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投稿者:M.F - この投稿者のレビュー一覧を見る
先行して刊行された、「認知バイアス事典」の続編に相当する書籍である。
「行動経済学・統計学・情報学編」とサブタイトルのついた本書では、日常の意思決定や判断に応用できそうな、実用的・実践的にも有意義な話題が目立つように感じる(特に1部と2部)。
また、個人的には、読んでいておもしろく感じる部分が多い本でもあった。
そのような訳で、先行して刊行された本を、まだ読んでいていない方にもおすすめしたい。
先行して刊行された書籍を、読んでいないと理解が出来ないような内容ではないと思う。
先行して刊行された書籍とあわせ、両方読むのが、より望ましいのかもしれないが(私自身は両方読んだ)、時間のない方は、本書についてだけでも目を通しておくならば、得るものがあるように思う。
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認知バイアスに関する書籍の第二弾。
ビジネス心理学の副読本として読了。
ビジネス心理学自身が認知バイアスの知見を利用している事が多いので既知の事も結構あり。
事典というだけあって、認知バイアスに関する事柄を簡潔に纏めてある。
実験データでは確率が必要とされているため、挿入される図も理解を助ける。
(確率といっても分数計算、算数レベルなので難しい訳ではない。)
第一弾と合わせて使えば、認知バイアスに関する事項はかなり網羅出来るのではなかろうか。
著者がバラバラだと文体の差が出るケースがままある。本シリーズは著者による文体の差はあまりない。
編集の段階で意思統一したのだろうか好感がもてる。
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面白かった!世の中に溢れるバイアスがまとめられた本書は、バイアスの解説の中に社会問題などの例も入っていた。面白かった〜!
p.65 「終わりよければ全てよし」や「最後の一言で台無し」と言う言い回しがあるが、実は科学的根拠があったと言うことになる。実際、コールセンターいや、顧客へのクレーム対応では、このピークエンド効果が応用されている。クレーム対応の締めくくりは、「このたびは申し訳ありませんでした」と言う社会ではなく、「お客様から私どもの至らない点をご指摘いただき、誠にありがとうございました」とクレーム相手にお礼を伝える。これは、クレーマーをアドバイザーのように思わせることによって、怒りを沈めることに役立てているのだ。
p.208 気分が落ち込んだときに、暗いニュースを見続けてしまう行動をドゥームスクローリングと言う。この言葉は2020年の新型コロナウィルスの流行や、2022年のロシアによるウクライナ、信仰を受けて注目され、しばしば意地悪世界症候群との比較がなされる。例えば、長時間テレビを見ている人ほど、世間は冷たいと感じる意地悪世界症候群に落ちるため、警察や法律がより弱者の保護をするべきと言う考え方になる傾向があると報告されている。
一方、ドゥームスクローリングにおいては、特定の事件や組織、人種、信条を持つ人を偏った視点で批判する記事が多く存在し、差別意識を激しく助長する危険性が指摘されている。さらに、ルームスクローリングは不安や鬱症状を悪化させ、睡眠パターンを見出し、注意力を下げ、過食を引き起こすことが報告されている。人のトラウマ処理能力を弱めることが発見されている。
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この手のテーマだと当たり前のことを大げさに盛ってたりするけど、この本は淡々と解説していて誠実。
普段なんとなく感じていることに名前をつけてくれる本。
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感想
知らないよりは良い。だが知っているだけでは意義は少ない。日常生活の中でも自らのバイアスに気づき続けることが重要。皆バイアスに囚われている。
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自己啓発の決定版とも言える「7つの習慣」の第1の習慣「主体性であること」とコヴィーさんは説いた。これは抽象的に言えば「外からの刺激と自分の反応の間に空白(スペース)を設けること」である。
行動経済学の権威、ダニエル・カーネマンも同様のことを説いている。「システム2を起動させよ」と(「ファスト&スロー https://x.gd/18Q0p)」より)。
では具体的にどうすればよいか?と言えば、認知バイアスのひとつひとつを理解する習慣を持つことと言える。知ることで、デタッチメントのキッカケを得ようとする「if-then Planning」だ。
もし外からの刺激と自分の反応の間に空白を空けられなくなったらどうなるか?コヴィーさんは「反応的な態度になる」と説く。もっと論理的に理解したければ、行動経済学の知見から解説されている「いつも時間がないあなたに~欠乏の行動経済学」(https://x.gd/Aiylz)で説かれている。
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有名なものから最近提唱のものまで様々なバイアスを網羅。
説明も分かりやすく、「じゃあどうしたらいいのか」的な気付きが得られるのも面白いところです。
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タイトル通り認知バイアスのことを教えてくれる本。
へーというものもあれば、あまりピンとこないものもあった。自分にどんなバイアスがあり、考えたかを変えるのに役立つのでは?という期待から読んでみたが、それには自分がどういう立ち位置でいるかを知ってないと役に立たない気がした。
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前作からは多くの学びを得た。翻って今作は、前作と重なる部分もあれば、無理矢理バイアスと名を付けたように感じられるものもあり、ほとんど得られることはなかった。
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図書館で借りてだいたい読んだ。
# p145 時系列比較の誤謬
いじめの「発生」ではなく「認知」を調査している。認知件数が上がったからといって状況が悪化しているかというとそうとは限らない。むしろ今まで顕在化していなかった事例が見つかったという可能性がある。
このようなデータの収集において、計測されていない数が存在する場合がある。こうした数を「暗数」と呼ぶ。時系列で比較を行うとき、現在の数値が過去より増加したとしても過去のデータに暗数が存在していれば、状況が悪化しているかどうかはわからなくなるのだ。
# p235 理解レベル効果
理解レベル効果は長期記憶に役立つ。
今、勉強していることにはどんな応用例があるのか、どんなところに役に立つのか、歴史的にどんな意味があったのか、この一連の式展開はどういった目的があるのか、概要はなんなのかを理解する必要があるのだ。
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同シリーズの前著と同じく、様々なバイアスを紹介している点は良いのだが、各バイアス紹介文を教訓めいた話で結論づけているのがどうにも気になる(前著よりは本書のほうが違和感が少ない)。著者が変わっても共通するので監修者か編集側の意向であろうが、単純化されすぎているように感じ集中できない。本書にピークエンドの法則(終わりよければすべてよし、最後の一言で台無し)が紹介されているが、まさにこれが体現されている。意図的に各紹介文の最終項を読まないようにしたらだいぶ快適になった。
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バイアスを完全に排除して世の中を見つめることも、情報を発信することも、きっとできない。だからこそ、どんなバイアスがかかる可能性があるのか、知識としては一つでも多く知っておきたい。そして、この本自体にも何らかのバイアスがかかっている可能性があることも考慮しておきたい。
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既に別の本で知っている物もいくつかあったが、第2章の統計学的視点や、第3章のラストなどは量子物理学、哲学などの学問横断的でとても興味深かった。それぞれのテーマについて既知ではあったが、それらをバイアスという視点で知れたことは大きい。
■情報源と、自分が受け取った情報は異なる?
陰謀論に引っかかってしまう理由という視点で見てみると、本書で取り上げられているバイアスの中の複数が絡み合っていることが分かる。
陰謀論を本気で信じて流布している人と、その陰謀論を受けとって感化されたり、半信半疑ながらも否定できずモヤモヤしたりする人達は、このバイアスの存在を知っているかどうかで受け取り方が変わってくるはずだ。
本書の最後の1項、「素朴実在論」はとても重要で、本書の統括とも言える。
同じ情報でも、人によって受け取り方は異なる。
よって元の情報Aと、受け取った自分のA’は、厳密には異なる情報となる。
当然、自分と違う人が受け取ったAはA’’であって、これもまた自分のA’とは別物と言える。
果たしてAは正しくて、A’やA’’は間違っているのか。
自分というフィルターを挟んでいる以上、A == A'とはなり得ない。
そうすると、「正しく情報を受け取る」ということも、
いやそもそも「正しい情報」というものも、厳密にいえば存在しないのかもしれない。
裏返せば、全て正しいとも言える。なんてこった。
極論、全て思った通り恣意的に受け取ってもよいし、
逆にすべて疑ってかかる必要もある。
しかし現実的に、前者はあまりにも危ういし、後者はあまりにもしんどい。
受け取る情報の選び方も、受け取り方も、解釈の仕方も自分なりの正解に近づけていく必要がある。
■「風の時代」に備える?
スピリチュアルな思想をもとに情報商材に繋げる手法が多い。
下手に散財しないためには、こういった情報を受け取る際にバイアスや素朴実在論についての前提知識が求められる。
例を挙げると…
長くなるので全文はnoteに載せました。
https://note.com/ronnio/n/nb0cf802ac76e
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行動経済学…とかのジャンル分けされても浅学なためによく分からなくて、常に「〇〇による先入観」として読んでた。
本当にどれも自分や周りに当てはまるからこの本読むと呪いみたいに「あーこれは〇〇バイアス掛かってるな」って脳内に出てきちゃう。褒め言葉です。
前作(緑)を読んだときの感想で、「人間臭さを決めてるのは何かしらバイアスから生まれる先入観だと思うので、だからこそ人間行動学や心理学、哲学などに繋がって来るとは思う」みたいな事をドヤ顔で書いてて、この本を読んだ時に「人はバイアスのない状態はありえない」ってもう書かれてあって、ドヤ顔してたのが恥ずかしい…
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セールスマンが使ってそうで、自己防衛のためにも読んで良かったです。バイアスの名前まで覚えていなくても、「あっ、これって、なんか書いてあったパターンじゃない?」と思えるだけで、冷静な判断ができそうです。