原敬 「平民宰相」の虚像と実像
著者 清水唯一朗 著
初の「平民」首相として、本格的政党内閣を率いた原敬。戊辰戦争で敗れた盛岡藩出身の原は苦学を重ね、新聞記者を経て外務省入省、次官まで栄進する。その後、伊藤博文の政友会に参加...
原敬 「平民宰相」の虚像と実像
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商品説明
初の「平民」首相として、本格的政党内閣を率いた原敬。戊辰戦争で敗れた盛岡藩出身の原は苦学を重ね、新聞記者を経て外務省入省、次官まで栄進する。その後、伊藤博文の政友会に参加、政治家の道を歩む。大正政変、米騒動など民意高揚の中、閣僚を経て党の看板として藩閥と時に敵対、時に妥協し改革を主導。首相就任後、未来を見据えた改革途上で凶刃に倒れた。独裁的、権威的と評されるリアリスト原の軌跡とその真意を描く。
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日本で最高ランクの政党指導者の評伝
2021/11/23 14:35
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:本読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
陸奥宗光、伊藤博文、西園寺公望と明治の政治指導者たちから学び、星亨ら政党政治家としての素質も継承した原敬の本格的評伝。
戊辰戦争での敗北藩出身という苦汁を嘗めた経歴から、立身出世という明治時代の社会的雰囲気の中から、苦学して官僚となり、最終的には首相の座まで手にしたその激動の生涯が描かれる。
著者の清水氏は、官僚システム等に造詣が深いことから、腹の官僚・行政機構改革に尽力した面が多く描かれており、これまでの「我田引鉄」といった積極政策以外の部分を学べるのは本書の大きな利点だろう。
また、大正天皇はじめ宮中との関係もこれまであまり知らなかった為、注目を引く部分だろう。
多くを語らず、メディアに翻弄されるその姿は、現代の政治家の姿を投影したくなるようであり、そしてその非業の死は、帝国日本がその後辿る道を少なからず暗示させるものだったのだろうと感じずには居られなかった。
政党内閣の誕生
2024/02/14 14:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
現実的な路線で政党政治実現に向けた政治活動に邁進して、初の本格的な政党内閣を組閣した平民宰相・原敬の生涯についてよくわかる。
藩閥政治から政党政治への変革の実現者。
2021/12/19 07:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トリコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
藩閥政治から政党政治への変革の実現者。
「原を論じることは、明治という時代のゴールにたどり着いたあとの日本社会に溢れた夢と現実の相克を論じることにほかならない」。
著者の構成と筆力に圧倒され、読んでいて幸せな気分になれた。
興味深い
2024/10/09 11:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
原敬の虚像と実像が、興味深く読むことができました。平民宰相と呼ばれた秘密の一端が、わかりやすかったです。
後半は政治史の色彩が強く原の真意や人柄の記述が少ない
2021/12/31 21:33
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おくちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
賊軍となった南部藩の士族の家に生まれ、藩校で漢学とフランス語を学んだ後、上京して司法省法学校に入る。しかし寮の生活や学習内容になじめず退学となる。しばらく新聞社に勤務するが、フランス語の能力を買われて外務省に職を得る。それから井上馨、伊藤博文、陸奥宗光らの知遇を得て次官まで順調に昇進を重ねていく。そして伊藤博文らと立憲政友会創立に関わり、その後は衆議院議員となって政治の世界に入っていく。このあたりまでは苦労や挫折を味わった原の人間らしさも加味されて比較的よく描かれている。
しかし、これ以降、政友会総裁、そして首相となってからは、内閣人事や議会対応など政治史のような淡々とした記述が続き、原の真意(例えばなぜ普通選挙運動に反対したのかなど)や人柄に迫る記述は少ないように感じる。「虚像と実像」というサブタイトルが付いているが、その違いが明確に対比されているとは思えない。
また、本書には注が一切ついていないが、「文官任用令」、「爵位」など、現在の一般読者には理解がむずかしい用語には注をつけるという配慮がほしかった。
私には難解でした
2021/11/06 10:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本初の「平民」首相として知られる原敬さんの伝記です。
生い立ちから亡くなられるまで、しっかりと彼の業績が著されています。ですが、文中で使われている用語が私には難しく、内容の理解にはかなり苦しみました。
巻末に、原さんの略年譜が掲載されています。