クリスティーファンには嬉しい論説
2024/06/19 23:01
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投稿者:future4227 - この投稿者のレビュー一覧を見る
豊島岡女子、青山学院など2024中学入試においておそらくは一番多く出題されたであろう論説文。何が正しいかなんてわからない現代において、自分の正義を他人に押し付ける風潮が蔓延していることに危惧を抱く。正しいを疑ってかかることが大切。それは小説を読むことでより洗練されていく。特にアガサ・クリスティーが筆者の一押し。そうして多様化する価値観を認め、それぞれの落とし所を見つけていくことが求められている。あとがきに書かれていた著者の言葉が心に刺さる。「将来何になりたいか」ではなく「何をしたいのか」を考えるべきだと。
最後は誘導的でしたが、論点はごもっともです。
2022/10/13 13:37
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
「正しい」と思われていることに疑いを持つことの大切さについて、著者が論じた1冊です。
これだけだと「疑うとは何事だ」と思われるかも知れませんが、いざ読んでみると、ブレない論点にごもっともと私は思いました。ぜひこの論点は多くの方々に知っていただきたいです。
最後は誘導的な結論になりますが、そこは問題ないと思います。紙幅は薄いですが全10章あり、各章が短いスモールステップで読みやすい1冊です。
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「正しい」ことを疑え。疑う力を鍛えるために、アガサ・クリスティーを2回読もう。民主主義を唱えながら、自分の「正しさ」のみを押し付け、時には暴力(肉体的、精神的)におよぶ「市民」が多すぎる。「正しさ」は相対的なものだと思う。人を疑う前に、一度立ち止まって、自分を疑うことから始めたい。
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自分が相手と同じ場所にることを表すために、つまり自分は正しいと認めてもらうために、他人のコメントにいいねをしてしまう。それあ不安だから。
声高に歴史を語れるのは勝ち残ったものだけ。
情報について、他人はどういう発言をしているのかを調べてみる。
自信とは頑張る自分を信じること。
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ジュニア新書だったのね。子ども達に向けての一冊。
読みやすくて良い。
情報には発信者の期待がこもる。
「情報」には情に報いる、という意味がある。なるほど、すごく納得した。それを念頭においてニュースとか見ると、なかなか面白い。
正しいを疑う力を身に付けるぬは「小説」を読め!
面白いし、有効手段の一つだな。
「何になりたいか」じゃなくて「何をしたいか」を追い続けるという思考は、目から鱗だった。
この方の小説、元々好きなんだけど、こういう想いがあっての作品だったのだ、ということがわかって良かった。
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例えば、日本では「話せばわかる」はずだから、コミュニケーションが重要だと考えられていますよね。ところが外国では、「話してもわからない」からこそ、互いの妥協点を見つける為にしっかり話し合うことが必要だという理解です。 自分の価値観で自由に行動している人も、潜在意識が警鐘を鳴らすと不安に駆られるのでしょう。その結果、「自分は”正しい“場所にいるのかな?」「周りから浮いていないかな?」と確認したくなるのではないでしょうか。
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#正しいを疑え
#真山仁
#岩波ジュニア新書
小説家の真山さんが現代を生きぬくヒントを教えてくれます。確かに情報過多な現代。疑う力が必要だと感じました。小説やミステリーを読むことによりその力を育てるのも納得。早速アガサクリスティに挑戦したい。
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自分よりだいぶ若い人たちへのメッセージとして書かれた一冊だけど,受け取れるものは多かった.
小学6年生,受験を間近に控える息子に改めて,勉強の合間に向き合ってほしいテーマだった.
大好きな作家の共感できる本なのに「違和感」も覚えられたことは,収穫だった.
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若者向けに易しく書いているのが好結果につながっている。ふだんは真山さんの本は不正義に対する怒りが文体に滲み出る感じがしてました。しかし、この本にはそれがないです。ちなみにこの本で勧められてアガサを改めて読み直そうと思いました。
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・日本では「話せばわかる」はずだから、コミュニケーションが重要と考える。外国では「話しても分からない」からこそ、互いの妥協点を見つけるためにしっかりと話し合うことが必要と考える。つまり根本的にコミュニケーションの捉え方が違う(p.6)。
・島国という地理的条件、長く続いた鎖国。日本では国民が均質で同一の価値観を有する社会になった。つまり、「多様性」から最も遠い文化の中で生きてきた。(p.12)
・自分の信じている神こそが世界最高だ。多くの「迷える子羊」に最高の神様を教えてあげたい。異教徒の目を覚ましてあげることこそが、信徒の使命=正しいこと、だと考える。
・日本人と中国人は明らかに価値観が違う。人生の優先順位も違う。似ているのは容姿くらい。(略)ある街で白っぽいキクラゲを黒く塗って「黒いクラゲ」として売って大儲けした男が詐欺で捕まった。薬効があるといわれている黒いクラゲは昔から高級品。このニュースを知った多くの中国人は「そんな簡単なことで高く売った奴はすごいな」と。詐欺を働いた悪人じゃないかというと「だまされる奴が悪いんだよ。そのアイディアを考えた奴はすごい」と感心する。(p.78)
・中国人は家族や仲間を大切にするが、そうでない人に対してはかなりドライ。また、政治の話をすると、圧倒的な自己正当性を主張する。世界で一番強く正しいのは中国だと(世界の中心は中国と=中華思想)、ごく普通の人が当たり前に主張する(p.80)
・中国人はアメリカ人に似ている。他国にはあまり興味がなく、常に自分たちは絶対に正しく良い国だと胸を張っていう。
・世界は今、「ポスト真実」(世論の形成に、真実ではなく個々の感情が優先される時代)が到来した(p.120)。SNSを通して世論が暴走する。
・人の数だけ「正しさ」がある。自分の価値観をもとに「正しい」と考えるのは自由ですが、それを他人に押しつけてはいけません。お互いが多様性を認めていれば、価値観が異なる人とも仲良くできるはずです。自分と違う「正しい」を訴える人は魅力的に見えます。視野を広げてくれるからです。ひとつの物事に複数の「正しい」があるとするならば、皆が認め合いながら「落としどころ」を探す大切さが見えてくるはずです。(pp.164-165)
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エンタメ小説家による若者への人生訓
世の中で正しいと言われていることを疑い、よりよく生きるためのヒントを提示している。情報の見極め方、成長のための小説の読み方など。
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子供向けの本だけど、大人になった自分にも参考になる事が多かった。
腹を割って話せば分かると思う日本人と、分かり合えない前提で妥協点を探す欧米。
騙す人が悪い日本と、騙す人は頭がいい中国。
情報は、発信者によって歪められている事。
など、子供の時から知っておくと良さそうなことばかり。
あと、小説を通して様々な人の擬似体験をする事が有益性も、多くの人が言っている。
アガサクリスティー推しも納得。
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正しい、と言われていることをそのまま信じるのではなく、知見を持って疑おう。そのために小説を読んで疑う力を鍛えよう。という主張。
ツッコミどころなのかわかりませんが内閣総理大臣は国民の選挙で選んでいません。
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批判的思考力を身につけることや、氾濫する情報の中から「正確」なものを選び抜く能力、情報を受け取ったときの他人の反応を正しく予測し、「報道されない事実」に目を向けることで情報発信者の意図を想像すること、これらの力を身につけることが情報化社会を生きてゆくためには不可欠だと言われています。
国家間の戦争から、SNSで炎上する個人間の意見対立まで、その根本には「自分の主張が正しい」という信念や、「間違っている相手を正そう」とする(間違った)正義感があります。
世間にまん延する(自分にとって居心地の良い)「正しさ」を疑うためには、歴史的な背景を含めた正確な知識が必要だと言われますし、そのための「教養」をみにつけるための書籍もよく店頭で目にします。
しかし、筆者はその「正しいを疑う視点/能力」を身につけるための方法の一つとして、「小説をよむ」ということを紹介しています。
社会を見る目、人の発言や行動を分析する力、価値観の多様性、異なる文化が衝突する理由、その解決策など、様々なものを小説は教えてくれるというのです。
評論や教養書を読んだ方が良いんだろうな……と思いつつ、ついついエンタメ小説に手を伸ばしてしまうことが多い私にとってはとても慰めになる一冊でした。
小説の効能は
・想像力を豊かにする
・いろんな人生を疑似体験できる
・気になることがあれば立ち止まって考える余裕がある
・多様な価値観があることを実感できる
と盛りだくさんで、楽しみながら「力」を身につけることができます。
(本文p.140)
小説はフィクションですが、それは単に架空の筋立てであるということであって、人間とは何かを見つめ、様々な人間の生き方を読者に伝えるという意味では「人間の真実」を描いています。つまり、小説で起きる”正しさ”の衝突は、現実の社会でも起きるということです。
「読書って何の意味があるの?」と思っている人や、逆に「本ばっかり読んで!」と叱られている人に、ぜひ手に取ってほしい一冊です。
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自己啓発本
でも勇気をくれる。
正しいが気になるのは自信がないから
自信とは、自分を信じること。
色々考え、試行錯誤して、確かめながら生きていく。
そのためには、頑張っている自分を信じることが必要。 他人の意見をしっかりと聞き、頭から否定するのではなく異なる意見として受け入れられる広い視野と懐の広さを持つ。
想像力を持って自分の未来を描き、実現できるように頑張る。
どうせなら生き甲斐やモチベーションがあるほうが楽しいし、生きる張り合いも生まれる。
自分の人生なんだから、自分で道を狭くしない。
いつでも可能性や選択肢は沢山ある。
未来を考えるときにも、柔軟な多様性をもって、「やりたいこと」が鮮明になり、チャレンジ精神も湧いてくる。