面白くて賢くなれるような気がする
2023/06/26 14:36
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
漢字ばっかりの古臭い言葉ばかりと思ってはいけない。大和言葉も含まれる。豊かな語彙があれば、豊かな情感を得られること間違いなしる
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宮崎哲弥(1962年~)氏は、慶大文学部社会学科卒、博報堂嘱託研究員、中央大学非常勤講師、京都産業大学客員教授等を経て、相愛大学客員教授。研究開発コンサルティング会社・アルターブレイン副代表。多数のメディアに出演する、評論家、コメンテーター。
私はこれまで、著者の本では、随分前に『新書365冊』(2006年)を読み、それを参考に何冊かの新書を手に取った記憶があるが、所謂書評本であるその本のクオリティについては考えたことがなかった。ところが、最近たまたま松岡正剛の伝説の書評サイト「千夜千冊」を見ていたときに、『新書365冊』が取り上げられており(そもそも、書評のプロである松岡氏が自らの書評サイトで書評本を取り上げること自体、前代未聞と思われる)、しかもその中で「365冊の新書をずらりと並べたことにも驚くが(とりあげられた新書からみて、すべてはこの数年の読書なのである)、そのすべてに付された10行から50行ほどのコメントが、ただものじゃない。・・・本書を読んで、宮崎哲弥という人物の本の読み方は並大抵ではないことがすぐにわかった。このあと少し紹介するけれど、すこぶる適確な読書力と判断力をもっている。」とべた褒めで、また、「すぐれた批評家は、その多くがすぐれた熟語を発する編集能力の持ち主でもある。宮崎も本書のなかで、適宜、巧みな熟語をもって一冊の内容をしばしば切り取っている。」と、その言語力に触れていたのだ。(残念ながら、それを知ったときには、同書は既に手放してしまっていたのだが。。。)
そして、そのことが頭に残っている中で本書を書店で目にし、躊躇うことなく入手した。
拾い読みをしてみると、私としては、収録されている言葉の7~8割が「理解語彙」(=文章を読んだり、話を聞いたりしたときに意味のわかる言語群)で、2~3割が「使用語彙」(=実地で書いたり、喋ったりして、能動的に使うことのできる言語群)のような感触を持ったが、そのバランスもよく、また、語彙事典のようにシチュエーションや言葉の意味から調べられるだけではなく、前から順に読んで行けるような工夫された記述になっているので、一度通読してみたいと思う。
また、私は近年、短歌を詠み始め、気の利いた語彙(特に和語の)を増やしたいと思っているのだが、本書では漢語だけではなく和語も多く含まれているので、参考になりそうである。
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自分がよく知らなかった日本語について気づくところはあったが、自分にとってはトリビア的な楽しみしかなく、考えが変わったり、行動が変わったりと言うきっかけになるような種類の本ではなかった
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難しい言葉をひけらかしたくなる衒学趣味
一番不便なのは、ダウンロードしないと索引を使へないこと。語彙集としては欠点中の欠点。
内容としても、てっきり斟酌とか剴切とか蓋然性とか、あまり使はないが有用な言葉が載ってゐるかと思ひきや、濫觴だの耳朶だの、燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんやだの、いつ使ふの?といふ文学的な言葉が多い。いくらボキャ貧でも、こんな単語は無用の長物である。もっと本書でいふ「使用語彙」を増やしたらどうか。
読書猿はこの本を書評してゐるが、こんな上級語彙を使はずにわかりやすく物事を伝へることを基本にしてほしい。
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宮崎哲弥さんの魅力に触れてみたくて読み始め、知識の広さと、言葉選びの巧みな理由が、とてもよくわかる本でした。正直、ここで出てくる言葉が自分のものになるかというと、それは否だと思うので、ここで触れた言葉は入り口だと思って、読書を続けて、物語の流れの中で上級語彙が登場した時に、身に入るような気がします。
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私たちの中で漢学の素養を持つひとはあまり多くない。調べたいことばは、ネットで一意の意味として置き換え理解したつもりになっている。
本書は、ことばを大切にして思いを伝えることの美しさを説明してくれている。参考手紙文のような使い方をしたい。
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氏の手になる新書ガイド新書を読んで、それを参考に次々手に取った経験もあり、その発信は楽しみ。でも意外に、上木する書は少ないイメージで、それは少し残念。そして本書。扱われる内容もストライクで、これは読まないとということで、入手・読了。勉強になったというのは言うまでもないけど、読み物として面白かったのが素晴らしい。理解語彙と使用語彙についても触れられているけど、大いに納得。大人が使用語彙を増やすためには、それなりの努力が必要。で、その対象となる語彙をピックアップしてみたら、えらい量になってしまった。でも一つずつ確実にものにしていきたいので、覚えとして列挙しておく。
上木 嘉(よみ)する 衒学(pedantry、学をひけらかすこと) 死友・管鮑の交わり・莫逆の友 久闊を叙する ゆくりなく・はしなくも 私淑(私かに淑しとする) 薫陶、陶冶 鼎立、鼎談(三者による) 和語において「匂う」がもともと視覚的イメージを表す 耳食(耳で聞いて味を判断) 陋巷(ちまた) 糟粕を嘗める 肯う(うけがう) くちい(腹がいっぱい) とめゆく(尋め行く) 徐に(ゆっくりと、徐々に) 愁眉を開く(顰めた眉を戻す) 蓋し(強い確信) 白兵(武器の総称)、短兵急(だしぬけ) 失笑(吹き出してしまう) 冷笑主義:シニシズム、シニカルな姿勢 莞爾:
にこにこ笑み せきあえず(塞き敢えず) 畢竟:結局のところ 間然する所がない:非難すべき欠点が無い 取意:意図を変えずにまとめる、引用する 贅言:無駄な言葉、贅する:余計な事を言う 容喙(喙を容れる):差し出口
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宮崎哲弥は、言葉が好きなのだと思う。
彼が幼少期から収集してきた言葉を集め、豊かな表現として使える形に表現する手法はなかなかにわかりやすい。
辞書を読むのではなく多少注釈が多い文章的な感じで読み進めると、知らなかったことばや、既知の言葉から派生した、もしくは元となった言葉に出会える。
私も仕事として言葉を使うが、私が使う言葉は「相手が理解できる程度」が求められるので、常に平易な言葉を選び勝ち。
日本語の機微な感覚を愉しむこととは対極にあるが、本書の筆者、宮崎哲弥氏は言葉使いを自己の満足としているようだ。
ただ、個人的に多くの言葉を知ることは、私にとっても楽しい作業であり、その点で本書はなかなかに愉しかった。
ちなみに本書は手元に置いておくべき本なので、図書館には頼らず最初から購入した。
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そもそも教養なるものに実利をどこまで求めるべきかは昨今の「教養」を掲げたビジネス書籍の濫造を考えると天邪鬼な態度を取りたくなるものだが
言葉を文字通り血肉として取り込むことは一種の活動として心晴れる何かがあるものだと思うし
筆者が取り組んできた語彙への接し方、時代をまたいだ作例の用い方など、個人に拠る辞典の一つの形として抵抗なく読了することが出来るものだった。
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試みも素晴らしく、悪い本ではないが、とにかく読みにくい。語彙の例中の別の語彙にも解説が適宜加えられ、1つの語彙が頭に入りにくい。索引もネット上にしかないのも不便。余白が多いのだから、紙媒体にも索引はあってほしかった。
それでも知らなかった語彙やなんとなくわかっていたような語彙の正確な意味を知ることができた。ただここでの語彙のほとんどは一般的に共通認識がないので、使いづらいかもしれない。
個人的に今後使ってみたい語彙
「地を易うれば皆然り」、「無音」、「耳食」、「顰みに倣う」、「痛惜」、「肯綮に中る」、「批正」。
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もうこの年になると、今更だな。
中高生なら、あるいは、だけど、それでも人から勧められてわざわざ身に付けることも無い気がする。
読書をしていれば、ある程度は自然に身に付いてしまう。
偏りなく、ある程度の量は必要だろうが。
耳から入る、日々のやりとり、昭和を含む日本文化、時代劇とかに接する機会が激減していることで難しくはなっているかな。語彙って古い言い回しが、ベースだからね。
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語彙を増やすことが目的の本だが、漢字で表された語句は類推が可能だけれども、訓読みのものはかなり難しいと感じた.例えば、嘉する、偶さか、諾う、徐に などなど.(それぞれ、よみする、たまさか、うべなう、おもむろに). 普段あまり目にしない読み方があるのは、中国から伝わった漢字の発音が、呉音、漢音、唐音と時代が下るに従って変化しているのが一因だろう.いずれにしても、書物に紐解く機会をなるべく多くして、語彙を増やして行きたい.
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■前説
まずもって触れなきゃいけないのは、この表題のこと。そもそも教養って〈長い年月にわたり蓄積した知識と経験が絡み合って知恵化し、人生を豊かにするもの〉と僕の中では定義化している。
新潮社ともあろう大出版社がコンビニの書籍コーナーに並んでるような安直でスノッブなタイトルを付けたなぁと苦笑いしてしまった。それと〈語彙解説とその用法を説く〉著者の宮崎氏なら、『軽々に教養なんて使うなよ〜』と言いそうなのに認めたことにも驚く。※新潮選書の編集者が命名したと決めつけいるけど、実は宮崎氏だったりして…
■総評
本書は、著者が10代半ばより、本・雑誌・新聞等で未知の言葉に出会う度に採録した語彙ノートがベースになっている。その採取作業は虫や植物の観察より楽しい作業だったと坦懐するぐらい没入し、ノートは数十冊・採取語は1万語にものぼる。今回出版に際し500語を選出。残念なのは、紙幅の都合か索引が付いていないことは欠陥と言っていいと思う。
■短評
本書は言葉の意味を記すだけではなく、実例が示されており、ユニークなのはある語彙の説明に使った語彙を説明必要な語彙として即説明を行う念の入り用で、痒いところに手が届いてる。
普通、人は辞書を読むことはしない。今ならスマホで調べられ、ますます辞書を開くことから遠ざかり、家に辞書はあっても開かずの存在になってるのが大半だと思う。
僕は小学5年生ぐらいからお年玉で〈ことわざ辞典〉〈故事成語辞典〉〈四字熟語辞典〉などを買い読んでいたので、めくれどもめくれども語彙・語彙・語彙…の単調極まりない本書も最後まで愉しく読めた。
命題:本書で覚えた語彙を普段使いできるのか?
僕の答えは『NO』に近い。文章を読む上では、語彙が多いほど書き手の真意を素早くかなりの精度で理解ができる。でも、会話となると聴覚に届くので、例えば「矜恃」「席巻」「白眉」『含羞」「吝嗇」なんて言われると、言葉の意味の解釈に気を取られ内容の理解が疎かになる。
本書6章にも書かれているが、語彙には『理解語彙』と『使用語彙』の2種が存在する。前者は文章を読んだりする上で、知らない言葉も文脈から推察できたりする語彙を指し、後者は日常で使いこなしている語彙。
この2種の語彙の関係は、理解語彙>使用語彙。要はおおよそ知ってはいるが、いざ使うとなると、普段使いの語彙を使ってしまい、ビジネスの場等で自身ボキャ貧ぶりが露呈してしまう。
とは言え、語彙を闇雲に増やしたところで、それが実際に使えなければ意味を持たない。
そこで…
①語彙の意味を理解した上で使う。
②また別の言葉に置換できる平易な語彙を増やす。
③類語も合わせて記憶する。
ようやく、この3つができたことで使える語彙となる。
…と読み返し偉そうな書いてるなぁ。それと熟語が多い。熟語は端的に言い表すショートカットのつもりで使ってるけど、それが余計にわかりにくくしているのであれば〈策士、策に溺れる〉の口ですな。
語彙を増やす本読んだのに、ますま��迷走中。また熟語使ってしまいました。
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なんとか、7割くらいは理解できた感じかな。。
見たこともない言葉がたくさんあったり、
自分が思い込みで間違って読んでいたり、誤解していた言葉も多く、とても刺激になった!
⭐︎確乎不抜(かっこふばつ)
心がしっかりと定まっていて動揺しないこと!
戦く(おののく)
奇しくも(くしくも)×きしくも
就中(なかんずく)
剰え(あまつさえ)
諾う(うべなう)もっともだと思って同意する
肯う(うけがう)承知する。肯定する
嚆矢(こうし)物事の始まり。原義は鏑矢
人口に膾炙する もてはやされる
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第1章 イントロダクション―上木と忖度
第2章 世間の交らい―友愛・感化・恥・地位・男と女
第3章 聞こえる、見える―「私」が感受する上級表現
第4章 行う、行く、戦う―「私」が行為する上級表現
第5章 笑う、怒る、泣く―「私」が叙情する上級語彙
第6章 読む、聞く、叙説する―知的活動に関わる上級語彙