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投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
いじめが原因で学校に行けなくなった美緒。ある日、美緒の大事にしていた赤いショールがなくなった。母に捨てられたと思った美緒は母と電話で口喧嘩し、祖父のいる岩手の盛岡へ向かう。美緒は岩手山をはじめとした自然に感動し、祖父の家で仕事を手伝いう生活が始まる。糸から作られる様々な色を見て美緒は自分でも何かを作りたいと感じ、自分で機を織り始めるが・・・・・。
祖父と両親と美緒に糸が紡がれてよかったですね。両親が離婚せず家族もバラバラにならず済んで安心しました。両親も一緒に盛岡でホームスパンの仕事をすればもっと良かった気もしますが、両親と美緒はどこに住んでいても紡がれた糸で繋がっているということですね。
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投稿者:ぽんぽん岩 - この投稿者のレビュー一覧を見る
美緒、父母、母方の祖母、父方の祖父母、夫婦や親子三代それぞれの紡ぎ直しの物語。
美緒の成長、工芸の厳しさと温かさ、岩手での色や匂い音に温度そして味、五感が刺激される大好きな作品ですが、やはり何度読んでも美緒の母とその母親(美緒の祖母)の関係が呪いのようでそこだけは辛い。
「美緒」の名前を思いながら装画とタイトルを見ていると、大きな羊に囲まれた女の子が一生懸命に紡いでる姿が浮かぶ。
スピンオフ、ゆっくりと力を貯えてきた太一の巣立ち、美緒の数年後を読みたい欲が膨らみます。がっつりじゃなくていいのです。どこかでほんの少し…。
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ずっと前に読みたくて買ってた本、
やっと読み終えた。
親子三代にわたるホームスパンをめぐる
物語。
東京で高校生活に馴染めない美緒が、
祖父の住む盛岡に1人で出かける。
そこから始まる祖父と美緒の布作り。
東京の都会での暮らしと盛岡の
ゆったりと時間の流れる暮らしのギャップが
文字に表れて美しかった。
今の生活が息苦しくて、
新たな土地で出迎えてくれる人がいるのって
いいなあ。
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とても良かった。
初めて盛岡に行ってみたいと思った。
知らなかった染織の世界や、羊毛の話、盛岡など全てがキラキラした世界で、宝石のようだった。
良い本を読んだなぁ。紘治郎さんが素敵!
センスが良くて言葉もぐっとくる。
こんな祖父がいたらなぁと憧れる。
美緒の母はちょっとキツイ。いくら心が壊れかけてるとは言え、娘に「女を使って」なんて絶対ダメだし自分が言われたら一生傷が残る。
太一と美緒がなんだか中途半端で気になるけど、それもまたよし。
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【壊れかけた家族は、また一つになれるのか? 高校生直木賞受賞作!】不登校になった美緒は、盛岡の祖父の元へ向う。羊毛を手仕事で染め紡ぐ作業を手伝ううち内面に変化が訪れ…。家族の再生の物語。
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高校生の娘、美緒が友達との人間関係に疲れて不登校に。美緒は岩手でホームスパンを作っている祖父のところで修行を始める。
親子三世代、それぞれの親子の繋がりが丁寧に描かれており、私は母親の真紀さんに近いと思いながら読んでいたが、どの世代の人にも共感できるところがあると思う。
岩手の自然やホームスパン作りの工房について、知らない世界を知ることも楽しい。
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「言はで思ふぞ、言ふにまされる」
この言葉をそれぞれが体感した時に涙が自然と溢れた。
私は主人公(美緒)の父母、祖母がとっても苦手でそこで育った美緒にも癇に障る部分があるけど、問題は誰が悪いとかではなく性格が正反対の人達が家族を築くにはどうしたらいいのか…
答えは言葉にすると簡単。でもその答えこそ一番難しい。
登場人物が苦手なタイプの人だと結末がハッピーエンドであっても読後感が良くないけど、雲を紡ぐは苦手な人だらけだったのに読後感が素晴らしく良い。
こういう小説に出会えた時の幸福感は他では味わえない、とても大切な感覚。
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いじめが原因で学校に行けなくなった高校2年生・美緒の唯一の心のよりどころは、祖父母がくれた赤いホームスパンのショール。
ところが、このショールをめぐって母と口論になり、美緒は岩手県盛岡市の祖父の元へ行ってしまう。
美緒は、祖父とともに働くことで、職人たちの思いの尊さを知る。
一方、美緒が不在となった東京では、父と母の間にも離婚話が持ち上がり……。
久々の伊吹さん。やっぱり良かった!
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祖父が話す内容がグッときます。大事なもののための我慢は自分を磨く。ただ、つらいだけの我慢は命が削られる。や、お前が幸せならみんなが幸せだ。など。
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文庫化を待っていた作品。
17才の美緒の成長物語。
人の顔色を伺い、いつも何かに怯えている美緒。
不登校になってしまった美緒は家にも居場所がない。
HPの景色に魅せられ、盛岡で羊毛を紡いで織る工房を営む祖父宅へ家出する。
ホームスパンという織物を初めて知った。とても上品でお洒落な盛岡ライフと、職人の祖父がとても魅力的。
父と息子の会話に泣けた。反して、母と娘って距離感が難しいなぁと。
宮沢賢治の「水仙月の四日」を必ずチェックしたくなるはず! 爽やかな読了感。
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逃げて健やかなほうがいい。
たぶん立ち向かわなくてはいけないこともあるだろう。その匙加減?見極めが難しい。
それでも、その地に根をおろし、築いてきたものがある確かさは、迷い人には拠り所となる。
急がずとも道は拓ける。
手仕事と、そしてそれを紡ぐ人に憧れる。大切に使い続け、引き継いでいけるものに憧れる。それなのに、惹かれるくせに、大事に紡いでいくことができない。ついダメになったら次のものになってしまう。
ホームスパンの世界に軸を置き、歩き始めた美緒がうらやましい。
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羊毛の感触、鉱物の光など表現がとても綺麗で癒されます。主人公はきっとHSPで、繊細過ぎて周りに振り回されて疲れてしまうんだと思います。そんな繊細な心を持った美緒が職人の仕事を目の前にしたとき、どう心が動かされていくのか。父と母と和解できるのか。とても楽しんで読むことができました。太一くんが作ってくれる羊のマスコットがどんなものか見てみたい、きっと可愛いにちがいない。あと、カフェで食事するシーンが多いのだが、食べ物の表現とかが美味しそうで、ぜひ行ってみたい。
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この小説を読んでホームスパンのことが気になり、先日ついに購入。国産の羊毛を丁寧に紡いで作ったマフラーをしてもう一度読み返してみようと思った。
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伊吹さんの作品に、最初に出会った時のような既視感を覚えた。むしろ、よかった。読んでいる私でない私が、そうそうこういうのって、喜んでる感じ。読んでる私の方は、美緒と真紀の心情や行動が描かれるところでぐったり、辛かった。もうっ、逃げな逃げなって思いながらページをめくってました。
最後は、希望がもてますから、今いるところがしっくりいってない人に読んでほしい。
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コーヒーが美味しい盛岡に行きたくなったなぁ
大谷選手も岩手県出身だ!(関係ないけど)
会社員の世界や職人の世界
子どもの世界や親の世界
それぞれ色んな悩みや問題があって
一筋縄では解決しなくて…
それが身近に感じられて
すごく良かった
はじめは美緒が可哀想すぎて、
読み進めるのが辛かった
初めじゃないな、ずっとかな…
思った事を口にするのが苦手だと
今の世の中は特に大変だ
全てに急かされて結果を求められる
私が共感したのは美緒と真紀の関係
私も母親に褒められた記憶がない
私の場合は母親が
コンプレックスの塊だったからだが…
そのくせ何でも私に決めさせる
私も母親から離れたかった
そして間もなく迫ってくる介護…
宮沢賢治の一節も効果的で
『言はで思ふぞ、言ふにまされる』もまたしかり
最近読んだ中では一番良かった!(泣)
伝統工芸とか
日本は
本当はもっと大切にしなきゃいけないのにな…