- 販売開始日: 2022/07/08
- 出版社: 小さ子社
- ISBN:978-4-909782-15-1
境目の戦国時代
著者 大貫茂紀
戦国時代、大名の「領土」は、一本の線でくっきりと線引きされ、地図上に色分けして示されるようなものではなく、支配地域の周縁部には帰属があいまいな領域=「境目(さかいめ)」が...
境目の戦国時代
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商品説明
戦国時代、大名の「領土」は、一本の線でくっきりと線引きされ、地図上に色分けして示されるようなものではなく、支配地域の周縁部には帰属があいまいな領域=「境目(さかいめ)」が広がっていた。
そこは人やモノや情報が行き交い、市が開かれる開放的な場であった。境目の領主や住人は、あらゆる情報を手に入れ、分析し、有利な方に味方しながら、戦国の世を生き延びてきた。大名もまた、境目の領主や住人を如何に味方として引き入れるかに腐心してきた。
従来の戦国史研究では、境目が一定の空間的広がりをもつことは忘れられがちであり、一部の様相がつまみ食い的に論じられてきた。本書は、境目そのものにあえて注目し、その内部の具体的な様相をみていくことで、戦国社会の別の一面を描き出す。
目次
- プロローグ ―境目とは何か―
- 1 前近代の境界
- 2 中世日本の境界―外浜と鬼界島
- 3 戦国大名の分国意識と境目
- 4 本書のねらい
- 5 本書の構成
- 本書の舞台全体図/ 東上野地域図/ 沼田・上田荘地域図/ 千国道筋地域図
- 年表
- 第I部 境目の社会と民衆
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開かれた「空間」
2022/11/17 16:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mt - この投稿者のレビュー一覧を見る
一国を制する大名が生まれず、上杉・武田・北条の係争地となった上野を例に、戦国時代の「境目」を紹介する。境目とは、敵対する勢力同士が複雑に混じり合う緩衝地帯であり、閉じられた国境線ではなく、開かれた空間として捉える視点が面白い。軍事的な緊張があるとはいえ、異なる勢力とのビジネスチャンスがあったり、領民が特別に保護される存在であったりと多様な面を見せる。またそうした境目に盤踞する領主たちも、敵対する両勢力にパイプを持つことで、大勢力に強気の交渉を仕掛ける強かな連中ばかり。境目という曖昧な「空間」がここにある。
境目の解放性
2022/09/23 11:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:K2 - この投稿者のレビュー一覧を見る
上信越国境を舞台に、戦国時代の境界認識に迫る。この地域で火花を散らした上杉・武田・北条といった戦国大名ではなく、等々力・栗林・阿久沢氏や小川可遊斎などといったマイナーな存在にスポットを当てているのが特徴。総じて著者は、境目の解放性に注目し、その領域性を重視するのだが、平時と戦時では境目の属性が変化するのではないかと愚考する。