武士とは何か(新潮選書)
著者 呉座勇一
平安後期から戦国時代にかけて、政治・社会の中心にいた中世武士。日常的に戦闘や殺生を繰り返していた彼らのメンタリティーは、『葉隠』『武士道』で描かれた江戸時代のサラリーマン...
武士とは何か(新潮選書)
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商品説明
平安後期から戦国時代にかけて、政治・社会の中心にいた中世武士。日常的に戦闘や殺生を繰り返していた彼らのメンタリティーは、『葉隠』『武士道』で描かれた江戸時代のサラリーマン的な武士のものとはまったく異なっていた。史料に残された名言、暴言、失言を手がかりに、知られざる中世武士の本質を読みとく画期的論考。
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武士の気風、メンタリティーから「武士とは何か」という問題に迫る
2023/08/22 15:01
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投稿者:パミチ - この投稿者のレビュー一覧を見る
中世の武士を定義すると「武芸をもって朝廷に仕える職能人もしくは職能集団」となるが、しかしこの定義だけでは「武士がなぜ政治的・社会的影響力を持つようになったか?」、「なぜ武家政権が何百年も続いたのか?」は説明できない。又、かっては「荘園の中で成長した上層農民が自衛のために武装して武士になった」と考えられていたが、現在ではその説は完全に否定されている。しかしそれに代わる新たな定説も確立されていない。武士発生論から「武士とは何か」を解き明かす手法には限界があると言わざるを得ない。そこで本書では「武士とは何か」という問題に「武士の気風、メンタリティーを考える」ことからアプローチしている。「武士とはどのような行動原理を持ち、どのような思考様式を持つ存在なのか?」そのことを端的に示すのは武士自身の発言である。又、貴族の武士に対する評言からも、武士が当時の社会でどのように認識されていたかが浮かび上がる。そういった視点から本書では源義家から伊達政宗まで33人の天皇・公家・武士の発言を収録し各々に解説を付している。そして終章「中世武士から近世武士へ」では全体を総括し、「武士とは何か」について著者の考えを述べている。本書では源義家の暴力性や残虐性が指摘されており、今まで抱いていた「源義家」像とは違うことに驚かされた。