の戦争の原因である。(ウクライナは形式的にはNATOに加盟していないが、事実上の加盟国であるという認識)戦争の責任はプーチンやロシアではなく、アメリカとNATOにあるというハーバード大学の国際政治学者の見解を著者は支持している。◆ウクライナ危機は、歴史的意味を持っている。第二次大戦後、今回のような「通常戦」は小国が行うものであったが、ロシアのような大国が「通常戦」を行ったから。本来「通常戦」に歯止めをかける「核」であるはずなのに、「核」を保有することで、「通常戦」が可能になる、という新たな事態が生じた。これを受けて、中国が同じような行動に出ないとも限らない。これが現在の日本を取り巻く状況である。◆日本が完全な安全を確保したいのであれば、核兵器を保有するしかない。核兵器の保有はパワーゲームの埒外にみずからを置くことを可能にする。「同盟」から抜け出し、真の「自律」を得る手段である。核兵器を持たないことは、他国の思惑やその時々の状況という偶然に身を任せることになる。アメリカの行動が危うさを抱えている以上、日本が核兵器を持つことで、アメリカに対して自律することは、世界にとっても望ましい。
ロシアのウクライナ侵攻後初めて著者の見解を公にしたのが、上記の『文藝春秋』。母国のフランスではメディアが冷静な議論を許さない状況にあるため、取材をすべて断ったとのこと。著者の見解は、現在の一般的論調とは異なるが、それだけに一読する意味はあるように思う。
世界大戦への道
2022/07/06 22:22
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
ロシアによるウクライナへの侵攻は終わりが見えない。人口問題を得意とし様々な論説を出してきた著者によれば、これは第三次世界大戦の始まりを意味してる。そしてウクライナでの戦争はアメリカの代理戦争化となっており、その帰結がどうなろうと、アメリカを代表とするNATO諸国は経済が疲弊するかもしれないし、軍事力が低下するかもしれない。中国一国の台頭という未来があるかもしれない。西洋社会が虚無から抜け出すための戦争であるかもしれないのだ。どちらか一方にのめりこまない様に、一歩引いてみることが肝要。
ウクライナ侵攻を客観的に見ると
2022/12/12 00:28
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投稿者:tad - この投稿者のレビュー一覧を見る
今回のロシアによるウクライナの侵攻を新聞やTVなどの大手メディアの報道だけで判断していると見誤ると思いました。さすがフランスが誇る権威。こういう客観的に物事を見るのは本質を理解するには重要です。一方で同じ人類学者でアメリカのジャレッドダイヤモンドはどう思っているのか知りたくなりましたけど。
興味深い
2022/12/09 12:45
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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ウクライナ戦争の原因と責任の分析など、新しい視点で、興味深く読むことができました。世界戦争にならないように、願いたいです。
この人はドイツ嫌いか
2022/10/29 06:23
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投稿者:W124 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルに惹かれて買いましたが、かなりロシア寄りの意見を持った著者のようです。今起こっている戦争のきっかけは欧米の責任というろ論調はいかがなものでしょうか。
逆張りの意見
2022/10/27 08:57
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投稿者:デンジャーメロン - この投稿者のレビュー一覧を見る
現代社会のトップの知見を持つトッド氏、ウクライナ侵攻についてはどのような…と期待して読んだらば、まさかの「原因はNATOと西側諸国」。
けして、「ロシアの肩を持ってます」ということではないだろうが、意外すぎてびっくりでした。
ロシア寄り?
2022/08/02 14:53
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投稿者:sas - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み始めた時、著者はロシア寄りの考え方なのかと思いました。
ページが進むにつれて、著者ぐらい冷静に物を見ることが大切だと思いました。
ロシアの復活とアメリカの焦り
2023/10/18 14:16
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投稿者:かばおじさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
第二次世界大戦後、幾度かの第三次世界大戦の危機を迎えたが、ソ連の崩壊により米ソ冷戦は終結した。しかし米英により武装化されたウクライナに対し、ロシアが侵攻したことで「第三次世界大戦」はすでに始まっているとトッドは主張する。
また今回の戦争の発生原因はアメリカ(とNATO)であり、アメリカの戦略的利益のためにウクライナは利用されたとしてトッドは明確にアメリカ(とイギリス等のNATOの中心構成国)を非難する。
アメリカの真の目的や、ロシアの侵攻に対する非難や制裁への参加国の少なさについては非常に興味深い。世界を俯瞰してみれば「西側陣営」のみがやっきになり、第三世界の国々は冷静に状況を観察分析しているのかもしれない。
また、2023年10月のイスラエルとハマスの衝突についても本書でのトッドの分析をもとにすれば日本も「不必要な戦争に巻き込まれる恐れ」があることを再認識させられる。
(とはいえ、トッドのいう核保持論は安直すぎて賛同できない。現在の日本が核を保持しても経済・政治・軍事的な状況を見ればアメリカから自律(自立)することはできるはずもない)
トッドの真骨頂たる家族システムからの分析は比較的薄めであり、その分要旨は明確で読みやすいが表面的な記述が多い。トッドの思考を理解したければ『我々はどこから来て、今どこにいるのか?』や『エマニュエル・トッドの冒険』など、別の本にもあたる必要があるだろう。