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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
少年の頃には天才棋士出現と騒がれたが、その後は伸び悩んでいた将棋棋士が、紆余曲折のうえ覚醒し、トップ棋士として駆け上がる物語である。棋士の世界、実力がすべての世界を、時には人を人でなくしていく世界を、垣間見ることになる。特に、対局場面では、棋譜が詳細に記されているわけではないが、対局者の心の動きが、その身体的な細かな動きと共に、しっかりと伝ってくる。天才棋士藤井聡太が出現した現代だからこそ映える物語であった。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
このお話は、モデルさんがおられるんでしょうか。読んでいて、なんだか、すごくリアリティのあるお話でした。今は、藤井聡太さんが、20数年遡れば羽生善治さんが将棋界を仕切ってましたもんね。
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プロ棋士デビュー以来最下級クラスで燻り続けていた主人公の開花の物語
面白そうだなと手に取って読み始めたが、将棋知識がゼロに等しい私でも大丈夫かと不安になったものの、めちゃくちゃ面白かったし熱かった
むしろ将棋に触れてみたくなった
見所は巻末解説に載っているのであまり書きたくない前半のテンポの良さ、後半の濃すぎる一幕
一冊まるまる面白い
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面白かった。
観る将の自分にしてみたら棋士の苦悩が分かる気がした。
実際はこんなもんじゃないのだろうけども。
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将棋をテーマにした小説にまた忘れられない作品が現れた。
18歳でプロ棋士になり、真っ直ぐに攻めて最短で勝つという将棋を求めながら、ここぞという一番でことごとく負け7年間もC級2組で燻っている直江大。才能がありながら壁を突き抜けられない主人公が、天才少年拓未との出会い、女流棋士との関わり、四冠棋士との研究会、師匠との対局などを通じて成長していく姿を描く物語。
脇役たちのキャラが際立っているのも魅力だし、AIが棋界にもたらすもの、タイトルとスポンサーの関係、日本将棋連盟の棋界政治というものの存在など、今までにない切り口も新鮮。
圧巻は元奨励会員ならではの緊張感あふれる対局シーンの描写で、今までに読んだ将棋小説の中でも群を抜いている。特に終盤、新タイトル「蒼天」戦で一分将棋になってからの1秒を刻む展開を言葉で表現しきった筆力は凄いのひとこと。
そして最後は泣きました。
やっぱり将棋の小説はいいな〜。
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格下だった奨励会同期の親友に追い抜かれ、プロ棋士の底辺に漂っていた主人公が、親友と決別して、いろんな人と関わりながら気力、精神力を高める。そして棋界トップの一人となっていた元親友とタイトル戦で戦う。
最後の最後に、師匠が残した芸術的詰将棋(元親友は否定的だった)の考えが役にたって奇跡の逆転勝ちとなった。
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多くの他の将棋をテーマにした作品と同様に勝負の世界で勝ちきれずもがいてる主人公が様々なことをきっかけに強くたくましくなっていく話
将棋自体の楽しさ、棋界の政治・人間関係、クセが強くてきながら憎めないキャラクター、現代の将棋とAIの複雑な関係性と多くの要素がうまく詰め込まれた傑作だった
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奨励会を退会し、将棋に関する小説家を歩む橋本長道氏の「覇王の譜」、2022.9発行、421頁の大作です。実在する棋士をモチーフに、将棋界の習わし、棋士たちの強烈な個性と生き様を描いています。昔は棋士の対局を観戦するには、対局場に行くか、TVのNHK杯戦を見る位しかありませんでしたが、今はAbemaTVなどで沢山の生の対局がリアルタイムで楽しめます。有難いです。A級10人の棋士たちの対局姿、素晴らしいです。今日は、10時半からNHK杯、16時からJT杯の決勝、藤井五冠と斎藤慎太郎八段の対局を楽しみます。
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大学時代の将棋大会を想起した。
キリキリと胃が痛くなるような切迫した詰むや詰まざるやの終局場面は圧巻。
個性的で魅力的な登場人物が多いが、主人公との絡みをもっとみてみたかったかな。
そこはスピンオフも含めシリーズ化を期待。
一気読み作品。
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『盤上の向日葵』に続く2冊目の将棋小説。盤上の向日葵が将棋をモチーフにしているが真剣師の生き様を描いているものに対し、こちらは、元奨励会員の作者が描く将棋棋士。
ストーリーとしては、天才といわれた棋士が奨励会同期に敗れたことをきっかけに、一人はタイトルホルダーへ。もう一人は下位で燻る棋士へと。
その彼との繋がりを断ち、少年天才棋士や師匠、序列一位の棋士との研究会などを経ることによって実力を高めていくことに。
終盤のタイトル戦の挑決で主人公を負けさせるところなどは、驚いたが、百折不撓を表しており、主人公が強くなっていくところを描いているのかなと感じた。
元奨励会の先生が描いているだけあって、棋士の先生たちがこのような感情や思考で将棋を指しているのか?と想像できてとっても臨場感が出ており良かった。
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奨励会に所属したという作者。
対戦場面での心理、情景描写は真に迫る。
棋界にこれほど政治的な動きがあるかは不明だし、対戦時に露骨に心理的揺さぶりをかける棋士がいるかもわからないが、小説としては面白い。
終盤のタイトル戦の大詰めで追い詰められた主人公が、無駄と言われた師匠の詰将棋をヒントに活路を見出す瞬間もいい。
初めは下位に燻る主人公がたまたま出会った天才少年棋士を育てる話かと思ったが、主人公が逆境を切り拓き開花する王道のストーリーで、安心して楽しめた。
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出版が新しく、レビューも少なかったが本屋でサイン本が売られていたため衝動買い。結果から言うととても満足した。
将棋については基本ルールを知っている程度だったが、将棋用語を知らなくとも大きく困ることも無く、話も非常にテンポがよく、ページ数は多かったが盤上・外で間延びすることも無くサクサク読めた。対局のシーンの描き方も工夫されていたと思う。
p.407~408の極限状態の2人の描かれ方が愛おしい。
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対局シーンの熱さは、さすが元奨励会といった感じ
登場人物が皆、実年齢より高齢な感じがするのが気になるが・・・
続編(弟子、彼女)も期待したい
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元奨励会会員の著者が書いた将棋本ということで購入。
AIを取り入れた後の本格的な将棋小説ということで、かなり面白かった。
最後の場面は、控え室の人は評価値を見て詰みがあるとわかってたんだろうけど、プロでも詰みの手順がわからない局面だったということなんだろうと。この辺の表現がすごく上手いと感じました。
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心情と対局が動画で浮かんだ
動作が少ない将棋の対局が、動画で浮かぶほどの臨場感。棋士の心情の揺れ動きが手に取るようにわかるすごい描写だった。人間は誰しも他人と比較しがちになる。それによって不遜になることもあれば、卑屈になることもある。この本は、誰でも持つそんな生臭い感情を、棋士の人生から浮かび上がらせ、そして教えてくれる。大切なのは「今」だということ、そしてプライドを捨てて「いろんな人に教えてもらうこと」。うまくいかない人生に、背中を押してくれるリアリティある震える一冊。