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公衆衛生の倫理学 ──国家は健康にどこまで介入すべきか
著者 玉手慎太郎
パンデミックにおける行動制限から肥満対策、健康格差や自己責任論、健康増進にかかわるナッジの問題点に至るまで。健康をめぐる社会のしくみは、人々の自由をどのように変えるのか。...
公衆衛生の倫理学 ──国家は健康にどこまで介入すべきか
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公衆衛生の倫理学 国家は健康にどこまで介入すべきか (筑摩選書)
商品説明
パンデミックにおける行動制限から肥満対策、健康格差や自己責任論、健康増進にかかわるナッジの問題点に至るまで。健康をめぐる社会のしくみは、人々の自由をどのように変えるのか。選択すべきは介入か、それとも個人の自律か──。高度化する健康管理の技術を注意深く読み解きながら、健康を守る社会の仕組みと個人の生き方の複雑な関係をめぐる問いにじっくり向き合う。自分自身で考え、共に生きるための倫理学。
目次
- まえがき/序章 公衆衛生倫理学の問題関心/1 公衆衛生の営みとその倫理/2 健康増進への関心の高まり/3 健康格差という問題圏/4 ナッジという新手法/5 自己責任論との対峙/6 新型コロナウイルス危機の倫理/7 倫理学の目的と市民の役割/8 本書の構成/第1章 肥満対策の倫理的な課題/1 日本の肥満対策の現状/2 行き過ぎたパターナリズムの懸念/3 健康の道具化の懸念/4 自己責任論に伴う懸念/5 スティグマ化に伴う懸念/6 結び/第2章 健康の社会経済的な格差の倫理/1 健康の社会的決定要因とその含意/2 健康格差はなぜ不当なのか/3 健康格差はどこまで是正されるべきか/4 健康格差対策をめぐるジレンマ/5 結び/第3章 健康増進のためのナッジの倫理/1 ナッジという新手法/2 ナッジの魅力の所在/3 健康増進のためのナッジの具体例/4 人々の共有された目標としての健康/5 健康への自己コントロールとナッジ/6 社会全体の利益のためのナッジ/7 結び/補論1 ナッジの透明性/第4章 健康をめぐる自己責任論の倫理/1 自己責任論の問題はどこにあるか/2 責任帰属そのものを拒否してしまってよいのか/3 社会的決定要因から自己責任論を考える/4 自己責任論はコントロール可能性に依拠しているのか/5 社会的決定要因をめぐる議論は自由を尊重できているか/6 後ろ向き責任と前向き責任を区別する/7 二つの責任の区別から自己責任論を考える/8 前向き責任を重視する公衆衛生のアプローチとはいかなるものか/9 結び/補論2 自己責任を追及する心理/第5章 パンデミック対策の倫理/1 新型コロナウイルスがもたらした価値観の変化?/2 ケイパビリティ・アプローチによる自由の把握/3 感染症を通じて見る自由の多様性/4 ケイパビリティは価値一元論か/5 ケイパビリティの評価実践/6 危機の下でいかなる自由を求めるのか/7 結び/終章 自由としての公衆衛生へ/1 論じられるべき四つの論点/2 市民の役割をどう捉えるか/3 自由なき公衆衛生に対するオルタナティブ/4 公衆衛生倫理学への招待/公衆衛生倫理学を学ぶためのブックガイド/注/初出と加筆について/あとがき/参考文献/索引
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ナウシカ
2023/02/15 16:07
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投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
人々の生活を守るための試みが生きづらさを生んでしまったり人間らしさを奪ったりしてしまうのはなぜか。身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態としての健康の実現は困難だが、いかにして皆が生きやすい社会を実現するかを考察している。