機械が人間に近づいている?
2023/02/17 21:02
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投稿者:オワコンテレビ - この投稿者のレビュー一覧を見る
現代は情報化社会と言われる。そこで想像されるものは、生き馬の目を抜く、どころかさながら銃弾のように、情報が飛び交い、日々社会が変化する中で人間が必死に追いつこうとしている姿だろう。
しかし、養老先生はここで語る、情報は記号であり数字であり不変である。一方人間は一人として同じ身体を持たず、昨日と今日が同じ状態であることはあり得ないし、例え肉親でも皮膚や血液は代替できない、唯一無二ものである。
それをこの情報化社会ではその日々変化する人間を、変わらないもの、記号のようなもの、即ち人間を情報の一部として扱う、それが情報化社会である、と喝破する。
「ああすればこうなる」と因果関係を定形化し、「これはこういうもの」とあらゆるものを概念化し単純化する、いずれも万物を数値化、記号化する、流れのものである。
関連するYOUTUBEでも、「何が機械が人間に近くなっているだ、冗談じゃねぇ、人間が機械に近づいているんだよ!」、と語気を荒げていた部分が、この本にはユニークに、明確に、論理的に書かれ、引き込まれ、あっという間に読破できる、流石養老先生、の一言に尽きる作品です。
言葉で伝えられない世界があることを知ること
2023/05/12 16:43
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
養老先生の論説は、いつも痛いところを突いてくる。社会をわかろうとする努力は大切であるけれど、分かってはいけないという。言葉では伝えられない政界もあることを気づいて、しかし五感で受け取ったものを情報化する、表現するという仕草が大切だ。世界を知ることにより、自分が変わり、学ぶことにより自分の味方が変わる。「ものがわかる」ということは、共鳴することであろう。
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投稿者:カレイの煮付 - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間は、進化するということが、よく理解できた。思考も年々進化する、から、昔の自分と今の自分とでは、全く違う人ということもあるのかもしれないと思えた。
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とても読みやすく、普段養老先生がyou tubeでお話されている内容プラスアルファが伝わりました。共鳴!ですね
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●なぜ気になったか
「考えても答えは出ません。それでも考え続けます。」内容紹介にあった、この言葉が目に入ったら、「で、考え続けた結果はいかに?」と知りたくなったので読みたい
●読了感想
うーん、僕には合わなかった。「答えは出ない」の「答え」は「正解」の意味であれば出なくて当たり前。だけど「個人の意見としての答え」は考えれば出るのではと思ってしまいなんかモヤモヤ
#ものがわかるということ
#養老孟司
23/2/1出版
#読書好きな人と繋がりたい
#読書
#本好き
https://amzn.to/40oGzUX
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本のタイトルである『ものがわかるということ』ってどう言う事だろう?と思い、本書を手に取りました。
何でも単純に明確にしようとすれば理解できると思っていましたが、どこかに正解があるはずと思い込み、意味のないものに意味を見出そうとしたり、理解できなくても良いものを理解しようとしたりしていたのだなぁと、改めて考えさせられました。
また今までは自我と言う考えに近かったので、心で相手に共感するから心は同じもので、身体が個性であると言う考えは新鮮でした。
身体の感覚に従う、時にはファクトやエビデンスすら疑う。やるべき事をやる忍耐が必要。など、程度の問題では大切ですが、行き過ぎれば良くないのでは?と言う事も書かれたりして面白かったです。
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「わかる」ということに、多方面から考えられている本。さっきの私と今の私、常に変わりゆく私を私自身が理解できていないのに、「わかった気にならない」のは他人や事象に対しても必要なことだと感じさせられた。
物事への視点をどこに置くか、その視点に「共鳴」できるか、理屈では説明できないことも含めて、「わかる」ことを模索し続けたい。
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面白かったです。
短いエッセイを集めた本は、序盤のものだけ面白いということが多いですが、この本は全編を通して考えさせられたり、新しい発見があったりします。
ちなみにこの本を読めば「わかる」とはどういうことか分かるのか?あとがきの書き出しを引用します。
『さて、「わかる」ということが、わかっていただけたでしょうか。そんなわけないですよね。』
これぞ養老流。
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よかった。単純に読んでいてなるほどと思うことが
多くありました。
わかるということについて、深く考察していく感じ
がとてもおもしろいと思いました。
特に他人のことがわかるということについては
とても同意を感じます。
そういうふうに改めて考えていきたいと
思います。
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子育てについての事も書かれていて、とても共感できる内容が多かったです。
子どもはコンピュータと違って、ああすればこうなるというわけにはいかないのであって、親の思い通りに育つとは限らないと書かれていました。
親の思いを押し付けるのではなく、子どもの思いを汲み取って、良いところをのばし、そうじゃないと思うことに対しては根気よくゆっくりと教えていくことが大切だと学びました。
そして、大人も子どもも自然に触れること。
私は虫や鳥、植物がすきなので、そこもすごく共感できる内容でした。
子どもとも、共鳴できると素晴らしいですね。
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この本で、一番、印象に残ったのは、「人は変わり続けるものである」ということでした。
どうして、自分のことを勝手に決めつけられて、あんな言われ方されないといけないのだろうと、腹を立てたり、悲しい思いをすることもありますが、自分でさえ、昨日の自分と今日の自分は違って、同じ人ではないのに、他人のことなどなおさら分かるはずもないと、そうすると、その人の発言は、その人のその時点の気持ちを述べたものにすぎないのであって、言われたこちらが一喜一憂するものではないと、受け流せる気がしました。
本書のテーマ「ものがわかるということはどういうことか」とはずれていますが、「人は変わり続けるものだ」ということを意識するだけで、心がより穏やかになるので、読んでよかったです。
あと、頭で考えるだけでなく、実際に体験することが重要だとも思いました。頭でっかちな人間にならないように留意していきたいです。
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著作をあまり読んだことがないながら、なぜか昔から惹かれる養老先生。見た目や雰囲気がまず好みということもあります(笑)
想像していたより、結構ばっさりはっきり物を言われる方だと今回知りました。勝手に親近感を抱いています…
気になったところをいくつか。
○知るとは自分が変わること
○ああすればこうなるが前提になっていたら、知ることが難しい。
○万事を「日常言語の世界」で済ませたいと思う人は文系に向いていて、そこから出ることに抵抗のない人は理系に向いている。
○心は自分だけのものと思っている人が多いが、心とは共通性そのものです。
心に個性はありません。他人に理解できないことを理解し、感じられないことを感じている人がいたら、それは病気です。
他人に通じない考えを自分が持っていても意味がない。どうしてこんな当たり前の常識が通らないのか。心の個性があるなんて思っているから、若い人が大変な労力を使うわけです。自分は人とは違う、個性がある、そういうことを証明しようとする。空回りするに決まっています。
この四つめの考え方にはハッとさせられました。個性とはその人の身体そのものであり、心ではないとおっしゃってます。完全には理解できていませんが、この考え方は現代人にとってとても意義があるように思えます。
全体を通して、とても納得がいく部分と、確かにそうだなと思った直後に、よくわからない所に飛んでしまう部分とありました。
あまり上手く纏まってなくて、養老先生が話したことをさっと書き取りまとめたのかなという印象。それでも、先生がぶつぶつと何となく話すことが、一般人にとっては参考になり、気づきがある。そんな考え方があるんだとハッとしたり、この面倒くさい時代にそこまで言ってしまうんだという驚きと尊敬が入り混ざった思いがありました。
結局わかるということは、里山に行くなどして自然の中で動き、身体を使いながら感覚を大切に、対象を観察するということだとおっしゃっているのかなと思いました。先生が虫を観察するように。そして、わかろうとするほど、わからないことがどんどん増えると。
この本でも触れられている少子化の問題ですが、政府は異次元の少子化対策と言っているけれど、何だか実際的外れなことしてるなぁと個人的に思っていました。どうして子供を持たなくていい、または一人で十分と思う人が増えているのか、国が考えていることは少しズレてるのでは?と感じていました。
お金がかかるから、仕事との両立が大変だから、などを問題点にして、子育てにかかるお金をもっと国から出しましょう、保育園の送り迎えが楽になるようにしましょう、父親の育休をもっと取りやすくしましょう…
私が子育てして感じたのと違っている。確かに、子育てがあまりに大変で、近所を散歩しているおじさんとかを見ると、「そんな余裕があるならちょっと手伝ってください」と声をかけたくて仕方なかったことすらありました。もうこれ以上頑張れない、無理だ、と、子供と保護施設のようなものに飛び込もうかとも思ったこともあります。この大変さは、こういった類の政策でどうにかなるものではないと思う。
今の政府のとっている対策では、ただでさえ横暴に、わがままに、自己中になってきた現代人の、若い、子のいる親は、子がいるだけでなんか偉くなった気にさえなり、際限なく要望を言い出しそうだなと、そういう風潮だと、子への思いの質も変わって来そうな気さえして空恐ろしくなります。
養老先生は、(ここだけ切り取って紹介すると誤解を招きそうで心配だけれど、)子供はノイズそのものだと言っています。結婚はノイズと生涯を共にするようなものだととも。先生がそう思っているのではなく、現代の脳化社会、情報化社会の実情として、そうなっていると。私が上手く言葉にしてまとめられない、(もしくは言葉にしてバッシングを受けるのが怖いだけかもしれない…)少子化の問題の根本に、先生の言われていることは近い気がしました。
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ベストセラーではあるが、タイトルにある「ものがわかるということ」が、どういうことであるのかが、この本を読んでもよくわからない。
挙げられている例も、あまり整理されていない印象。結局、何を言いたいのか、よくわからなかった。
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物事を単純化しないように、とは言うけれど、それはとても難しい
頭が良く無いと行けなくて、生きづらそうな生き方だ
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分かるということに身体が重要である事に驚いた。分かるという事の本質をこれまで理解できていなかったんだと痛感した。
内容は面白く、文章量はそれほどないので数時間で読めたのは良かったが、値段が少し高いので中古で買って読むことを勧めます。