日本の中絶
著者 塚原久美
昨今、中絶をめぐる議論が続いている。経口中絶薬の承認から配偶者同意要件まで、具体的にこの問題をどうとらえればいいのか。かつて戦後日本は「中絶天国」と呼ばれた。その後、世界...
日本の中絶
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
商品説明
昨今、中絶をめぐる議論が続いている。経口中絶薬の承認から配偶者同意要件まで、具体的にこの問題をどうとらえればいいのか。かつて戦後日本は「中絶天国」と呼ばれた。その後、世界が中絶の権利を人権として認める流れにあるなか、日本では女性差別的イデオロギーが社会に影を落としている。中絶問題の研究家が、歴史的経緯をひもとき、今後の展望を示す。
目次
- はじめに/第一章 なぜ中絶はタブー視されるのか/明治時代に作られた堕胎罪/日本の産児制限運動/優生保護法による中絶の合法化/中絶天国/現在も残る配偶者同意の問題/水子供養の作った罪悪視と偏見/日本におけるバックラッシュ/補論1 刑法堕胎罪と母体保護法/第二章 日本の中絶医療/中絶医療の遅れと堕胎罪/日本の?爬は第一次中絶革命止まり?/避妊しにくい日本/中絶が「産む」「産まない」の砦に/儲かる?爬/『必携』を読む/『必携』の問題点/胎児へのこだわり/『必携』の中絶観/実態調査/日本の中絶は安全なのか/中絶ケア・ガイドライン/補論2 日本の中絶方法の特殊さ/第三章 中絶とはどういう経験か/産んで養子に出す/最初の中絶/二度目の妊娠と流産/中絶の背景/日本の女性たちの声/海外の女性たちの声/いのちの教育とフェイクビデオ/第四章 安全な中絶/中絶と女性解放運動/ポッツ博士へのインタビュー/第二次中絶革命/第三次中絶革命/安全な中絶/吸引法とは/日本にすでにある中絶薬/中絶観が変わる海外/WHOの推奨する安全な中期中絶の方法/補論3 中期中絶とはなにか/第五章 性と生殖の権利/近代の人権~戦前まで/世界人権宣言と人権規約/女性差別の撤廃へ/リプロダクティブ・ライツへ/北京会議/二一世紀の動き/国連女性差別撤廃委員会からの二度の勧告/合法的で安全かつ包括的な中絶ケア/補論4 経口中絶薬をめぐる情報/第六章 これからの中絶/四つのA/平均卸価格七〇〇円台の薬が一〇万円に/経口中絶薬の歴史/避妊より中絶が先行した日本/アメリカの中絶費用/高額な日本の中絶/医師は自由に価格を設定できる/補論5 不妊治療の保険適用/おわりに/注
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
日本の中絶への意識、実態について著した1冊です。
2022/09/11 06:02
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本では中絶に対する意識がどうなっているか、そして日本の中絶の実態はどうなっているかについて、詳しく著した1冊です。
当書を読めば、日本の中絶事情がいかに世界で遅れているかが分かります。
中絶事情について詳しく知ることはなかなかないと思うので、ぜひ多くの方々、性別に限らず読んでいただきたい1冊です。本当に考えさせられました。
堕胎罪、女性蔑視の法律
2022/10/06 17:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
宗教的な倫理観から中絶に反対する欧米と、日本における中絶反対は何が違っていたのかを著者はわかりやすく説明してくれています。明治時代に作られた堕胎罪、女性だけが罪に問われる法律、これこそまさに日本が女性蔑視の国だったことの証と言えそうです
前首相の亡霊?
2022/10/05 16:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
女性の存在や尊厳をテーマに、人権としての中絶、中絶への意識を科学的な進歩や時代と共に変化する価値観や倫理観、さらには経済的負担や医療の問題、宗教や国家行政の問題にまで踏み込んだ男性が読んでおいたほうがよさそうな書。